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蟬しぐれ



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【この小説が収録されている参考書籍】
蝉しぐれ
蝉しぐれ (文春文庫 ふ 1-25)

蟬しぐれの評価: 4.67/5点 レビュー 169件。 Sランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点4.67pt


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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全169件 161~169 9/9ページ
No.9:
(5pt)

ほっとするなあ

たった今読み終わりました。
冒頭に描写される川の流れそのままに、全編を通じて清涼な小説ですね。
人の美しさを言葉の形にしたらこんなかなって感じ。
さまよえる心の闇ばかりにとらわれた小説の多い中で、「救い」でさえあると思います。
時代小説ってジャンルだけに分類しちゃうのがもったいない。多くの皆さんにお勧めしたいで~す。
蝉しぐれAmazon書評・レビュー:蝉しぐれより
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No.8:
(4pt)

運命を受け入れながら潔く生きる

主人公の少年時代から熟年期の回想時期をまでを描いたものであるが、人生に起きる様々な出来事をそれ自体が幸不幸を問わず、前向きに取り組みながら生きる姿には凛とした清々しさを感じる。恐らくそれは、不幸の方が多いだろう。藩の派閥抗争に巻き込まれて切腹を命じられる父とそれに伴う不遇の時期の中でも剣術を磨き、友情を深め、その懸命に生きる姿には感銘を与える。淡い思いを寄せていた女性との別れと尚続く思いは、純粋な気持ちを持つ良き侍または男の姿を思い浮かべさせる。陰謀を図る家老との戦いでは、最後に家老に対し殺さずに、死の恐怖を味わいさせる場面は秀逸である。またその件で失脚した家老の刺客の出現は意外性があり、筋書きをより面白くさせている。最後に藩主の側室となった思いを寄せる女性とお互いの思いを通じ合わせる場面もまた秀逸であった。
唯一つの難点を言えば、家老の陰謀からその側室となった女性を救い出すときに既に主人公も嫁をもらってしまっていた点であろうか。それにしても傑作である。
蝉しぐれAmazon書評・レビュー:蝉しぐれより
4163102604
No.7:
(5pt)

男子の本懐か

藤沢文学の中でも、「成長」をたんねんに描いた珍しい作品で、その意味では読後感が他のものとまったく異なります。それはひとことで言ってしまえば「清々しさ」になるのでしょうか。
 少年が青年になる過程での正義感・恋心・含羞・人生に対する懐疑とその克服などがあますところなく描かれており、特に男性諸氏の共感を得るのではないでしょうか。
 そしてストーリーは単に成長にとどまらず、最後は藩のお家騒動に巻き込まれた主人公が自らの剣をふるって初恋の人を助け出すあたり、エンターテインメントとしても一流でしょう。様々なプロットが後半に生かされてくる名作です。
 私個人としては、老齢の孤高と哀歓を描いた「三屋清左衛門残日録」と好一対を成す青春小説のようで、大好きな作品!です。男子の本懐を遂げる主人公の姿に、わがことのように喜ぶ私です。
蝉しぐれAmazon書評・レビュー:蝉しぐれより
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No.6:
(5pt)

何百冊か読んだ時代小説の中でこれがベスト

「父を愧じてはならん」の言葉を残し、主人公の父親は刑死。残された少年は謀反人の子として蔑まれ、藩内で過酷な忍苦の日々を過ごす。しかし、その鬱屈したエネルギーを剣の修行で昇華し、少ないながらも堅い友情で結ばれた友を得ていく。青年剣士へと成長した主人公は、父を死に追いやった苛烈な派閥争いに巻き込まれ、自らの運命に立ち向かう。

完成度の高いストーリー、端正な文章、常にベストを尽くした主人公が残す爽涼感、過ぎにし少年時代と淡い初恋への愛惜の念。藤沢周平の代表作というだけでなく、時代小説の最高傑作のひとつと言える。
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No.5:
(4pt)

