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馬鹿みたいな話! 昭和36年のミステリ
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馬鹿みたいな話! 昭和36年のミステリの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.89pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全9件 1~9 1/1ページ
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推理小説として購入しました。 最初から2/3ぐらいまでは昭和30年中ごろのテレビ局の様子、スタッフ、俳優などの話が続きます。 なかなか始まらない。 残り1/3ぐらいになってやっと殺人事件が起こります。この殺人をめぐり、刑事、スタッフ、俳優、などが推理をします。 前半に伏線といえるものではないですが、2,3ありますが、推理して解決するには程遠いものです。 最後に犯人は分かりますが、今までに書かれていないことが後から後から出てきます。特に親子関係などは、最初に書いてほしかったと思います。 これでは読んでいて推理することはできません。 また、この物語は、文章で読んでいると顔は分かりませんが、映像化すると、直ぐにわかってしまうのでは、と思います。 | ||||
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軍靴の響く中で負けるはずがないと戦争に向かっていく昭和12年、焼け野原となった日本が復興に歩み出した昭和24年、敗戦の傷はほとんど消えて高度経済成長に向けた歩みを始めた昭和36年。太平洋戦争をまたいだ24年間は現代日本の激動期です。 それぞれの時代の世相や空気感を描きつつ、不可解な殺人事件を一人の少年、青年が解決していくという趣向で構成されており、昭和24年が舞台の「たかが殺人じゃないか」は21年のミステリ三冠王ですが、その12年後、テレビ局のスタジオが密室殺人の舞台です。 誰がなぜどうやってというミステリの王道を踏まえつつ、三部作はそれぞれが時代の雰囲気を味わえる小説に仕上がっています。昭和30年代生まれの私には、昭和12年24年は親から聞いた話に重なる部分があり、昭和36年の空気感は自分事として味わえました。トリックの妙よりも時代世相を楽しめたシリーズでした。 が、それは欠点でもあるのでしょう。すでに死語となった言葉や物故した方々の名前が多く出てくるので、それ何?どういう人?と感じる方には読み進めるのがきついかもしれません。「傷痍軍人」などはその分水嶺になる言葉かもしれないとレビュータイトルに入れました。 蛇足ながら、この後、昭和48年、60年と書いてほしい気もしましたが、昭和48年、60年となると敗戦の欠片はほとんど残っていません。辻真先氏はミステリという形で敗戦前と敗戦後のリアルな日本を書きたかったのかもしれません。 | ||||
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きれいな状態で届きました。何も問題はありません。 | ||||
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筆者がNHKに在籍していた昭和36年のテレビドラマ制作の裏舞台がとてもよく描けていました。 同時代を同年代として生きた辻真先さんの放送局勤務時代のオマージュのような輝きを持っていました。当時テレビ業界で活躍していた俳優たちの実名や番組がふんだんに登場しているのも当時を朧気ながらに知る者として懐かしく読みました。『夢であいましょう』の坂本九、渥美清、中島弘子などの登場人物や、当時のテレビ演出家として活躍していた岡田太郎、五社英雄、和田勉なども本書の中で触れられていました。 そしてなにより、ずっと昭和の時代から読んできた辻さんさんが前作に引き続き、令和の時代に読めたことに驚きを隠せません。卒寿を迎えた作家がこのような400ページ近くのストーリーを創り上げたことへの賛美です。 登場人物の会話のやり取りも昭和のテレビ界というものを感じさせるものがあり、今の人にはいささか古臭い文体も当時の推理小説のスタイルだと思えば合点がいきます。作者の作風でしょうが、そこまで配慮していたと思っています。 一方、本格推理小説としてのトリックには少し無理があり、ストーリーを成立させるために動機にも納得しがたい点があるので、ミステリとしては普通でしょう。ある程度のお約束事として読まないとミステリへの評価は辛くなるからです。 前作もそうですが、この年代でここまで創作意欲をもって綴られるお元気さと明快な頭脳に感心しきりでした。90歳でこれだけの作品は書けません。お見事な後期高齢者でした。 | ||||
