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テスカトリポカ
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テスカトリポカの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.85pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全145件 81~100 5/8ページ
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耳慣れない題名は、煙を吐く鏡を意味する古代アステカ神の一柱。第165回直木賞受賞作。 麻薬組織から逃れ日本に流れてきたメキシコ娘と暴力団幹部の息子、「断頭台」コシモ。まともな教育は受けていないが、長身怪力で手先が器用。 メキシコで麻薬戦争に敗れ全てを失った「粉」「調理師」バルミロ。祖母からアステカ神の教えを受け継ぎ、狂気と恐怖を撒き散らす男。復讐のため組織復活を目指し、日本に流れ着く。 圧倒的な暴力、血なまぐさい描写、アステカの暦と呪術的仕掛け。出会った二人。バルミロは何故ここに居るのか。 凶暴的エンターテイメント! | ||||
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圧倒的な筆力に引きずり込まれて一気に読み終えました。他の何事にもかまっていられないほどに。 ただ、それだけに、後半になるにつれ少し残念な感じになってしまったことは否めません。 この感じは山本周五郎賞選考委員の伊坂幸太郎氏の選評「この小説はいわゆる「起承転結」の「起承」の部分がほとんどを占め、その「起承」の面白さが魅力」という言葉に集約されているかと思います。この「起承」においては「ドキがムネムネ」「このスケール感はもしかしてあのコインロッカー・ベイビーズを古く感じさせてしまうかも」「そんな小説ははじめてになるかも」「この先この物語はどうやって終わるのだろう」という過大な期待が膨れ上がったのですが・・・。 後半においては物語を収束するために、その都合で端折ってしまったのではないかと感じてしまいました。ほんのちょっとした描写においてのズレ、たとえば色彩感覚「ドクターペッパーの赤い缶」という表現への疑念、そういったささいな疑念が後半積み重なるようにして、文学的リアリズムから遠ざかってくるような感覚を憶えてしまいました。 ただし、主人公「コシモ」、それから少年「junta」が生き延びたこと、読後感は良かったです。次回作、期待しております。 | ||||
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オーディブル版を購入しました。 まずナレーターの「さしすせそ」の発声が強く、気になって内容に入り込めませんでした。 話が進むにつれ次第に落ち着いてきたのでなんのことはないナレーターが不慣れなのか。 半分ぐらい進みましたが、1回目は聞き流して、2回目から内容に入り込むことにします。 | ||||
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層が厚くて読みごたえがあるので、どう読んでも楽しめると思います。 私は暴力を浴びたくてこの小説を手に取りましたが、これは暴力を書きたくて書かれた小説ではないように感じました。暴力描写や残忍なシーンは思ったよりあっさりしていて、なんとなく、この膨大な文章を興奮して読ませるためのドーピング材のように思えたので、「読んで考えさせる」というより、私たちがいま生きている「暴力的な絶望はないけれどなんとなく鬱屈としたコロナ禍の日々」の「刺激として楽しむ」小説だと考えると、直木賞受賞は妥当かなと。553ページ分、時間は有意義に過ごしたようです(有意義な読書時間を過ごせました)。 現代の麻薬戦争と臓器売買、そしてアステカ神話が交錯する――、みたいに書かれていましたが、別にそれらはあまり重ならずに、別要素のように思えました。(ただ資本主義の地獄が神々の怒りによって生み出されているのであれば、それは確かに地続きなのでしょう。) バルミロのやっていたことは「信仰」の蓑をかぶった「ビジネス」でしかないように感じました。バルミロたちの暴力は、あくまでビジネスに徹した故の暴力であって、神話の力を借りた暴力ではなかった。 