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船に乗れ! I 合奏と協奏
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船に乗れ! I 合奏と協奏の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.23pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全35件 21~35 2/2ページ
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とにかくあっと言う間に全3冊読み終えました。 チェリストを目指している高校生が主人公なのですが、 オーケストラをやること、楽譜通りに楽器を弾く事、楽器で音を出すこと、それぞれがどれほど難しいのか描写してあり、とても興味深かった。 今まで読んできた音楽ものって、大体技術はとっくにクリアしてて、「恋している主人公が弾いたピアノがとても心がこもったからコンクールで優勝」的なメンタル勝負だったなあ。 「まず楽譜通りに弾いてみやがれ、それだけがどれほどそれが難しい事か」ってエピソードは新鮮だったしもっともだと思いました。音楽素人の考えですが。 音楽学校ってこういう事してるのね、と3冊分知らない世界に浸れてとても楽しめました。 何度も読み返す事が確実な本です。 | ||||
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作者が音高出身ということもあって音楽にかかわる話はとてもリアリティがあります。テレビドラマや漫画だと、天才少女・少年が練習もしないのに、上り詰めていくありえない設定のものが多いので、私はこれまで音楽をテーマにした作品で満足したことはありませんでした。 例えば、チェロ専攻の主人公と、彼の恋するヴァイオリン専攻の南が、メンデルスゾーンのピアノトリオを文化際で演奏したいと思い、ピアノパートを弾いてくれるメンバーを探すシーン。どんなに頼んでも誰も引き受けてくれない。なぜなら、ピアノパートはとても難しいし、一ヶ月程度で曲にできるようなレベルの生徒はこの音高には入らず、芸高に入学しているのが当たり前だから。 これまで読んだ小説なら、きっと誰かが引き受けて文化祭で演奏する話に進んだと思います。そうなると、私のようなピアノ弾きはありえない設定にうんざりして、一気に読む気がなくなってしまう。音楽を良く知らない人も、それなりに青春小説として読み応えがある小説ですが、音楽をやっている者はリアルで自分と重なります。 趣味で弦楽器を弾く主人が、どうしてこの音高の生徒はオーケストラの練習のときにスコアを持っていかないのか?と突っ込みを入れてましたが、そういうレベルだからでしょう。 私は音大出身ですので高校とは少し違いますが、音楽を学ぶ者の将来への不安や葛藤、学校のレベルによっての周りの偏見などが痛いほど良くわかります。 主人公は、家庭的に音楽を学ぶのに最高の環境で育ちましたが、決して天才ではない。また南の家のように音楽を学ぶ者がすべてお金持ちとも限らない。特に弦楽器は楽器の値段に左右されることもありますから。でも若いときには、自分の将来は無限に広がっていて、努力さえすれば自分もあんな一流の演奏家になれる幻想を持ってしまう。(大学になると少し違いますが) そんな自分の青春時代と重なり、ときに切なく、ときに思い出深く一気に読みました。メンデルスゾーンのトリオ弾きたくてたまらなくなりました。 音高・音大を出た人はきっと私のようにリアルに感じるでしょう。趣味でアマオケをやっている人は、自分の周りにいる専攻を出た人の葛藤などが良く理解出来ると思います。 音楽を知っている人のほうが小説の中に出てくる曲や場面が理解出来るでしょうから面白いと思います。でもたとえ音楽でなくとも、大学で好きな勉強に励んだけれど、それでは食べていけず妥協して就職をしていく人は多いはず。そんな経験のある人にはお勧めですし共感できると思います。 | ||||
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「良質な青春小説!」との書評が多いが、まさにその通り。特に大人になった主人公が高校時代を振り返るという設定が私のようなおっさんの心に強く響いた。私は音楽に打ち込んだ経験はないが、若さゆえの過ちに対する悔恨の気持ち、高校時代抱いていた将来への過信に対する恥ずかしい思い等々主人公に感情移入すること多々であった。 2巻において主人公に大きな事件が起きる。ストーリーの盛り上げには必要だったのかもしれないが、私は主人公のガールフレンドの設定も含めてちょっと現実感がないように感じた。男友達との関係により深く焦点を当てた方が良かったかも。 しかし、3巻の終了まで青くさく直球勝負で書き切った著者の素晴らしい力量にねじ伏せられたことは間違いない。今年読んだなかでNo.1の小説。 | ||||