あなたは「蝉しぐれ」をいつどこで聞く…。

鮮やかな緑色の樹木と透明な夏の空気。
場面は秋であっても冬であっても、全編を通してこのようなイメージで満たされている小説である。
藤沢作品はもちろん、時代小説というものを初めて読んだのだが、この小説で初めて
「話の筋によって心が躍らされる」という体験をした。それぞれの章に独特のリズムがあり、
ぐいぐいと惹きこまれている自分に、ふと気がつくのがおもしろい。
「蝉しぐれ」は読んでいるとき、あるいは読み終わった後になってようやく思いがいたって、
じんわりしたりジーンとしたり、すがすがしい涙を流したりするように書かれている。
いつまでも変わらない人間の心、気持ち、思いが、ほどよくちりばめられているのは、
現代小説ではなく、読み手それぞれが好きなように思いをはせることのできる時代小説ならではだと思う。
のんびりと時間のとれるときに、じっくりと読んで欲しい。
蝉しぐれAmazon書評・レビュー:蝉しぐれより
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No.4:
(5pt)

これは、絶対におすすめです。

藤沢さんの本を全部読んだわけではないですが、いまでもこの本が一番いいと思います。
父と息子のべたべたしない親子愛のなかにも、とても強い強い愛情をかんじることができ、深く感動しました。
主人公が、剣の道場で稽古をする場面や、試合の場面、思いをよせる女の子への淡い気持ち、どれもあからさまでなくでも情景がしっかり書かれていて、目の前に夕焼けや町並みがありありと感じられました。
何度でも読みたい、そして多くの人に読んでほしい本です。
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No.3:
(5pt)

10年後にもう一度読みたい

藤沢周平の一番の小説ということで、会社の大先輩から紹介を受けて読みました。
(1)まず感じるのは、描かれている風景が「小説 上杉鷹山」の風景とよく似ているということ(もちろん表現方法は違いますが)。巻末には「蝉しぐれ」は山形新聞の連載小説だったとあるので、まあ納得した次第です。
(2)内容的には、江戸時代の地方の藩で、子供の居ない藩士の家に養子に入った少年が成長して、跡を継いでいく様子を描いたものです。底流には「今こうしている間にも人が生まれ人が死んでいく」という観念が流れていて、それでも「1人の個人で見れば成長を通して変わっていくようであり変わらない部分がある」と著者は言っているようでもあります。
(3)結末では10代半ばのお互いの気持ちを確かめ合うシーンは、私(39歳)には到底まだ早い内容で直ぐには消化しきれないです。この部分は、とって付けた感もありますが、衝撃を受けたことも事実であり、10年後にもう一度読んでみたいです。
(4)全編を通しては、流れるように読めて、風景描写が目に浮かぶようであり、色んな事件を読み進むうちに、果たして結末は吉か凶かと心配して読み進みます。最近は無意味に長い作品がよくあって辟易しますが、「蝉しぐれ」は1000ページくらいあっても楽しめたと思います。
蝉しぐれAmazon書評・レビュー:蝉しぐれより
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No.2:
(4pt)

藤沢作品のどれか一冊を、といわれればこれ

藤沢周平のすべて、といっても良いのかも知れない代表作。どれか一冊を、といわれればこれをおいてない。しかし、チョットだけ難点を言わせて貰えば、男の勝手、と思わせるところがある。つまり、男向けの作品。
蝉しぐれAmazon書評・レビュー:蝉しぐれより
4163102604
No.1:
(5pt)

とにかくしみる!!

今まで時代&歴史小説の分野に興味がなかった私が人の勧めで手にしたところあっという間に心を掴まれ、何かにとりつかれたように一気に読み終えてしまった。友情や人間くささ、さわやか且つ私は何と表現したらよいか分からないずしりとした人生に対する重みのようなものを読後1週間感じていた。私はなんて面白い小説に出会えたんだろうと嬉しくなった。
蝉しぐれAmazon書評・レビュー:蝉しぐれより
4163102604

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