アステカ文明の人身御供と現代の心臓売買って、つながっているようで「意義」が全くかすりもしてなくて、そのズレがきっと最終局面のコシモの言動につながっていったんだろうなと。バルミロには信心が足りなかった、というよりは、神(テスカトリポカ)が理解できていなかったのだと思います。(これは作中にも明確な描写がありましたが。)だからバルミロの最期は当然のような気もしました。彼は神々への理解が足りなかった。恐らく信仰したつもりになっていただけで、結局は神話を利用していただけなのではないでしょうか。コシモへのシェルターの説明に嘘があることを考慮すると、きっと自身でもアステカ神話を利用していた自覚があったのでしょう。(コシモの時間の哲学に対して、決して同様とは言えない祖母の時間の捉え方の話をした時点で、バルミロの理解の浅さは顕著だった。)そう考えると、ラストの展開には納得です。 文学としては、色々ジャンルがあるのでしょうが、群像劇、という言葉が一番合っていたように思います。資本主義アンダーグラウンド群像劇。資本主義の究極到達点である(らしい)心臓密売を「暴力」としてショッキングに描いて、さらにそれを上回る「暴力」として神が立ち上がる。うん、面白く読めました。 もしこの作品の内容がいまいち理解できなかったとしても、猟奇殺人鬼(手腕)見本市としても十分読みごたえがあると思います。狂った人間たちのオンパレード。液体窒素の下りと、解剖ではなくもはや解体、みたいな下りが好きでした。神話やビジネス書としても読めると思います。 本書からの学びとしては、組織(力)を統率するためには、思想や信仰などは織り交ぜずに、ビジネスに徹したほうがいい、ということです。噂をすれば影、ではないですが、下手に神話を語ると、それが呼び水となって本物の神が現れてしまうようなので。 | ||||
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描写は時折エグい部分がありますが、伏線を張っていて、思わぬところで繋がるとか、ほんとよくできた物語でした。 南米の麻薬組織という恐ろしい話から出発しますが、その後の主人公の行動や色んな人を巻き込んでいく描写が何とも面白い。 | ||||
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すごい … 圧倒された。いろいろな本を読んできたが 作中にあるような「拷問手段」ははじめてだった。成長物語 としても最高に面白く 充実していた。2私の中では 021年のベスト1です。 | ||||
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とにかく暴力描写が半端ない。これでもかと読者を犯罪の世界に引きずり込む。目を背けたくなる残酷さに身震いしながら、何故だか一度読み始めたらやめられない。神話と暴力の世界に無垢な少年が翻弄され、最後につかむ真実とは。長編だが一気読みだ! | ||||
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これはとても重厚な小説です。 麻薬中毒、育児放棄、臓器移植、無国籍児童・・・ アステカ文明と混じり合い、社会の奈落を見た気がしました。 | ||||
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一気に読めます。 とっても面白い本です。 | ||||
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これは直木賞決定だな、と思う作品に出会うことはあまりないのですが(読むタイミングも合わないですし)、『テスカトリポカ』は間違いないと思いました。思えば日本推理作家協会賞候補作の「くぎ」を読んだときの感動があって、佐藤さんの著作を読むようになったのですが、本当に良かったです。 | ||||
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かなりの犯罪暴力小説。 麻薬密輸組織。 臓器密輸組織。 太古から伝わる文明から生まれた伝説がある。 善も悪も超越した 組織が作り出された。。。。 でもやっぱそりゃ良くないだろ! 悪だよそれは! 様々な登場人物が現れる。 過去の生い立ちが語られ かなりの長編小説 読んでいて、、、 メッチャックチャ面白かった!! 裏切り者がいる。 アステカ文明のもと 人間の心臓をえぐり出し 神に捧げる儀式。 その心臓を売買する 清潔な襟をしたエリート中のエリート 医者。 その医者とタッグを組む 一人の主人公がいる。 純粋な魂の持ち主。 凶悪犯罪に手を染めていく。 もう一人の主人公。 どっぷり悪の世界で 善にも悪にも 染まることなく 美しいナイフを作りつづける 最強な男。 彼にこの物語は救いがある。 その救いは 更に抜け出せない闇の中 月を眺めて眠る。 | ||||
