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インタヴュー・ウィズ・ザ・プリズナー
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インタヴュー・ウィズ・ザ・プリズナーの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.00pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全2件 1~2 1/1ページ
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「開かせていただき光栄です」を読んだのは、もう10年以上前かな。 本書がそれに連なる物語の終点(と思われる)と確認もせず、「開かせていただき光栄です」と同類のミステリと思い購読。もちろん続編となる「アルモニカ・ディアボリカ」も読んでいたのですが、本作はアメリカ大陸が舞台とのことなので、まさか連作とは思わなかった。 読み進むうちに、ようやく18世紀のロンドンから同時代のアメリカ大陸へ渡ったエドワード・ターナーの話であることに気づいた次第。 では、エドワード・ターナーを中心に物語が進んでいくかというとさにあらず。アメリカ植民地開拓者の大地主(移民ですね)の父とアメリカ原住民のモホーク族を母にもつアシュリー・アーデンの葛藤を軸として、英国国王軍と植民地からの解放を目指す大陸軍との戦闘が綾なしながら、獄舎の人となったエドワード・ターナーの身の潔白を解き明かしていくという、ミステリというほどの謎もないきわめて内省的な物語が開陳されていきます。 ほかの著作「死の泉」や「薔薇密室」もそうだけど、舞台となる時代の緻密で克明な描写と、前後して変転する場所と時間の語り口はこの作品でも遺憾なく披瀝されており、前半はなかなか全体が俯瞰できない中で、登場人物たちの個人的な事情を把握するのに結構疲れました。 けれど物語の終盤になると、この場面変転は一層活発になるのですが、それまでの謎や背景がスピーディに解きほぐされていきます。それと併せて、アメリカ大陸原住民であるモホークやインジャンといった民族が持つその土地固有の文化や社会性が、18世紀近代の経済や合理性とせめぎ合う様には、”歴史は勝者のもの”という言葉を思い出しました。 本作がミステリとしての体裁と理を持つものであるか、正直判断のつかないところもあるけれど、それとは別に自分たちが正史として教えられた「歴史」は、そこにあった様々な争いの勝者が編纂したものであるという一方で、いかに敗者の(文字に残らないことも含めた)記憶を蔑ろに扱ってきたかということにも思いを巡らせたりしました(作品のフィールドは違うけど、船戸与一の「砂のクロニクル」「蝦夷地別件」などの虐げられた人々の物語を思い出したりして)。 それにしても著者の皆川博子はすでに齢90を超えているというのに、本作のようないまだに時代性を克明に感じさせる密度の高い作品を著し続けているということ、そのこと自体に大いなる驚きを感じてしまいます。天晴! | ||||
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米独立記念日に英陸軍戦車兵が「正しい紅茶の淹れ方」という動画で 「ティーバッグは港にではなくマグにいれます。」というジョークを思い出した。 物語の基幹は独立戦争だと思う。 先住民族、国王軍、大陸軍が複雑な情勢の新大陸で志願兵として国王軍に従事しているエドとクラレンス。 「調査」と「犯行」の現在と過去が語られ、準男爵と先住民との子と先住民の家族、友人とエドが絡んで複雑で面白い。 ラストは独立戦争後にクラレンスがアルに送る手紙で終わる。 完結でちょっと寂しい。 | ||||
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