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(短編集)

円 劉慈欣短篇集



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【この小説が収録されている参考書籍】
円 劉慈欣短篇集

円 劉慈欣短篇集の評価: 4.53/5点 レビュー 15件。 Cランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点4.53pt


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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全15件 1~15 1/1ページ
No.15:
(3pt)

内容は良いが、翻訳や装丁がよくない

著者らしく中国の実情と宇宙規模のギミックの対比が面白い内容だけど、
ところどころ翻訳ミスと思われる文章や、単純な誤字・脱字が見られる。
また、この単行本バージョンは文字が小さく細いので、かなり読みづらい。

角川で発売されている「流浪地球」「老神介護」ではそのような点は見られなかったし、
文字が大きく太く視認性が良かった。

「三体」から入って短編が気になっている方には、角川の2作をおすすめしたい。
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No.14:
(3pt)

レビューの内容がよかったので購入した。いまだ第二章ですが、今のところ何がそんなにいいのかよくわからない。
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No.13:
(4pt)

13編をやっと読み終わった。

気に入ったのは、
「郷村教師」、「メッセンジャー」、「カオスの蝶」、「円円のシャボン玉」、「月の光」、「人生」
かな。
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No.12:
(5pt)

香港megの!ちょっと中国っぽい日本の話

ドラゴンクエストの主人公の名前を
私も
あああああ
にしている。

香港megがたくさん出てきている。
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No.11:
(5pt)

ネタは欧米系でも人生観の違いみたいな

確かにアイデア的にはクラークを思い浮かべてしまうところもあり、
いろいろオリジナルはあるんだろうけど
でもアメリカの無邪気な正義感みたいなところと違い、
別の視点から、それも堅い主義に依ったものではなく、もっとやわらかい雰囲気が
有って読後感が心地よい。
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No.10:
(5pt)

テクノロジーではない、最も素晴らしいものとは?

明るいもの、暗いもの、淡々としたもの……
ジェットコースターのような「三体」を描ききった縦横無尽の想像力が楽しめる短編集。
テクノロジーは素晴らしい。
しかし優れたテクノロジーはより優れたテクノロジーの前にあっけなく屈する。
テクノロジーの全てを人間が管理できるわけではない。驕れば惨事を招く。
そして、テクノロジーではなく、人間が持つ最も素晴らしいものとは何か?

今後の活躍がますます楽しみです。
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No.9:
(5pt)

13篇のSF短編集(それぞれ15~50ページほど)いろいろなテーマがあって、楽しめました。

13篇のSF短編集で、それぞれ15~50ページほどの分量でした。
この中で、最も有名な作品はおそらく「円」で、折りたたみ北京というSF短編集にも収録されていました。
私は、「栄光と夢」、「円円のシャボン玉」が最も印象に残っています。

いずれの作品も、テイストが異なります。
エネルギー問題、環境問題、戦争、犯罪、病気などのテーマと人間ドラマが掛け合わされた作品たちです。
料亭でいろいろな素敵な小鉢がどんどん出てくる感じとでもいうのでしょうか。

おすすめの一冊です。
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No.8:
(5pt)

感動

郷村教師
はずかしいが、泣けました。
21世紀の魯迅といったら褒め過ぎか。
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No.7:
(5pt)

初めて読む劉慈欣の短編群

恥ずかしながら中国SF作家の短編集を読むのは初めて。
 正直なところ評者としては中国SFの優先度は低いので、『三体』を読んでなかったら本書を読むことはなかっただろう。
 やっぱり『三体』の影響は大きい。そして、今回、読むことができて良かったと思う。『三体』三部作だけではまだまだ謎の多い作者、劉慈欣の作風の一部を知ることができた。評価が高いのもうなずける。長編、短編、共に今後も追いかけてみたいと思う。

