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パラダイス・ガーデンの喪失
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パラダイス・ガーデンの喪失の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.40pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全2件 1~2 1/1ページ
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最初に断わっとくと、私、この作家さん、好きです。ほとんどかならず買います。『心の中の冷たい何か』以来、ファンでもあります。でもこれはいただけない。きっとこの季節に一作出て、「このミス」あたりで高評価を得るだろうと思っていましたが、やはりここでも高評価。若竹さん。この作品は、小説としてダメです。あまりにも視点があちこち飛び過ぎる。ご本人は、キルトの製作と重ね合わせでこの作品の味わいをと思ったのでしょうが、これは視点の置き場所が多すぎる。節ごとに視点がかわるために、前節でようやく物語になじんできたとおもった瞬間、別の登場人物の視点(しかも本筋にかかわらないような人物の視点)につれこまれ、そのつど、本筋にかかわらないような、その人物の趣味・人生観・最近の悩みごとなどにつきあわされ、中盤すぎたあたりでほとほと疲れ果てました。だもんだから、最後に謎が明らかにされても、ハァー、そうですか、というしかない感じで、とてもカタルシスなんか感じられない。思うに、視点をかえる書き方は、ここまで徹底すると、短編の連続みたいなものであり、作家さんには書きやすいのでしょう。おそらく「このミス」はこの作品をまた選ぶでしょうけど、これは、ダ・メ・デ・ス。 | ||||
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これまでの「葉崎市シリーズ」のような魅力的な住民が出て来ないのがつらい。 そのためメインの身元不明死体の謎が明かされても何の感慨もわかない。 捜査陣では二村貴美子警部補の再登板が嬉しく、新型コロナ蔓延下でのマスクにサンバイザーという警察関係者らしからぬ姿で聞き込み相手をいちいちギョッとさせる展開が、『猫島ハウスの騒動』での駒持警部補の猫アレルギーゆえの毒ガスマスク姿を彷彿とさせて楽しい。 『ヴィラ・マグノリアの殺人』や『古書店アゼリアの死体』では、身近で起きた事件に巻き込まれつつも警察とは別に推理していく住民たちのたくましさが読みどころのひとつだったが、今回はそういったワクワクがあまり無いのは寂しい。 推理と言えば、今回の容疑者たちは段取りを無視して積極的にどんどん罪を自白していく。そこを笑って読むべきなのかちょっと複雑な気持ちになる。 けっして「パッチワーク」の緻密な美しさではなく、人物相関図をそのまま読まされた印象。 でもまたいつか『葉崎市シリーズ』が刊行されたら喜んで読むと思うし、その時は登場人物たちがマスクをしていないことを切に祈る。 | ||||
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