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人と人の人生がここで交錯するのかと驚き面白かった。アンダーグランドの世界が見れて面白い。麻薬には色々な組織が絡んでいて、裏には想像できない恐ろしさがある事が知れた。 物語はとても面白かった。 | ||||
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8500頁超の大作ですが、2ヶ月間ずっと夢中でした。本屋で実物を見ていたらページ数に尻込みしたかもしれませんが、電子書籍で買ったのでここまでの長編大作だと気づかずに読み始めてしまいました(笑) 目次からわかる通り、裏社会、宗教、暴力に関わるお話が苦手な方は読まない方がいいです。 作品のスケール、伏線、登場人物の個性、スピード感、歴史的背景など直近では類を見ないほど全てが重厚で具体的で、おそらくずっと細部まで忘れられないと思います。参考文献の欄を見るだけでもわくわくします。 自分が(いい意味で)いかに平和に生きて来たかを思い知らされる良著でした。そして、この小説がセンシティブな描写が多数あるにも関わらず大きな賞を受賞して、読者から高いレビューを受けているのが感慨深いです。 テーマの重さやリアリティもあいまって映画やアニメでは倫理的に描くことが難しいストーリーなので、これが小説に残された聖域だなと思いました。 恐ろしくもとても楽しい一冊でした。 | ||||
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1996年、メキシコに暮らすルシアはまだ17歳だった。その彼女が流れ着いたのが日本。そこで彼はコシモという息子を産み落とす。 一方、メキシコの麻薬カルテルを仕切るカサソラ兄弟は対立組織との抗争に敗れ、兄弟のうちバルミロだけがひとり、国外へと逃れる。東南アジアを経由してたどりついた日本で、巨大な臓器ビジネス組織を形成していく……。 ---------- 物語の冒頭で20世紀末のメキシコ人女性ルシアの苛烈な生活が延々と描写されるさまを追いながら、このルシアこそが小説の主人公かと思いきや、さにあらず。ストーリーは2020年コロナ禍の日本へと到達してく中で、国籍も年齢も素性も違う登場人物たちが陸続と現れて切り結んでいきます。 激しい暴力の応酬と、人の道を大きく逸脱した闇ビジネスの描写が続き、そしてそれがまた現実離れしていないほど精緻に、500頁にわたって綴られていきます。まるでノンフィクションのようです。 テスカトリポカはアステカの神話における「煙を吐く鏡」のことと紹介されます。想像を絶するほど苛烈に繰り出されるバイオレンスの狭間に、アステカの聖なる儀式が挟まれていき、暴力と聖性の奇妙な統合が感じられて、実に幻惑的です。 こうした暴力性の高い小説を求めて佐藤究氏の次回作も読みたいかと問われると、答えに窮するところはありますが、一風変わった作品を読ませてもらったという思いは確実に残りました。 ----------------------- *67頁:「麻薬戦争」にスペイン語として「ゲーラ・コントラ・ラス・ドローガス」というルビが振られていますが、これは「麻薬撲滅戦争」という意味です。つまり、政府当局が麻薬カルテルを壊滅させるために仕掛ける戦いのこと。ところが、この67頁で語られるのは、「二つのカルテルが激突し、市街地を地獄に変えていった」様子です。つまり「麻薬をめぐるカルテル同士の戦争(抗争)」。ですから「ゲーラ・コントラ・ラス・ドローガス(guerra contra las drogas)」ではなく、正しくは「ゲーラ・デ・ラス・ドローガス(guerra de las drogas)」ではないでしょうか。 *276頁:「おれたちは戦士だ」にスペイン語として「ソモス・ゲレロ」というルビが振られていますが、正しくは「ソモス・ゲレロス(Somos guerreros)」です。主語の「おれたち」に合わせて「戦士」も「ゲレロス(guerreros)」と語末には複数形を表す「s」が必要です。 なお、2017年のメキシコ映画『ザ・マミー(原題はVuelven)』の最終場面に、「Somos guerreros.」というセリフが出てきます。 *303頁:「おまえはナイフを作れるって聞いたよ」にスペイン語として「オイ・ケ・プエデス・アセール・ウン・クチージョ」というルビが振られていますが、「ナイフ」を意味する「ウン・クチージョ」は単数形ではなく、複数形「クチージョス(cuchillos)」としないと、「おまえ」=「ラウル」がナイフを1本しか作れないことになるのではないでしょうか。 . | ||||