 収録作は13篇。デビュー作から発表順に並べられているが、執筆の順番は多少異なっているらしい。
 全体的に『三体』から予想されるように、科学・技術に関するアイデアをテーマにしたハードSF的な作品が多いが、特に初期の作品では無知、貧困、格差とそれを生み出した社会の不平等に対する強い怒りを感じた。
 アイデアや設定は奇想に類するものもあるが、各作品ともにテーマがはっきりしていて、わかりにくいものはなかった。読み易い部類と言えると思う。

 以下、収録作品の感想など(ネタバレは避けているつもり)

鯨歌 (1999年6月号)  鯨をコントロールする科学者の話。
 これがデビュー作というのは凄いと思う。20世紀の最後にデビューしたというのもなんだか印象的。
 因果応報の宗教説話を聞かされたように思う一方で、何か虚無的なものを感じる。これだけを取って中国的と考えるのは多分短絡的過ぎるのだろうけれど、明らかに日米欧のSFとは違う。
 解説に書かれていることが事実ならば、作者はデビューの時点から人間を描くという文学の大命題に挑戦していることになる。テクノロジー志向のエンタメ作家という『三体』の印象とはだいぶ違う。

地火 (2000年2月号)  斜陽化した石炭産業の復活を目指す技術者の話。
 読み応えがあった。描かれている現場に圧倒される。

郷村教師 (2001年1月号)  寒村の児童教育に生涯を捧げた一教師の話。
 前半の話だけではどこがSFになるのか見当もつかなかったが、途中から一気にSFになってしまった。しかし、考えてみれば3段階で視野拡大の段階を踏んでいる。
 評者には展開の強引さが感動を割り引きしてしまった感じがする。解説ではそれを豪腕と呼ぶか?
 日本現代SFの初期に書かれた眉村卓の『燃える傾斜』を思い出した。作者と中国SF界にとっても同じような位置付けではないだろうか?テーマは全然違うけれど。

繊維 (2001年8月号)  空母ルーズベルトに帰還しようとしていたF-18が迷子になる話。
 あの劉慈欣がこんな作品を書いていたのかという驚きがある。もしF-18がF-4コルセアだったら、1950年代ぐらいのアメリカのSF雑誌に掲載されたと言われても違和感ないと思う。

メッセンジャー (2001年11月号)  「神はサイコロを振らない」と信じて鬱々とした日々を送っていた老人を癒す青年の話。
 ヴァイオリンが天上の音色を奏でる場面に「無伴奏ソナタ」を思い出した。読後感は良い。

カオスの蝶 (2002年1月号)  ユーゴスラビア内戦を舞台に、バタフライ効果によって市民の殺戮を防ごうとする男を描いた中編。
 スパコンが稼働する場面はイーガンの「ルミナス」みたい。考えてみれば『天気の子』みたいなアイデアだと思う。
 こういう作品を読むとイーガン、伊藤計劃との同時代性を感じる。シンクロニシティ。

詩雲 (2003年3月号)  詩人と恐竜が神のような李白と旅をする破天荒な話。
 本書の中で一番『三体』に似ていると思った。空に輝く詩雲のイメージが素晴らしい。まさにSFってのは絵だねえ。作者はエンジニアで長編型の作家だと思っていたけど、詩人でもあったらしい。
 約半世紀SFを読んできて、いいかげん凄い情景は読んできたはずだが、それにもかかわらず、いまだに感心するイメージ、驚かされる設定があることは素晴らしい。

栄光と夢 (2003年8月号)  スポーツによって戦争を防ぐという目的で開催された第29回夏季北京オリンピックの話。
 作者のシニカルな視線が際立っている。見せかけだけの似非ヒューマニズムなど、何の意味もないということか?