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エリート音楽一族の中で、なぜか音楽的才能に無縁な一家。ピアノが駄目ならチェロだとお祖父様に決められて努力するが、志望高校に落ちて二流私立へ。素養があっただけにそこでは一転エリート扱い。 本屋大賞ノミネート作品だったことに興味を持ち、読んでみた。「のだめカンタービレ」でクラシック音楽が盛り上がっているだけに、目新しさを感じない代わりに、安心して読めた。それにしても冒頭から大波小波でストーリーに変化を付けている。今後もどうも大きく浮き沈みがあるように匂わされているが、第一巻の魅力は、クラシック音楽を通して高校生らしい交流で描かれる恋愛の真っ直ぐさ。 ニーチェの傲岸さが語られる部分が新鮮だった。音楽だけでなく、哲学という題材がうまく小説の味付けとして生きている。 | ||||
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音楽や絵画などの芸術に、自分とは無縁なだけに憧れがあります。 その憧れとレビューの高評価から期待して本作を読み始めましたが、 残念ながら私には面白いとは思えませんでした。 3巻まで読み終わってから書いていますが、最後まで読んでも やっぱり面白くなかったです。笑えるわけでも泣けるわけでも 共感できるわけでもない。登場人物に魅力がない。 最初はあまりに小説的な(いかにも頭で考えて作ったような) キャラクターたちだと思ったのですが、ひょっとしたらそうでは なく、ある意味リアルではあるんだけれども人間の嫌なところを そのまま書いていて、いいところがあまり書かれていないため、 こんなにも魅力がないのかなと思いました。 音楽を題材にするのなら、もっと読んでいてわくわくするような 本が読みたいです。ちょっと笑ってしまうくらい派手な設定でも 面白い本のほうがいい。もともとメインテーマではないのかもし れませんが、この本を読んでも音楽の良さはわかりませんでした。 | ||||
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この小説の素晴らしさは他の多くの方のレビューの通りです。 でもちょっと別の観点からお勧めすると・・・ 小説の本質的な価値とは別に、全てのオーケストラ関係者、全てのチェリストにこの物語を読んでもらいたいと思います。 とりわけ、僕のようなアマチュアの初心者にとって、音楽とは、演奏とは、合奏とは、協奏とは、チェロを演奏するとは、良いアンサンブルとは、良いオーケストラと悪いオーケストラの違いは、プロとアマの違いは、一流と並の違いとは・・あるはい、ハイドン、バッハ、モーツアルト、ベートーベン・・さらには哲学の本質にいたるまで、さまざまな深い知識について・・さらにはもっと具体的な、音楽世界における知見(慣習やら常識を含め)についても非常に多くの事柄を学べること間違いなしです。 本質的な観点ではありませんが、感動しながら音楽家の卵たちの世界、そこから見えるプロの音楽の世界が見えてきて興味は尽きません。 | ||||
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読む前の印象を、激しく覆された物語でした。 青春音楽物語という帯の詠い文句から、友人たちと衝突したり力を合わせたりしながら主人公が成長していくような、 疾走感のある爽やかな物語なんだろうなと思っていたのです。 主人公はチェロをひく高校生。 音楽一家に生まれ、高校も音楽科、どっぷりとクラシック音楽の世界に暮らしています。 大人になった主人公が過去を振り返る形式で語られるので 物語冒頭から、苦い思い出の話なのだろうということは感じさせられます。 実際に読み進めていくと、これは苦いどころじゃない。 幼い恋と学内オーケストラの苦難を通じて主人公が頑張る、ぐいぐいと読ませられる一巻に続いて 大きな物語の転換となる二巻と結末の三巻は、読んでいて、早く先に読みすすめたい気持ちと もう読むのをやめたいと思うようなつらさでの綱引きになりました。 音楽に熱中し、楽器をひたすらに練習し、より高みをめざすなかで語られるのは、 見た目爽やかな情熱なんかではなく、もっとどろどろとした、自分でも理解できない自分。 この物語の中で、ある意味音楽よりも大切な要素であるのが「哲学」なのですが この小説は生きるために「考える」物語。 そしてさまざまな人間関係が描かれますが、なにより「内省」の物語なのではないかと思います。 人はたとえ学校を卒業しても、一つの夢を諦めても、なにか区切りを見つけたようでも、 実は港に辿り着くことのない船に乗り続けてる。 わからないことを抱えながら、なにかを探しながら、諦めながら、迷いながら。 どうしたって逃れることのできない自分の中の自分に見つめられながら。 私は3巻を読みながらどうしようもなく涙を流しましたが、 これは主人公に共感したからとか、悲しいからとか、感情的な涙ではなくて この物語に激しく心を動かされて、それをうけとめきれなくてあふれたもののように感じます。 ああ楽しかったと、思うような小説ではありません。むしろ苦しい。 けれど、折にふれて読み返したい、読まずにはいられないような大切な存在になりました。 わたしにとっての今年のいちばんに、なるかもしれません。 | ||||
