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蟬しぐれ
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蟬しぐれの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.67pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全169件 41~60 3/9ページ
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さすがに映画化されるだけの事はある作品だと思いました。内容も斬新でよくある時代劇の流れでもなく次は、次はと予測不可能な面白さでした。ただ本書の題名の蝉しぐれってほとんど関係ないやんっておもってしまいました。もっと他に題名がなかったのかな。 まぁいいんだけど本書は人情味のある切ない時代に翻弄される2人の男女のいく末を書いたいい作品だと思いました。 | ||||
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文章が美しく、論理的だが滑らかで読みやすい。全体に熟練の職人の手になる渋い漆器を見ているような印象。適度に山場があるし、伏線は巧みで、時代小説として内容的にも十分に吟味されている。 自然描写を多く書き込んでいる。山形(海坂藩)の自然の美しさを伝えるとともに、それが主人公・牧文四郎の心理を象徴している。重要な出来事はみな「蝉しぐれ」の頃に起こる。冬の場面がほとんどないせいか、意外にも暗いという感じがしない(かといって明るくもないが)。 味わいの深い作品だ。しかし、世評ほど名作とは思わなかった。 時代小説に必要な要素はほぼ揃っているし、緊張感も保たれているものの、全体に平坦で、劇的な感動というものを感じなかった。少年の成長物語という感想も出なかった。淡々としすぎているように思った。 女性心理の描写は相変わらずうまい。主人公・文四郎と隣家の少女・ふくの時間を超えた思慕は女性読者にとっては至高の恋愛だろう。男性にとってはそう言えないところがつらい。 この作品は本質的に女性向けの恋愛小説で、男の物語ではないと思った。そして著者は長篇よりも短篇向きの作家であるような気がした。 | ||||
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尊敬する大先輩の好きな作家・藤沢周平。 藤沢作品の中でも傑作と言われる本作品をようやく紐解きました。 主人公牧文四郎が、切腹が決まった父助左衛門との最後の会話を親友小和田逸平に語る場面の情景描写あたりから作品に引きこまれました。「…土塀の内側に森のように密集する木々が、風にゆれては日の光を弾いているのが見わたせる。そこから狂ったように鳴き立てる蝉の声が聞こえて来た」。 父の亡骸を一人で運ぶ文四郎に、容赦なく照りつける太陽、突き刺すような冷ややかな視線、浴びせられる揶揄の言葉。私まで、胸が締め付けられるようでした。 牧家の後継ぎとして、10代の少年が背負うにしてはあまりにも重い荷物を、親友の小和田逸平、島崎与之助の助けを借りながら必死に担ぎ、乗越えて行く、下級武士文四郎の姿が描かれています。 この三人の友情が経糸ならば、幼馴染み・ふくとの淡い恋が緯糸でしょうか。 抜群の剣の使い手・文四郎とライバル犬飼兵馬、興津新之丞たちとの勝負の描写には息を飲み、胸が躍りました。 そして、後半「罠 逆転 刺客 蝉しぐれ」は、ページを捲るのがもどかしいほど、気持ちが急きました。 ただ、 「それが出来なかったことを、それがし、生涯の悔いとしております」 「ほんとうに?」 「……」 「うれしい。でも、きっとこういうふうに終るのですね。この世に悔いを持たぬ人などいないでしょうから。はかない世の中…」 文四郎とふくのこの会話が、余りにも唐突のような気がして、ちょっと違和感を覚えました。 また、事件後の二人を説明することなく、謎として残すことの方が、余情残心の趣があるように思えるのです。 この文がなければ、それは、それで、物足りなかったかもしれないのですが…。 | ||||
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江戸の風俗に興味が沸いて、大江戸博物館に行ったり深川江戸資料館に行ったりしていた時、友人から藤沢周平を薦められました。読んでみた結果、大正解でした。舞台は江戸ではないけれど、江戸時代の自然や生活、社会の成り立ちなどは詳細に、人々の感情や心の葛藤は鮮やかに書かれていて旅行中に一気に読み終えてしまいました。早速本屋に行って、藤沢周平の文庫本を何冊か入手しました。これからの秋の夜に、鈴虫の音を聞きながら読むのが楽しみです。 | ||||
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中学生の頃、初めて「蝉しぐれ(単行本)」を読みました。 まだ子供だったので正直 蝉しぐれの良さが理解できなかったのを覚えています。 20代、30代と歳を重ねていくにつれて勧善懲悪でもなく盛り上がりもない淡々と進むが何故か物語に引き込まれてしまう良さ。 出てくる登場人物の一言一言の良さや思いやり…そして日本語の良さと綺麗な言葉。 重みと理不尽な困難に立ち向かい進んで行く主人公の強さと周りの人たちのあたたかさ。 終盤のおふく様と合って別れた時の助左衛門(文四郎)の言葉の重み…理解できなかった10代は子供だったんだとしみじみ感じました。 毎年夏になり蝉の声を聴くと「蝉しぐれ」をどうしても読みたくなります。 最近読み終わって何気なく思ったのですが、「「蝉しぐれ」は「葉隠」なのではないか」と思いました。 | ||||
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風景とかの描写の秀逸さとか高いレビューが集中していたので期待して読んだが途中で断念。 描写がどう以前に物語として盛り上がり面白味がありません。 個人的に多くのレビューが分散してる本に嵌る傾向にあります。 | ||||
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私は48歳の男性ですが、久々に小説で感動して泣きました。読み終わってもしばらく思い出して涙ぐんでいました。といっても重たい暗い話ではないので、皆さんに読んで欲しいです。一人の青年の青春小説です。 | ||||
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藤沢周平の愛好家です。 本屋にいって棚になかった時の落胆を思い出すと、 ネットで素早く対応して頂けることが気に入っている。 | ||||