円円のシャボン玉 (2004年3月号)  幼い頃からシャボン玉に夢中だった少女が、故郷を甦らせようとする話。
 生まれつきの興味と才能で技術革新を起こす円円が両親の夢をかなえようとする技術アイデア小説。
 夜空に浮かぶ無数の巨大なシャボン玉が月の姿を映す場面のイメージは美しい。が、60年代ソ連の科学技術万能小説を思い出す。当時小学生だった評者は核爆発を使って地球を改造する計画を読んで単純に科学の進歩だと感心していた。
 自国の利益のためなら周囲の自然はどうなっても良いという大国中心思想が気になってしまう。現代の気象改造SFならばグローバルな視点は不可欠だろう。結果的にはご都合主義になるかもしれないが(絶対確実な予測は不可能だろう)、そのことに関する言及、例えば環境アセスメントとか、があれば印象が違ったのではないかと思う。もしかしたら、アジアモンスーン地帯の縮小とか引き起こすのでは?
 解説では主人公のポジティブな印象に注目して作者らしくないと言っているが、評者は、むしろ父親の絶望感が印象に残っており、劉慈欣らしくないとは思わなかった。

2018年4月1日 (2009年1月号)  10年後というテーマで一般雑誌に掲載された短編。タイトルが一つのネタバレにもなっている。
 横領という経済犯罪について、倫理観ではなく刑罰との比較で効率を判断するのは中国人らしいのか?また、恋人との関係については無常観を感じるが、格差社会の影響と考えるべきなのか?

月の光 (2009年2月号)  これも一般雑誌に掲載された短編。失恋して月を見上げている青年に未来の自分から電話がかかってくる。
 「円円のシャボン玉」に対する評者の批判に応えているような展開に驚く。冒頭の掴みは良いのだが、枚数が少ないためか、アイデア小説になってしまっていて、もう一つ深みに欠けるような気がする。

人生 (2010年1月刊に収録)  記憶と認知に関する短編。イーガンみたい。
 もしも遺伝的記憶による知識の世代間継承が実現できれば教師という職業は不要になるのだろうか?
 倫理規定がどこまで整備されているのかわからないが、実験的出産が実際に行われている中国なので、こういう作品が描かれる素地があるのかなと思う。
 発表は2010年だが、2003年9月27日脱稿とされているので、『三体』以後の作品とは言えないのでは?

円 (2014年1月掲載? 英語訳版が初出なのか? 中国での初出状況がよくわからない)
 『三体』に登場した秦の始皇帝の人列計算機の話。『三体』発表後に短編小説化したという。
 評者は『三体』を先に読んでいたのでアイデアそのものには驚かなかったが、『三体』版と違って、荊軻が人間による計算システムを作ったもう一つの理由を知って驚いた。さらに、読了後、3年前に読んだ『三体』の関連ページを読み直して改めて驚愕した。ほとんど別の話になったと言っても良いと思う。
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No.6:
(4pt)

短編の良さ

発想が素晴らしき、ぐんぐん引き込まれる。
「円」は名作だけれども、「円円のシャボン玉」の世界観が素晴らしい。
矢張りただ者ではない。
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No.5:
(5pt)

これぞSF!と唸らされる

13篇収録の短編集だ。雑誌やアンソロジーで読んだ作品が四篇含まれている。
「地火」「繊維」「月の光」「円」が既読だった。が、引用ではなく新訳だ。心なしかこちらの方が面白い気がする。
「地火」は石炭を直接ガス化する計画の苦闘を描く。オチの気楽さが、逆に先人の苦労を引き立たせる。技術の発展とはこういうものだろう。
「繊維」はパラレル地球の描写が面白い。「月の光」は歴史改変の難しさを扱う。
表題作「円」は始皇帝の人力コンピューターというアイデアが秀逸だ。

初読みの中で印象深いのは次の通り。

「鯨歌」はデビュー作だ。法も倫理も気にしないギャングのボスが、ハイテク密輸を企む。
だが無法者はボスだけではなかった。皮肉な結末が気に入った。
「郷村教師」無知と貧困に覆われた寒村で誠実な教師が奮闘する。一方、銀河では炭素系とケイ素系の宇宙戦争が起こっていた。何の関係があるんだ?と思いきや・・・やはり教育は大切だな。それにしても村の大人は全員クズだ。
「詩雲」神に近い種族が詩の奥深さに目覚める。とてつもないスケールに唖然とする。

