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赤い蝋人形
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赤い蝋人形の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.50pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全4件 1~4 1/1ページ
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山田風太郎傑作選推理篇の一冊。 もう一冊の『黒衣の聖母』の感想文で「そこにあるのは推理小説群かというと、さにあらず。」と書いたが、本書を読んで、推理とは心“理”を“推”し量るの意か、と思い直す。 まあ、ジャンル分けに拘ってもしょうがないか、作品の成り立ちはまさにミステリであるし。 心理を推し量る、という意味では、風太郎さんの冷徹な目線を強く感じる作品集かなあと思う。 とは言え、設定や展開はダイナミックでないものの、「おー、そう来る!」な感じもあり、やはり風太郎さんだなあと思い知る一冊だった。 | ||||
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戦後の退廃的な風俗のなかで生きる人間たちを描いた8篇を収録。どの作品も、俗にまみれながらなぜか聖なる存在(聖母)のような人物が登場するが、特に、「新かぐや姫」、「我が愛しの妻よ」、「二人」が面白かった。山田風太郎にとって、人間とは複雑な存在で、単純な二分法では割り切れないのだろう。 どの作品も面白かったが、中篇「誰も愛さない」はちょっと技巧過剰という感じで残念な作品だった。でも、あとの7篇は秀作ぞろいです。 | ||||
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入手困難になっていた山田風太郎作品の短編集です。佳作揃いです。ちょっと類例のない大事故の描写に驚かされる「赤い蝋人形」は読み応えがありますが、今ではやや大時代的な香りのする作品になっていると思います。むしろ私のオススメは時代を70年先取りしている「二人」と、まさに松本清張作品の先駆とも言える社会的考察が光る「わが愛しの妻よ」、映像化して欲しい人間重喜劇「30人の3時間」、世の中の誰も何が実際に起こったのか分かり得ないであろう皮肉な結末「祭壇」などです。日下三蔵さんの詳細な解説もありがたい、読み応えのある本ですが、いかんせん、値段が高いですね。これで1000円に抑えてあったら本当に素晴らしいのですがー。 | ||||
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8つの短編が収録されている。いずれも昭和20年代〜30年代に発表された作品。「アプレ・ゲール」や「さかさクラゲ」といった当時のユニークな言葉がけっこう出てきて、検索しながら読んだり。善悪、モラルと退廃、男女の社会的地位や結婚、そして信仰についてなどの、描き方やテーマ設定に、この時代の世相が色濃く反映されている。当然と言えば当然だが、現代の感覚で読んで共感するものと、そうでもないものに分かれるかな、と。 性的描写についても、もしかしたら当時としてはかなり過激なのかもしれないが、いまの小説はもっとすごいのがいっぱいあるから、風太郎先生、大丈夫です、もっと変態に行っちゃってよいですよ!と笑、余計なことを思ったりもした。 「推理篇」なので、本格ミステリとしてはどうかという視点で見ると、表題作「赤い蠟人形」がもう圧倒的に素晴らしかった。ラストで明かされる真相に、えー!と驚く。伏線も張られていて、見事に回収されている。つくりに無駄がない、完璧だと思った。読後だいぶ唸った。この一作だけでも、本短編集は買いだと思う。 | ||||
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