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機龍警察 白骨街道
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機龍警察 白骨街道の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.22pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全27件 21~27 2/2ページ
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十二神将八部衆とか立体機動やら派手めの諸々があるが、基本はダーク。作中様々な二種機甲兵装が出て来てテクノロジーの進歩を見せて読者に新陳代謝を予期させる。龍機兵のアンドバンテージも低くなりだしたのか?機体やパイロットの世代交代もありうるのか?沖津部長の泰然自若さも巻を追う事に薄くなってるようで読み終えても次巻が待ち遠しくなる。 | ||||
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同時代の機甲兵装に対して圧倒的なアドバンテージを持っている龍機兵のはずですが毎回戦闘では(一対一であっても)手こずります。今作品においては戦闘を間近に見ながら姿は宿敵の戦闘力に驚嘆していましたし自らに勝ると認めてもいました。オズノフやラードナーも優秀ですが総合的な戦闘力は姿には劣るといった設定です。となると結局のところ3人の傭兵さんは、結局龍機兵頼みでしかないようにも読めてしまいますね。無論圧倒的な戦闘力の差では物語として面白くないでしょうからしょうがないのですけど。ちなみに生身での戦闘力はラードナーが一番であるな。と改めて思った次第。 | ||||
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いつものようにとても面白い。 寝る時間削って一気読みした。 | ||||
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月村良衛「機龍警察」シリーズ、待望の最新作。 前作「狼眼殺手」ではこのシリーズ最大の売りである戦闘兵器・機甲兵装がほとんど登場しなかったのが残念でしたが、本作はそれを補って余りあるほど、機甲兵装が大活躍しています。しかも舞台は雨期のミャンマー。姿、ユーリ、ライザの突入班3人はもちろん、シリーズ常連の思わぬ人物が機甲兵装で現れ、驚異的な技量を見せつけて驚かせます。 「白骨街道」の由来となった「インパール作戦」と徐々に重なっていく、ミャンマーでの「死の行軍」ぶりがとにかくすごい。気候は全く違いますが、作者の「土獏の花」を彷彿とさせます。敵がいつ襲ってくるのか。そもそも誰が敵なのかもわからない。不可解な殺人事件まで起きて、クライマックスだらけの戦闘シーンにミステリ要素が融合し二転三転する展開はページを繰る手を止めさせません。確かに、絶体絶命の瞬間、救世主が現れる“ご都合主義”が多すぎる気はしましたが、大半はそれにも理由があることが明かされたりするので許容範囲ではないでしょうか。 一方、このシリーズが常に良質の「警察小説」であったことを思い出させてくれるのが、京都を中心に繰り広げられる“経済事件”の行方です(捜査自体は東京を拠点としているのですが)。汚職事件の捜査は、とかく地味なものですが、前作に続いてそこに「特殊能力」を持つ仁礼捜査官を登場させることで飽きさせません。そして最終盤のどんでん返し・・・ 物語は最後の数ページ、微妙な違和感を残したまま終わります。全編を通じて敵と思っていたものが味方に、そして味方と思っていたものが・・・という表裏一体を見せつけられてきた中で、苦い余韻を残すラスト。作者の面目躍如たる作品だと思います。 「このミステリーがすごい」などで常に上位にランキングされる本シリーズ。一般的な人気は今ひとつなのが残念です。今回も、より多くの人に読んでもらいたい傑作です。 | ||||
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月村了衛を読むのは、2021/5月の「非弁護人」以来になります。そして、<機龍警察シリーズ>については、2017年9月に読んだ「機龍警察 狼眼殺手」以来になりますが、その間、作者はプロブラム・ピクチャーを量産した時代の我が国の映画産業のように時代小説、クライム・ノヴェル、「昭和・東京」小説と立て続けに良質のエンタメを書き続けてくれましたので、間が空いたことについては致し方なかったのかもしれません。しかしながら、私は「ドル箱の大作」をひたすら待ち続けていました。「機龍警察 白骨街道」(ハヤカワ・ミステリワールド)を読み終えました。 ストーリーを追うことはやめにしたいと思いますが、今回の舞台は、ミャンマー、そしてもう一つの舞台は古都・京都。国際指名手配犯を追ってミャンマー行きを命じられる姿、ユーリ、ライザ、三人の突入班龍機兵搭乗員たち。待ち構えるミャンマー警察、国軍、武器密輸商人、人身売買組織、そしてロヒンギャの少年・カマル。 方や、特捜部理事官・城木の身内にあたる城州グループによる「機甲兵装導入」を巡るあれやこれやの事件をめぐる贈収賄ルートを追及する沖津以下特捜部の部員たち。