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(短編集)
フルスロットル: トラブル・イン・マインド1
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フルスロットル: トラブル・イン・マインド1の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.50pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全10件 1~10 1/1ページ
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コルター・ショウ三部作を終えたと思いきや、そちらのシリーズはさらに続編があるというニュースもあるし、リンカーン・ライムの新作も間もなく出るという中で、春先には短編集を二分冊で出していたので、ディーヴァーのワーカホリックぶりはどれだけ凄いのか、とびっくりさせられるのだが、これは2014年の短編集なので、凄いのはディーヴァーだけではなく、むしろ続々日本の読者に彼の作品を届けてくれる翻訳の池田真紀子さんなのだ。 感謝の気持ちを抱きながら作品集に取りかかる。個人的にはこの5月、ちょっとした入院をきっかけにディーヴァーの積読本を沢山読んだのだが、そこでも一応シリーズ全読の終わったキャサリン・ダンスの短編作品『フルスロットル』で本書は幕を開ける。人間嘘発見機のキャサリンだが、今回は箸にも棒にもかからぬ無表情の犯人取り調べの模様が冴える。タイムリミット型スリラーなのだが、苦慮するキャサリンに読者も先が読めないのだが、ツイストの回収力はさすがである。早速ディーヴァーだなあとの苦笑を胸に作品を進める。 アメリカ人としては珍しくサッカーに目がないエディー・カルーソと、ライム・シリーズお馴染みの刑事ロン・セリットーのコンビネーションが、練りに練られた二転三転の事件を暴く『ゲーム』。 出演者たちが自費でポーカーをやるライブTVの試みとその経緯を描く『バンプ』は、アメリカでは賭博の法律がどうなっているんだろうと気になりながらも思いがけぬ展開を見せてゆくツイストと、ラストの大転換にやられた一作。 リンカーン・ライム短編は、『教科書通りの犯罪』。警察アカデミーの生徒マルコとこのタイトルの関係が気になりつつ、サックスとマルコによる奇妙な現場の鑑識活動が始まる。証拠だらけの現場。教科書に出てくるような証拠がまるまる一セット。もちろん読み終わる頃にはすっかり騙されてしまった読者がいるというエンディングが楽しい。 この作品集中の白眉が、何と言ってもあまりに久々なジョン・ペラム・シリーズの短編作『パラダイス』だろう。コルター・ショウの前身と呼ばれるペラムは映画のロケ・ハンターで、いわゆる旅をしながら事件に巻き込まれてしまう探偵である。いきなりのアクション・シーンから、怪しい男女たちの集まる片田舎の村。短い時間の間に様々な人物の疑いと闘いと殺人。楽しい一冊だった。長編でも復帰してほしいところだが、ディーヴァーの未来作は、コルター・ショウに引き継がれてしまったかな。 ラストは北京オリンピックを舞台に国際間のスポーツとそうでないところの競争?も描いた小品『三十秒』。 ほとんどの作品が70~100ページ弱で短編集というよりは中短編集と言える作品集だが、二分冊なので一冊にまとめたつもりで連続的に読んでゆくと良いかと思う。 ちなみに作者のまえがきは一冊目にしか載っていないが、これがなかなか味のある意味深げである。まるでマジシャンの記述前のトークのようだ。ディーヴァーの前置きにうずきながら、騙されるものかとページを繰る歓びにひたれる時間は、ぼくにはけっこう幸せなひとときなのである。 | ||||
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おなじみの面々が入れ替わり立ち替わり登場するので、ディーヴァーの他の作品を読んでいると一層楽しめます。 『パラダイス』355ページに『オールド・クロウのバーボンを瓶の五分の一も飲んでおいて…』とありますが、原文は『a fifth of oId Crow』。a fifthは5分の1ガロン瓶のことなので、約750MLのバーボンを1瓶全部飲んだ…ということだと思います。 a fifthは誤訳しやすい単語として翻訳に関する書籍によく取り上げられます。大ベテランの池田真紀子さんが(多分)間違えたのが意外でした。 とはいえ池田真紀子さんの翻訳は流れが良く、安心して読めます。 | ||||
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ジェフリー・ディーヴァー、最近面白くない。リンカーン・ライムを書かないと、並以下のミステリー作家だな。 | ||||
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著者の各種ミステリーの違った料理がいろいろ味わえてお得です。 | ||||
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「フルスロットル」で自分がどこまでもアナログ人種だと思い知った。「どこのタイミングで進めたの?」と真っ先に思ったから。バーニングワイヤー読んでてこのていたらく。電波が悪い時代に突拍子もない時間さして直せない事があった時に身辺から駆逐したんだっけ… ライムが「ジョーズ」を観てない事に驚いてみた。趣味嗜好はそれぞれだが、それは基礎教養に入れといて~ 短編って何故だか長編よりも数ページ先をちょい見したくなる 楽しく読みました | ||||