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高校生のドタバタミュージックライフが展開するのかな?と思って読み始めましたが、冒頭の序文・・・しょぼくれたオッサンが過去を懐かしむ回顧録風・・・を読んで戸惑ってしまいました。そして始まる第一章は主人公サトルの中学卒業までの生い立ちが・・・。 育ちの良さから来る傲慢と根拠のない自信、何の努力もせず、それでも明るい未来を疑わない脳天気な性格。分かりもせずに小難しい本(ニーチェ!)を読みクラシック音楽を聴く。周囲を見下して交わろうとしない、いや交わるすべを知らない可哀相な奴・・・・途中で何度も投げ出そうかと思いました。ろくに勉強もしないくせに、意味もなく「自分は特別」と思い込み、結局、失意の高校生活に突入するが、そこで出会った仲間たちと過す内、素晴らしい音楽と恋の世界を知っていく・・・というのが第一巻のお話。 辛いのは第1章だけで以降最後の第9章までは軽快に展開されていきますのでご安心を。 ラ イトノベル風の軽いものを予想していると、近寄りがたい祖父や表紙にあるドイツ語の書名のように哲学の話が出てきたりと、意外と重厚で「深い」部分もあって引き込まれます。ピアノからチェロに転向し、高校入学後は音楽仲間との交流を重ねて行く様子も丁寧に書き込まれていてGOOD!! 印象的だったのは最後の方で描かれたエピソード。厳格だった祖父が弾いたバッハのオルガン曲、その曲名に隠された孫への「祝福」のエピソード・・・泣かせるお話をサラリと書いていて秀逸です! 音楽が流れる場面の表現は実に細かく具体的で、演奏者だけが知る、評論家もかなわない高度な内容と感じます。クラシック好きな人だったら絶対に楽しめますね。副題の「合奏と協奏」もクライマックスでは意味のある形で表現されていて感心します。ただ、結末では冒頭同様に何やら悲しい未来を予感させる表現が現れます。 これは・・・何だ!??と思いながら・・・続くのですね。(笑) | ||||
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今まで知らなかった芸術人の青春時代を本書は忠実に辿ることができる。快作である。目からウロコが飛び出るくらい魅了されました。素晴らしい出来上がりです。感動しました。 | ||||
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久しぶりに青春期に於ける等身大の物語に出逢えた気がした。幼少期の傲慢ぶりも、初めての恋愛、その胸のときめきと心掻き乱す感情も、自己嫌悪に陥るような挫折感も、誰もが、かってどこかで思い当たる節があるであろう高校時代の心の揺らめきばかりだ。 一人称、自分目線で“自己にとっての真理”が語られる。ニーチェ、サルトル、ゲーテを愛読し、唯我独尊だった思春期の少年。嫌味なヤツだなと読み進めるうち、これって自分じゃないか、と思えてきた(苦笑)。 高校の音楽科が舞台なだけに、専門用語が多数出てくるが、楽器やクラシックをかじってなくても楽しめるし、主人公たちが、ひとつの楽曲を合奏、協奏していく過程に於いての混乱、動揺、焦燥と奮闘、躍動ぶりは、音楽的素養のない者にも、まるで自分たちが当事者としてその場に居合わせているような臨場感と充足感を感じる。 「僕たちの人生の主役は音楽で、音楽の、この絶対的な美しさの前では、僕らの喜びや悲しみ、怒りや苛立ちなんて、ほとんど意味がない」、なんてフレーズを臆面もなく語らせてしまう無垢の尊大さと、夢中に打ち込める対象を持てる純粋さ。せめぎ合いの協奏が、いつしか恋愛表現に転じていく高揚感と幸福感。 そして、僅かながら場面をさらう金窪先生。そうだ、確かに倫社なんてウチの学校でも何もやらなかった。教科書だけ配布されて、何の関心も抱かなかった教科だが、でも、こんなコンセプトで授業を受けられたら、どんなに楽しかった事だろう。 期待を以て、PART2へと進みたい。 | ||||
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「アンダンテ・モッツァレラ・チーズ」の藤谷治が書いた「船に乗れ!」(ジャイブ)がいい。 高校生チェリストが主人公の珠玉の青春音楽小説です。 音楽を愛すること、人を愛すること、裏切ること。人生を生きること。 誰にもあることが深々と描かれている。 書評家の北上次郎も書いていたが、 つまりこれは「僕らの」小説なのだ。 僕はクラシックについてほとんど知識がないけれど、 主人公のもがきや恐れや畏怖はひしひしと伝わってくる。 生きることの多くは悲しくて、失うことばかり。 だけど、やはり美しいのだと読後しみじみ思うことができる。 良い青春小説だ。 | ||||
