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木曜殺人クラブ



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【この小説が収録されている参考書籍】
木曜殺人クラブ (ハヤカワ・ミステリ(1971))

木曜殺人クラブの評価: 3.14/5点 レビュー 21件。 Cランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点3.14pt


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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全3件 1~3 1/1ページ
No.3:
(3pt)

斬新な登場人物

老人ホームに住む老人たちが難事件に挑むというコンセプトが新しいと思って読破。二点三点していく事件の全貌が読み進めていくことで明らかになっていく。顛末は意外な方向に向かっていくあたり作者のテクニックなのだろう。一つ難点と言えばところどころで出てくる日記による描写だ。この展開で前後のつながりがわかりにくくなっている。いかにも外国の思考方法なのだろうと思う。それがなければ内容、トリック、顛末にかけて一貫性があり、面白い作品だと思う。続編も読んでみようと思う。
木曜殺人クラブ (ハヤカワ・ミステリ(1971))Amazon書評・レビュー:木曜殺人クラブ (ハヤカワ・ミステリ(1971))より
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No.2:
(3pt)

英国推理小説の王道

まずはハヤカワ・ポケット・ミステリ(HPM)の装丁が変わったことに驚きました。今まで2,000冊ほど出版された海外翻訳モノの名門新書なのですが、ビニールカバー(ギザ付き)で表紙は中身とは関係ない抽象画で原則2段組みでした。版型と独特の黄色い紙は残ったものの、薄い表紙で内容を暗示するカラフルなカバー、1段組みになっていました。特筆すべきはハガキサイズの「登場人物表」栞があることです。しかも、黄色い紙に挟んでも目立つオレンジ色です。どうして今までこれに気が付かなかったのだろうか!いちいち冒頭に戻って人物確認をする必要がなくなりました。英語圏の作品はもちろんのこと北欧、東欧、中東など名前が日本人にとって難しい名前がでてきてももう大丈夫。

さて内容です。もう英国古典派正統推理小説の王道中の王道です。
○いちばん怪しい人は犯人ではないが、絶対に限られた登場人物のなかにいます。ながしの犯行はなし。
○鑑識、DNA鑑定、防犯カメラなど科学捜査はないがしろにされます。
○警察も組織では動きません。
○探偵役は鋭いホームズ役と助手的立場のワトソン役がいて狂言回し的に進行させます。
○派手なアクションはなく、車椅子やロッキングチャー「探偵」が静かに活躍します。
○もちろんドンデン返しは巧みに用意されています。

という感じです。紅茶、スコーン、スコッチウィスキーをお伴にお楽しみいただけると思います。
木曜殺人クラブ (ハヤカワ・ミステリ(1971))Amazon書評・レビュー:木曜殺人クラブ (ハヤカワ・ミステリ(1971))より
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No.1:
(3pt)

2020年に刊行されたリチャード・オスマンのデビュー作の翻訳。原題は訳題に同じ。

〇以下、ネタバレは、ほぼないつもりです。私はキンドルで読んでいる。
〇著者の本業はテレビ司会者兼プロデューサーで、著名な人らしい。アマゾンの原著の英国レビューを読むと、テレビのオスマンと本小説の比較が出てくる。
〇本書はメディアやミステリー界では高評価で迎えられ、各種の賞にノミネートされたようである。
アマゾンの原著の評価も現在62899件で、星4.4と高評価である。
しかし、レビューをめくると、星1と星2の酷評レビューが延々と出てくるので、ちょっと驚く。どのレビューも、アマゾンで購入が付いている。
一、概要
〇本書の題名と趣向は、クリスティのミス・マープル『火曜クラブ』ほかの黄金時代素人サークル推理ものバリエーションだが、舞台は現代の高級高齢者施設で、中心に元女子修道院の建物がある。
○推理サークルは経歴不詳のエリザベス、元看護師のジョイス、元労働運動家のロン、元精神科医のイブラヒムの4人がメンバー。創始者はエリザベスと元女性警部のペニーだったが、ペニーは療養棟に移り、メンバーから抜けていた。
〇クラブはペニーが警察退職前に持ち出した未解決事件ファイルの事件推理を楽しんでいたが、敷地内の住宅再開発問題が起き、施設の共同経営者のトニーが殺されると、現実の事件の捜査に切り替える。
〇彼らは施設外にも情報源を持っているうえに、策略を巡らして、若い女性巡査のドナと主任警部クリスを情報源として確保する。トニーの共同経営者で容疑者のイアンが殺され、事件は連続殺人事件となってくる・・。
二、私的感想
〇一応、ユーモア・ミステリーの範囲に入る作品と思う。コージーではなく、かなり密な小説である。
〇多視点の三人称的一人称叙述が中心。ところどころ、ジョイスの一人称叙述が入る。
〇この視点はよく工夫されているといえるかもしれないが、視点が多すぎるため、人間関係のわかりにくい叙述が入ってきて、キンドルをめくる手が止まってしまうことが時々起きる。これはちょっと困る。登場人物が多すぎるともいえる。
〇ユーモア小説として軽快な部分もあるのだが、軽快でない部分もあり、軽快でない部分が重い。アマゾンの原著の酷評レビューには退屈という評価が出てくるが、たしかに、退屈な部分もある。
〇ミステリーとしては、面白い部分もあるが、欠陥も目立つ。真相が複雑すぎる、または、何でもありなのである。書評が褒めすぎだ、と怒る英国読者がいるのも理解できる。
木曜殺人クラブ (ハヤカワ・ミステリ(1971))Amazon書評・レビュー:木曜殺人クラブ (ハヤカワ・ミステリ(1971))より
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