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麻薬売買と臓器売買、そんな裏ビジネスにおいて暗躍する登場人物。アステカなど中南米では生贄の心臓を神にささげていた。その儀式を現代の裏社会に持ち込むと、非常にえげつないことになる。そもそも麻薬や富の偏在が悪魔なのだ。麻薬のために人を殺す、麻薬のために臓器(自分のも含めて)売る。富があるから我が子のために心臓を買える。戸籍がないから心臓を売られる。描写は凄惨なものだが、現実には似たようなことは起こっているのだろうか。テスカトリポカはアステカの神である。アステカの神は人間の心臓を食べる。テスカポリトカは神なのだろうか悪魔なのだろうか。映像では見たくない作品である。 | ||||
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メキシコから日本へと流れる犯罪の群像劇。 主人公はいるが、その親世代から脈々と様々な登場人物の人生を追っていく群像劇の様相。なので分厚く長いのだが、重厚で後半に行くほど読み進めたくなる気持ちが増していく。 犯罪と暴力の話であるが、そこにアステカ神話の儀式を絡めることによって暴力とは違う何かを感じるようであり、返って不気味でもあり。。。 エネルギー純度が高い小説。 ダニー・トレホ呼んで映画化してほしい。 | ||||
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この本は読み応えが凄くあり登場人物の経歴や関係性、そしてどう展開していくかのワクワクさがとても素晴らしく楽しく読めました! ただ登場人物1人1人の厚みが凄い割に最期がびっくりするほどあっけなくてちょっと惜しく感じました。3分の2の量にしてさらにもう1冊の上下巻構成にすればさらに最期が長く楽しめた気がします。でも読んで良かった! グロ耐性が無い人は厳しいかもしれませんが... | ||||
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密度の高いレビューは他の方がされているので私のほうでは直感、ライトなネタバレ無しレビューとしたいと思います。 幼い頃からアステカ神話に心惹かれるものがあり、タイトル、表紙を見て直感で購入。 読み始めから中盤までは非常にワクワク、こんなにも自分の趣味に合う小説に出会えたことに喜びを感じました。 中盤から終盤にかけ、物語が加速して盛り上がる期待感がありましたが、少々肩透かし感でした。 序盤が秀逸ですが、そこで読者に与えた期待感に展開が追い付いていない印象です。 物語は大きな盛り上がりなく平坦に進み、ラストを迎えます。 特筆する読後感はありませんでした。 徹底的な取材とそれによる情報量は凄まじく、何度人生を生きればこんな冒険譚が書けるのか、関心した部分はありますが、物語としては今一歩な印象でした。 少し違和感を感じたのは、暴力表現です。 少々あっけなく人が死に過ぎな印象で、ファンタジーな印象を受けました。 映画化などされると駄作になりそうな内容に感じるので、映画化は考えなくて良いと思います。 もしかしたら監督によっては簡潔にまとめられ、良くなる印象も。 | ||||
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500ページくらいの長大作だが、498ページくらいまでは絶望の連続。 残り2ページでようやく救われる。 筆者はクリスチャンなのかな? 個人的には良いラストで、面白かった。 直木賞を獲るべくして獲った作品といえる。 | ||||
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読み応えあり! 好みは分かれるが、自分は好みの小説。クライムでノワールで社会派エンタメ。 黒く重い話しだが、苦なく読み進められます。 | ||||
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