馬鹿みたいな話! 昭和36年のミステリ
- 昭和 (5)
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軍靴の響く中で負けるはずがないと戦争に向かっていく昭和12年、焼け野原となった日本が復興に歩み出した昭和24年、敗戦の傷はほとんど消えて高度経済成長に向けた歩みを始めた昭和36年。太平洋戦争をまたいだ24年間は現代日本の激動期です。 それぞれの時代の世相や空気感を描きつつ、不可解な殺人事件を一人の少年、青年が解決していくという趣向で構成されており、昭和24年が舞台の「たかが殺人じゃないか」は21年のミステリ三冠王ですが、その12年後、テレビ局のスタジオが密室殺人の舞台です。 誰がなぜどうやってというミステリの王道を踏まえつつ、三部作はそれぞれが時代の雰囲気を味わえる小説に仕上がっています。昭和30年代生まれの私には、昭和12年24年は親から聞いた話に重なる部分があり、昭和36年の空気感は自分事として味わえました。トリックの妙よりも時代世相を楽しめたシリーズでした。 が、それは欠点でもあるのでしょう。すでに死語となった言葉や物故した方々の名前が多く出てくるので、それ何?どういう人?と感じる方には読み進めるのがきついかもしれません。「傷痍軍人」などはその分水嶺になる言葉かもしれないとレビュータイトルに入れました。 蛇足ながら、この後、昭和48年、60年と書いてほしい気もしましたが、昭和48年、60年となると敗戦の欠片はほとんど残っていません。辻真先氏はミステリという形で敗戦前と敗戦後のリアルな日本を書きたかったのかもしれません。 | ||||
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きれいな状態で届きました。何も問題はありません。 | ||||
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筆者がNHKに在籍していた昭和36年のテレビドラマ制作の裏舞台がとてもよく描けていました。 同時代を同年代として生きた辻真先さんの放送局勤務時代のオマージュのような輝きを持っていました。当時テレビ業界で活躍していた俳優たちの実名や番組がふんだんに登場しているのも当時を朧気ながらに知る者として懐かしく読みました。『夢であいましょう』の坂本九、渥美清、中島弘子などの登場人物や、当時のテレビ演出家として活躍していた岡田太郎、五社英雄、和田勉なども本書の中で触れられていました。 そしてなにより、ずっと昭和の時代から読んできた辻さんさんが前作に引き続き、令和の時代に読めたことに驚きを隠せません。卒寿を迎えた作家がこのような400ページ近くのストーリーを創り上げたことへの賛美です。 登場人物の会話のやり取りも昭和のテレビ界というものを感じさせるものがあり、今の人にはいささか古臭い文体も当時の推理小説のスタイルだと思えば合点がいきます。作者の作風でしょうが、そこまで配慮していたと思っています。 一方、本格推理小説としてのトリックには少し無理があり、ストーリーを成立させるために動機にも納得しがたい点があるので、ミステリとしては普通でしょう。ある程度のお約束事として読まないとミステリへの評価は辛くなるからです。 前作もそうですが、この年代でここまで創作意欲をもって綴られるお元気さと明快な頭脳に感心しきりでした。90歳でこれだけの作品は書けません。お見事な後期高齢者でした。 | ||||
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古本なので、どんなものかと少し心配でしたが、帯も付いていて、本の使用状態を書かれていたこと以上に綺麗なもので良かったです。 | ||||
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88歳の推理小説に魅せられて購入しました。 さすが展開も心地よく面白い 作家 | ||||
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