そして、城木の従兄、城州ホールディングス役員、城邑昭夫とその妹・毬絵との間で深く苦悩する理事官・城木の孤立した姿。3方の視点から描かれる謀略事件は、「動」なる事件と「静」なる事件を交互に描写しながら、この国を覆い尽くす「悪しきもの」の存在へと力業でアプローチしていきます。 また、タイトルが象徴する白骨街道へと連なる「インパール作戦」という歴史的なパースペクティブを天上から照射しながら、混乱の中にある「スー・チー政権」という「今」を差し出し、その中に映画的な軍事ロード・ノヴェルとも呼べるような視点から、月村了衛は、姿、ユーリ、ライザたちの血沸き肉躍る冒険行を充実の筆致で書き連ねていきます。「文句なし」のエンタメだと思います。(荒ぶる冒険の中、伏線もまたしっかりと回収されていますから、巧みなストーリー・テリングを堪能できます。) 影に怯える財務捜査官・仁礼、マーメイドを意味する「ミュアゲルト」をしなやかに駆使するライザ・ラードナー、ミャンマーの大地、密林、その「ミュアゲルト」の機体を叩く一向にやまない雨音。原初の旋律。毬絵の「京琴」のしらべの如き京都ことばが、聞こえるはずのない「ビルマの竪琴」の音色に変わる時、第二種機甲兵装による地獄の闘いが繰り広げられます。 ページ・ターナーでありながらも、時折、立ち止まって周りを見回した時、(「コロナ禍」によって暴露されたこの国の脆弱性に立ち返った時、)すべては「一瞬の敵」ではなく、「巨悪」とも呼べる"Constant Enemy"によって牛耳られたこの国のシステムを嫌悪し、憂うことにもなりました。私たちにできることがあるとすれば、それはユーリ・オズノフがいみじくも云った言葉だけなのでしょう。 何と言ったかは、本書を最後までじっくりとお読みください。 | ||||
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(注)ネタバレあるので、未読の方はご注意 以前から楽しみにしていた最新刊。早速購入して一気読みしましたが…。情景、戦闘シーンの描写、登場人物の造形は素晴らしいです。ただ、ストーリーに違和感を感じるところが多々ありました。なぜ3人がミャンマーに派遣され、辺鄙な田舎の拠点にわざわざ地上からアクセスして容疑者を引き取りに行く蓋然性があるのか、「日本版ロッキード事件」で(敵)である政府高位者グループは何をしたかったのか?(途上国の腐敗政府なら、有り得る話ですが、日本政府の高位者グループが、たかが数十億円の贈賄&武器輸出事案にここまで肩入れする意味がわからない)また、細かい話ですが、ミャンマーの遺跡で、3人が武装勢力に囲まれ、窮地に陥った際に都合よく「なじみの中国人」が武装勢力との抗争という理由で殴り込みをかけてきて、3人が危機を脱した点、人物についても、最後に城木さんのご親戚の女性が豹変するのも、幼少時からの描写を考えれば、無理な展開、また最後の殉職した外務省職員の遺族訪問において、結局殉職したのが、当人なのか、似た別人なのか、分かりにくかった。(当人だったとしたら、家族の語る人物像と行動との不一致が大きすぎて現実感が伴わない) 要は、ストーリーに現実感が伴わず、無理矢理な展開がいくつもある点が、非常に惜しいです。当初から最終幕まで一貫した筋書きを準備せず、途中で方向を何度か変更して仕上げた感があると言いますか…。 前作までは文句なし、非常によかったので、次作に期待します。 | ||||
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昨年『欺す化生』で自身が最も造詣深い山田風太郎賞を受賞し、デビュー10周年を迎え日本文芸に燦然と存在する小説家、月村了衛の代表作シリーズ『機龍警察』。 今回も前作同様、ハヤカワミステリマガジンの連載を経ての単行本刊行である。 クアイコン疑獄とそれに纏わる“銀狼”による一連の暗殺事案は全容解明には至らぬものの、一応の決着を見た。 数週間後、特捜部はミャンマーで拘束された国際指名手配犯の護送指令を内閣官房から命ぜられる。 なんと、その為に警視庁と契約している部付警部、即ち龍機兵搭乗要員を外国に向かわせろという。 見え透いた背後の意図を読みながら粛々と任を拝命し、三人を送り出した後に沖津特捜部長は指名手配犯の罪状たる機密奪取の中身が初の国産機甲兵装に用いられる複合装甲モジュールであることから、他機関と連携してその正体を炙り出そうとするが…… 舞台のスケールは以前にも況して長大だが、凄絶な展開は一切の間延びなき完成度を担保している。 密林生い茂る山岳地帯のミャンマーに死闘を繰り広げる姿、ユーリ、ライザ。 東京と京都、東西に亘る謀略に飲み込まれる沖津達、そして己が血族の欲望に翻弄される城木。 インパールの屍骸に抱かれる怨恨、京の都に渦巻く妖気。 変わってしまうから人なのか。または、見てこなかった一面でしかないのか。 それらは一つとなる時、過去から連なる悍ましき百鬼夜行を目撃する。 それにしても、連載開始から完結までの現実におけるミャンマー情勢の激動と東京五輪を巡る醜悪な狂想曲。 コロナウイルスもまた一つの結果に過ぎない。 今この瞬間最も熱く、その先も冷徹に見通すフィクションの存在とはこのシリーズにある。 ジョン・ル・カレ亡き後、月村了衛の本質に現代文芸は“踊る”であろう。 | ||||
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