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幼い日からチェロを引き続けていた主人公の少年が、音楽高校に入る。 そこで出会う、フルート吹きの美少年や、ヴァイオリンを弾く少女など、 音楽を志す仲間でありライバルである同級生たち…そして学内オーケストラ! 青春物に欠かせない、恋、情熱、自意識の高まり、その反動の落ち込みなどなど、 全ての要素が音楽学校というハコに詰め込まれた、なんて贅沢な青春小説! マンガや小説で「音楽」を表現するのって、簡単じゃないはず。 だけど、この小説は、それに成功してると思う。 音楽を演奏する者の心情、理想の音が出た時の喜び、上手い人の 音を聞いた時の感動と動揺、そして愛する人が奏でるメロディに 魂を奪われる感じ… 作中に出てくるさまざまなクラシックの曲が聞いてみたくなってきました。 | ||||
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タイトルからだとどんな話か分かりません。その代わりに表紙が中身を代弁。 「大人」になった主人公が、過去を振り返る形で話は進みます。 舞台は音楽大学の付属高校。ちょっと尖がった主人公(チェロ弾き)と、その 主人公が仄かに憧れる女の子(ヴァイオンリン弾き)との関係を軸に、友人や 学校行事(音楽系の学校らしく、文化祭でオーケストラの演奏会や個々人の発表 会が行われる)を絡めて、話が進んで行きます。 ちょっと尖った主人公の気持ちは良く分かります。自分に自信があると、周り がお馬鹿に見えてくるところなんて、人間一度は抱いた感情では無いかと。 特にこの主人公のようにニーチェとかを中高時代に読んでしまう・・・(笑)。 逆に気になる女の子の気持ちが分からない点もね。 ただ、前述したような色恋の絡む青春小説なのに、女の子の気持ちが分から なくて一喜一憂する、という点が正直弱い。一般小説とコバルト系を比べる (男女が逆転しているところも含め)のがどうか?という問題は有るでしょう が、「想い」の表現としてはちょっと弱いと言わざるを得ません。チェロと想い への間で揺れ動く描写もあるが、やっぱり少し弱い感を受けたのです。 なので、終盤までの評価は星3つだったのですが・・・最後50pの筆運びが 琴線に触れました。 本書の最後では或るイベントが行われます。そこで主人公の祖父が主人公に 寄せる秘めた気持ちが明らかになるところ(それまでは主人公から祖父への視点 のみ)と、主人公と女の子の間の関係に・・・という2か所のまとめ方が良いの です。特に2人の関係はベタな展開と言えば、それまでですが、やっぱりこういう 気持ちは分かるのです。そこを評価して星4つとした次第です。 青春ものが好きな方、クラシックが好きな方、双方にお勧め出来る佳作です。 最後が気になるところで終わっているので、早期刊行が望まれます。 附:冒頭だけ読むと「ノルウェーの森」へのオマージュも含まれているのかとも 思えました。 | ||||
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今、半分ちょいまで読んだところ。続編はネットで連載しているとカバーに書いてあったけど。ネットじゃ見る気がしない。本で、一気に読みたいのだ。 いつもは速読っぽく筋を追ってしまいがちなんですが、これはそうならない。物語の隅々まで意味が感じられる。登場人物のキャラもストーリーもまるでノンフィクションのように生き生きとしている。 乞う、続編! | ||||
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この著者はとても好きなんだけど、なんとなくパロディ、ユーモア、エンターテインメントといっイメージがあった。ストーリーテラーとして「うまい」と思っていた。だけど本書は本格的青春小説だった。『下北沢』よりもさらに。まいった。全部読んでいる訳じゃないのに言うもなんだけど、著者の最高傑作と言い切ってしまいたい。音楽家の一家に育った主人公、中学生にしてニーチェやマルクスを読んで(ページをめくっただけ)孤高感にひたるも実は凡庸。受験に失敗して挫折するところから本筋に入る。音楽科の高校が舞台になっている。ふつうの高校生とは違って友達同士でも音楽の話ばかり。音楽の用語もわんさか出てくるが、わからなくてもまったく読める。結局の所、人との出会いがあり、恋があって、情熱をかたむける何かがある、という青春小説なのであり、音楽小説と考えて身構えて読まないのはもったいない。演奏シーンなんか、ちんぷんかんぷんな音楽用語がたくさん出てくるのに状況が手に取るようにわかり、緊張感や感動が伝わってくるんだからすごい。続きもあるようだが(小出しに何かあることを臭わせている)、本書だけでも完結しているともいえるので、読後はすっきり。鮎川のような女の子の魅力はなんとなくオヤジになってから気づくなーと思った。 | ||||
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