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古本なので、どんなものかと少し心配でしたが、帯も付いていて、本の使用状態を書かれていたこと以上に綺麗なもので良かったです。 | ||||
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88歳の推理小説に魅せられて購入しました。 さすが展開も心地よく面白い 作家 | ||||
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一昨年の国産ミステリーベストテン二冠(三冠?)となった元NHK 勤務の辻真先氏の『たかが殺人じゃないか』(以下前作)の続編。 主人公は前作と同じ風早勝利で、前作は昭和24年(1949年)の時代設定で、勝利は17歳の高校三年生だったが、本書は12年後の昭和36年(1961年)の時代設定で、勝利は29歳で、ミステリ作家になっている。 事件は、昭和36年10月28日にミュージカル風ミステリドラマを生放送中のCHKスタジオで主演女優20歳が殺される密室殺人事件。 ストーリーの詳細はネタバレ防止のため省略する。 前作同様に、ミステリであると同時に、時代風景、時代風俗、時代情念を再現したノスタルジア小説(言い方悪ければご容赦)になっていると思う。 ただし、大好評であった前作にも、いろいろ厳しい意見はあった。これはおおむね二つに分かれると思う。 ①ミステリの複雑なトリック等に無理、不合理がある。 ②昭和24年という時代に馴染めない。また、その時代を知らない読者に親しみを持たせるような書き方がされていない。 私はというと、どちらの批判にもあまり共感できず、ベストテン第一位になるのにふさわしい作品であった思う。ただ、会話に、当時の映画の題名が次々と出てくる点は、この時代の映画や戦前映画に関心のない人にはちょっときついかなとは思う。 それで、続編の本作品についての私の感想は、 ①ミステリ部分は、事件もトリックも前作よりかなりシンプルになっている。ちょっと物足りない面はある。 ②しかし、昭和36年のテレビ界やドラマ撮影の再現には、相当に力が入っている。高等学校、旅館、遊廓と舞台の移動した前作に比較すると、焦点も絞られている。テレビ創成期の話なので、前作よりは、時代的関心を持つ読者の範囲が広がるのではないか、と思う。 結論 前作同様、たいへん気に入った。①がちょっと薄いのは、②に力を入れたからだろう。 蛇足 本書の真ん中あたりで、作者は前作の犯人をバラしてしまっている。まだ前作をお読みでない方は、先に前作から読まれたほうがよいと思う。 | ||||
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確かに、今時のミステリーの定石は踏んでいないと思います。 幾つも殺人事件が起きる訳ではなく、最初に密室殺人発生時の状況だけ描いて、そこへ至るまでの状況がじっくり描かれていく。 でも、作り自体は非常にフェア。 真相をあばく部分を明示し、それまでに犯人が判るか否かを読者へ問いかけてくる。 最期に明かされる要素が幾つかありますが、それを知らなくても犯人へ辿り着ける仕掛けがしてあるので、読み終えた後に振り返る余裕があれば、はっきり確認する事ができます。 私の場合、一応、犯人は判ったのだけれど、「あ~、見逃したぁ」とため息をついた部分も少なからずありました。 そして最後は人間ドラマで締めくくる作り……確かに「今時」では有りませんが、古き良きミステリーの王道を目指した作品だと思えます。 又、昭和のテレビのど真ん中を生きた人でなければわからない当時の世相、テレビ局の裏側がたっぷり覗けるので、そのリアリティと「昭和」という時代の空気を味わう楽しみもありますよ。 この世界、間違いなく辻さんにしか書けないだろうし、もっと読みたいと言うのが正直な気持ちです。 | ||||
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だって、昭和36年のテレビ業界の蘊蓄が延々と描かれててなかなか事件が始まらないんだもん(汗) 当時のスターが実名で出てきてその人の生い立ちやらデビュー作品やら延々と描かれてるけど、はよ事件(苦笑) 根気強い方は楽しんでみてください。私は時間を捨てたくないので途中でやめます。 | ||||
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