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登場人物の表記がないため、主人公はわかっても、その関係者とか犯人とかが外人名なためなかなか憶えれません。メモでもとればいいのでしょうが。大抵は初めのページに表記がありますよね。そのためトラブルインマイルドⅡも同じだと思いキャンセルしました。ジェフリー・ディバーの本は好きなんですが、残念です。 | ||||
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おなじみの顔ぶれも出てきて面白いですよ! | ||||
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といっても、私はディーヴァーは短編しか読んでいないのですが。 ですから、前書きで作者が短編と長編の違いについて説明してくれていますが、そういった違いを楽しむという読み方はできませんでした。 シリーズ・キャラクターが出てくる話も半分あるのですが、そちらも同じですね(ただ以前の短編集にもライムものは入っていたので、覚えはありました)。 以前の短編集二冊もそうだった、ひねりの効いたはっきりしたオチのミステリ短編集を期待して読んで、その通りの中短篇集で素直に面白かったです。 以下、少しだけネタバレあり ただ、作者が同じ前書きでラッシーを例に書いているような、バッドエンドで衝撃を与える展開の話はこちら(原著の短編集を二分冊している一巻が本書)には入っていませんでした。 二冊目には、私好みの、オカルト的な要素のある短編もあるということなので、そちらも楽しみにしています。 | ||||
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ディーヴァーの第三短編集、分冊のI、「フルスロットル トラブル・イン・マインドI "Trouble In Mind"」(ジェフリー・ディーヴァー 文藝春秋)を読み終えました。本作には、6作の中短編が収録されています。ディーヴァーを読むのは、「魔の山 コルター・ショー」(2021/9月)以来になります。 ①「キャサリン・ダンス フルスロットル」 言うまでもなく、主人公は、CBIモンテレー支局捜査官、キャサリン・ダンス。自由兄弟会と名乗る過激派グループ。仕組まれるテロ事件。早々に容疑者は捕縛されますが、果たして、爆発を仕掛けられた場所は?キネシクス分析が通用しない相手との丁々発止のやり取りといくつかのミスディレクション。そして、爽快な"はなれわざ"。私は素直な読者ですので(笑)、きっちりと騙されました。 ②「ゲーム」 ニューヨーク。リンカーン・ライムものから飛び出したロン・セリットー警部補。不動産という名のゲーム。巧み過ぎて、そのストーリーの骨格を思い出せない(笑)。 ③「バンプ」 一世一代のポーカー・ゲーム。ハリウッド映画への愛。誰もが「バンプ」を欲しがっている。出来のいいハリウッド映画は最後までしっかりと仕組まれています。 ④「リンカーン・ライム 教科書どおりの犯罪」 クレバーなシリアル・キラー。物的証拠を逆手に取った犯罪。しかしながら、教科書どおりの犯罪。ここでもまた、いくつかのミスディレクションによって、読者は翻弄されることでしょう。おそらくこうだろうなと確信した<Who-Done-It>が、もう一度反転します。 ⑤「ジョン・ペラム パラダイス」 コルター・ショーは、ジョン・ペラムの生まれ変わりだったのか?タランティーノに塗されたアメリカ的な、あまりにもアメリカ的なスリラー。見事だと思います。 ⑥「三十秒」 舞台は、オリンピック・スタジアム。鳥の巣。よくもまあ、これほどの嘘を(笑)。 曖昧さを排した、ツィストとサプライズに満ちたディーヴァー・ワールド。今回のベストは、表題作。キャサリン・ダンスは、ケイト・ブランシェットに似ているって?私が嘘をつくことはありません(笑)。 次月発行予定のⅡ巻を楽しみにしています。 | ||||
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短編6作のアンソロジーで気楽に読めるところがいい。それぞれの内容は多岐にわたっており、どんでん返しはさすが!ディーヴァ―はやっぱり才能あるのだな、と思わせられる。 私が一番気に入ったのはタイトルにもなっている#1『フルスロットル/キャサリン・ダンス』 テロはタイムリミット目前。さあ、どうする⁉ #4『教科書どおりの犯罪/リンカーン・ライム』 犯行現場の物的証拠は意図して撹乱されている。解決策はどこに…? #5『パラダイス/ジョン・ぺラム』 これに関しては、こう上手くいくか?というのが率直な感想。ひとつわからなかったのは、車をぶつけられた被害側が自分で修理代を払うところ。アメリカのシステムはそうなのか? 5作目までは作者の意図どおりそれなりに楽しめた。ところが――。 #6『三十秒』 2008年夏の北京オリンピックに仕掛けられたテロがテーマなのだが、この当時のチェチェン紛争やウイグル族弾圧が背景にある。その中でもチェチェン側の「弾圧者ロシアに死を!」(P370)というセリフが現在あまりにもタイムリーで、読んでいて内容どころでなくなってしまった……。 そしてこれはこれで現在でも未だ解決されてない問題。実際の当事者たちのことを考えるとこのテーマはあまりにも重く、このような作品にするのはちょっと軽率なのではと感じ、一気に減点した。 | ||||
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