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非常に面白かった、心温まる作品です、是非他の人にも読んで下さい。有り難うございました。 | ||||
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せつないけれど、一流の作品だと思います。藤沢作品にはほぼ完全なハッピーエンド作品もあるけど、これはそうとも限らず、それでも、健気に生きていく人がいるんだなって思いました。 | ||||
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この方の本はしみじみ…しますね。 映画もいいですが、文字から想像をふくらませるのもGOOD! | ||||
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藤澤周平さんの著作は多数持っているが、皆文庫本だったので、今回ハードカバー本を入手できてとても嬉しく思っています。 これからも氏の本の入手を心掛けるつもりです。 | ||||
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傑作小説だと思う。時代小説を苦手としている人でも、するすると読める。 そして、なんといっても清廉で勇敢な主人公が輝いていて、いきいきと生きている。 時代背景がら権力争いに翻弄されるのだが、その理不尽ぶりが半端じゃない。 この時代に生まれないでよかったと思うこと一回や二回に非ず。 よく、武士の時代に生まれたかった、などという人がいるがこのような小説を読むと冗談じゃないと思う。 しかし、その制限だらけの時代は人間の生きざまをよりドラマチックにするから不思議。 主人公とおふくの違える人生なんていうのはとても切なかった。ほぼ初めて藤沢周平を読んだが、とても嵌った気がする。 | ||||
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藩内を取り巻いていた派閥争い。 巨大権力の抗争に巻き込まれ、父を失った文四郎。 厄介者として冷ややかな視線を浴びながらも、学問に剣術に邁進した少年時代。 剣で頭角を現してくるとともに、見えてきた政変の全貌。 少年時代からの「おふく」への淡い想い。 逸平、与之助らとの固い友情。 魅力的なストーリーに加え、季節や日本の自然の美しさが鮮明に伝わる表現や剣撃の凄まじさ、心の動きを表す叙述。 なぜ、おすすめの時代小説は?と調べたら「蝉しぐれ」が必ず上位で上がってくるのかがわかりました。 名作は何年経っても色褪せないですね。 | ||||
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父へのプレゼントでした。喜んでくれたので良かったのではないでしょうか? | ||||
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東北のある藩、一人の少年の青春、そこから大人へとなる過程、幼馴染みとの淡い恋心、剣の成長、藩内のお家騒動、剣の戦い、それらを上品なタッチで描く。 音楽で言うと静かに上品にだが所々力強く流れる、どちらかと言うとモーツアルトの様な上品な感じのする小説。 しみじみと心にじわーっと広がる、そんな本です。 | ||||
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この小説がこれほど読む人を魅きつけるのは、日本人が美徳としてきた、親子の絆、忠義、友情、忍耐、意志力、異性を慈しむ心、などが完璧なストーリーの中にぎっしりと詰まり、これらがなかば憧れと懐かしさをもって読み手の心をとらえるからだと思う。当然、藤沢周平の精緻で無駄のない、美しい文章があってのことなのだが。 この作品は、時代小説というエンタテインメントものとして一級品なのはもちろんのこと、その枠を超えて、かつての日本人の美徳が記された教科書的な要素も感じる。美徳と言っても時代にそぐわないものも当然あるのだろうが、いつの時代になっても持ち続けたい、または受け継がれていくべき普遍のものもあるはずだ。大げさに言えば日本人としての誇りのようなものとでも言おうか。まだ藤沢周平作品を多くは知らないので、著者がどんな意図をもっていたのかはわからないが、失われつつある日本人の美徳の復権、そのような願いも作品に込められているのではないだろうか? 藤沢周平の描く世界が、日本の過去の遺物になってしまわないことを願う。いつまでも読み継がれて欲しい作品だった。 | ||||
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今さらこんなことを言うのも、長く藤沢作品を読まれている人にとってはナンナンダということになるのでしょうが、これはまさしく大傑作! 時代小説っていうだけで、敬遠していましたが、トンダ大違いでした。 これを読み終わったあとも感動が抜け切れず、二三日は主人公たちふたりのことを考えている自分がいました。 あれからあのふたりどうなったんだろう? どんなふうに生きていったのかな? 今も思い出すと胸が熱くなります。 | ||||
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藤沢周平に感嘆させられるのは、その華麗な筆致。人物描写に深く入り込み、現代人にはない日本人の心根を丁寧かつ巧みに表現している。また、今では見られないような日本の綺麗な風景が、あたかもそこに居るかのように描かれる。 氏の文章は、読みやすいがテクニカル。しかし決して難解なものではない。そこそこのボリュームがあっても、その表現力に、つい「読まされて」しまう。序盤はやや冗長な進行と感じたが、何故か退屈にはならない。 物語は、主人公の文四郎が藩の派閥争いに巻き込まれながらも、親友の逸平と与之助の友情、そして幼馴染との儚い恋までを一気に進んでいく。場所や時代が敢えて特定されていないことが、構成の自由度の高さを生んでいる。 読了して思い返せば、文四郎の誠実さ・強さは独立したものではなく、親友や知人との交流や人を想う気持ちによって成立したものであることに気づく。これは、人類普遍的なものというべきところだが、現在と異なるのはその「深さ」と「質」である。 文四郎と逸平、与之助の関係を、彼らが老いるまでずっと見ていたい。そう感じさせる人物描写に、私は一番惹かれた。 時代小説の得手・不得手にかかわらず、すべての人にオススメ。 | ||||
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文四郎とふくの幼い頃からの切ない恋、殺陣の リアリティーと言い申し分なし。海坂蕃という架空の蕃の架空の話ではあるが、現実味がある。 | ||||
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