「栄光と夢」経済封鎖と戦争で破壊されたシーア共和国の選手たちが、オリンピックに招待された。
盛り上がらない東京五輪が終わったばかりなので、何やら複雑な感慨を覚える問題作である。
シニの頑張りは素晴らしい。果たしてこれは押しつけがましく報道されたスポーツの感動とやらの範疇に入るのだろうか。
「円円のシャボン玉」明るいシンプルな科学物語。ガーンズバックのラルフを思い出した。
背景に親子の絆が存在するところが、古典的であり現代的でもある。
「人生」胎児に親の知識を遺伝させたら、素晴らしい・・・はずったが。芥川龍之介「河童」の「生まれるかどうか胎児に決めさせる」というネタを連想するが、本作のほうがもっとショッキングだ。

重複が多くても買って良かった。原初的なSFの力感と楽しさに満ち溢れた短編集である。こういう作品群は日本や欧米ではもう生まれないだろう。中国作家だけに可能な、きわめてSFらしいSFを堪能した。
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No.4:
(5pt)

短編集も抜群に面白い。『三体』ファンは迷わず購入を!

『三体』同様、テクノロジー、気候変動、宇宙人との星間戦争等のテーマを縦横無尽に織りなす短編集です。三体でお馴染みのこれらのモチーフを下地に、それぞれ違った味付けがされた作品が13話収録されています。例えるなら、お節のお重のような、楽しい本です。劉慈欣はこんなに自由自在な味付けができる人だったのかと、驚きました。

『地火』での炭鉱掘削現場、『円円のシャボン玉』で泡に覆われた都市の空、『栄光と夢』でのオリンピック競技場の様子の描写は特に印象的でした。読み終えた後に映像で見てきたかのような感覚を覚えます。『三体』での圧倒的な描写力は本作品集でも存分に発揮されています。

あとがきの解説も充実しています。
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No.3:
(5pt)

本当に読みやすい。

この短編、表紙とかから受ける小難しいSFなイメージとは違って、本当に読みやすいと思う。
三体も良かったけど、こちらも是非とも多くの人に読んで欲しい一冊。
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No.2:
(5pt)

読みやすい。日本人の感性に通ずるところがあり、SFの入門に最適

なんだろう。心に響く作品ばかりだった。「地火」で人間の無力感を感じ、「郷村教師」で身近な重大事項と大宇宙でのどうでもいいことの天秤を感じ、「カオスの蝶」で家族愛を感じ、「栄光と夢」で新しい戦争形態を感じ、「円円のシャボン玉」でやりたいことを貫くことの重要性を感じ、「人生」で人類が踏み込んではいけない領域を感じ、「円」で政治(帝国)の儚さを感じた。どの作品も読みやすく、SFの入門として適していると感じた。日本人の感性に通じるところも読みやすさにつながっていると思う。
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No.1:
(4pt)

色々な劉慈欣作品が楽しめる。度肝を抜くSFガジェットも健在。

●本書には著者のデビュー作を始めタイムトラベルものパラレルワールドものドタバタ喜劇、超科学
種族による侵略テーマ・・・等々、著者自身が選別した13の短編が収録されている。
「三体」にも用いられている奇想天外なSFガジェットが多数あり、E・ハミルトンも裸足で逃げ出す
ほど壮大なもの。オチとの落差の妙に唸り思わず苦笑さえしてしまう。著者の宇宙空間の描写やそこ
に存在するあらゆる事物に対する表現は、震えるほどのセンスオブワンダーを覚え、他の追随を許さ
ない。
 他に心に残ったものは本邦初訳の「栄光と夢」。残酷で愚かな戦争などやめてオリンピック競技で
決着をつけようと開かれた北京オリンピック。参加国はアメリカとシーア共和国のみの無観客試合。
最終種目マラソンで国の命運をかけて走る主人公の少女。激走する姿と人生の回想をダブらせ、繰り
返し紡がれて行く。
 アスリート達の矜持をあざ笑うかのような人間の愚かさを、痛烈に皮肉った諷刺SF小説です。

 短篇集には好き嫌い好みの分かれる作品が含まれています。全てが★5という訳ではなかったので、
★4としました。
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