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第八の探偵
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第八の探偵の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.90pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全10件 1~10 1/1ページ
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作中語られる数学理論とミステリの関わりは目眩しに過ぎないのは残念だが、最後のひっくり返し方というか反転する構図の仕掛けにはオリジナリティがあり素直に感心した。所謂日本の新本格派と相似を成すような作風だが人物造詣や描写に児戯めいた軽薄さが無いのは個人的には好ましい。 | ||||
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作中作という構成に惹かれて買いました でも、読むのにかなり時間がかかりました 一つ一つの短編がそれほど面白くないからです とはいえ、終盤の種明かしの部分は楽しめたので、★4つつけます | ||||
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ややというかかなり凝った構成で、ミステリーはここまできたか、という印象でした。 | ||||
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サンプルなりで文体を確認することを強く推奨します。 終盤の終盤まで何も起こらずに同じような感じの話が延々と続くので、サンプルを読んで退屈に感じた人は読んでてずっと退屈です。 私はダメでした。 本当に最後になってネタバラシが始まるけれども「あっはいそうですか・・・」という感じで、物語の構造だけを「そういうことだったのか!」と評価できるオタクな人でないとお金と時間に見合った満足感は得られないように思います。 | ||||
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【ネタバレあり!?】 (1件の連絡あり)[?] ネタバレを表示する | ||||
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futuu | ||||
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散りばめられた違和感と矛盾点が示す、驚きの真相とは。 本作は、7つの短編ミステリーの作中作と、その作中作についての作家と編集者の対話で構成されている。 「ホワイトの殺人事件集」と名付けられた私家版の作品は、殺人ミステリを数学的に考察した論文「探偵小説の順列」という論文に記載された理論を実際に応用した短編集。 そこに収録されている7つの作品は、毎回異なる設定なのだが、どの短編もミステリファンなら一度は読んだであろう名作のオマージュや既視感のある事件が扱われている。 作中作についての対話で徐々に明かされる「探偵小説の順列」に記載された理論も非常に興味深く、数学的見地から殺人ミステリーを定義するという独自の発想は、数学の博士号を持つ著者ならでは。 作中作である各短編には奇妙な矛盾点が潜んでいる。 これが本作のキーとなっていて、編集者であるジュリア・ハートはその矛盾点を指摘していく。 その矛盾点が示すものとは? 「ホワイト殺人事件集」という本に隠された真実とは? また、それらの謎を解くカギとなる矛盾点の散りばめ方が非常に巧妙。 私自身読んでいて、その矛盾点に気づかない時もあり、何度も指摘されている描写にページを戻すこととなった。 作中作である短編ミステリーそれ自体も楽しめるのだが、本作の魅力は何といっても作中作が真相の鍵となっているところ。 7つの短編に散りばめられた矛盾点から導き出される真相に、なるほどと膝を打つこと間違いなし。 個人的に、本作の様な独特な構成や設定のミステリーは大歓迎だ。 これがデビュー作なのだから、著者の次作以降にも期待するしかない。 | ||||
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本作中に作中作が7つ。(作中作中の登場人物を除けば)登場人物は作家のグラントと編集者のジュリアの2人だけという破格のミステリ。物語は作中作と2人の対話とのカットバックで進行する。もう少し詳細に設定を説明すると、かつて7つの短編から構成される私家班短編集「ホワイトの殺人事件集」を執筆し、現在では島に隠棲しているグラントの元へとジュリアが短編集の出版目的で訪ね、<殺人の数学的定義>を標榜するグラントの短編の批評を初めとしたミステリ談義・数学談義を繰り広げるという体裁の物語(グラントの秘密をジュリアが暴いて行く構想という予感もさせる)。勿論、この7つの短編が7つの作中作であり、グラントの信条を反映してミステリの数学的分類の典型例(結果として、<読者への挑戦状>)となっているという趣向。 一応、グラントの分類を紹介しておくと、「容疑者が2人だけ」、「事故か殺人か及び第3の可能性」、「探偵役が犯人」、「容疑者全員が犯人」、「孤島で発見された10の死体」、「大家族の中で(即ち、後述する集合Sの濃度が多数の場合)、集合Kの濃度=半分の事例」及び「集合DとVが重なった幽体物」。ミステリでは(最終編を除いて)"お馴染み"とも言える分類が示す程には各編の謎解きは単純では無い(特に、5編目以降は読者の真相追及の推理を許さない創りで当初は不満が残った)。加えて、グラントは各編の狙いを数学的概念("殺人ミステリ"(グラントに依る呼称)はS(容疑者)V(被害者)D(探偵)K(犯人)の4つの要素で構成され、集合Sの濃度は最低2、集合K・Vの濃度は最低1という集合論)で説明していて読者を煙に巻いている上に、ワザと各編に瑕疵を埋め込んでいる。 そして、最後の2人の対話において、作者が実は13の作中作を用意していた上にグラント及び瑕疵の秘密も明らかにされるという鮮やかな創り。更に、ラストで2人に関する驚くべき真相を明らかにするという作者の執念と技巧には感心した。本作中に作中作が7つ、(作中作以外の)登場人物は2人だけという見掛け上の設定を遥かに越えた真の<破格のミステリ>だと思った。 | ||||
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2020年に出版されたイギリスの作家アレックス・パヴェージのデビュー作Eight Detectivesのハヤカワ・ミステリ文庫本邦初訳出版である。 お話は、1940年代にミステリー短編集を100部未満自費出版して、地中海の小島に隠棲してしまった元エディンバラ大学数学教授のグランド・マカリスターのところに、短編集の復刻を企画する女性編集者ジュリアが訪ねていく。二人は7編の多彩なミステリー短編を一作一作読み返し、検討していく。 すると・・ あとはネタバレになるので略。 現在原書には30のアマゾン・レビューと331の評価が載っていて、評価平均は3・8。レビューは絶賛、好評が多いが、酷評も混じっていて、やっぱり・・という感じ。 私は、絶賛のほうに参加したい。 大変面白かった。何よりも、結末をXXXというアイデアが気に入った。 | ||||
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「第八の探偵 "Eight Detectives"」(アレックス・パヴェージ)を二度読みしました。 かつてパズラー黄金時代に1冊の短編集「ホワイトの殺人事件集」を刊行し、その後地中海の小島で隠遁生活を送る作家・グラント・マカリスターを一人の女性・ジュリア・ハートが訪ね、その作品の復刊の話を持ちかけます。そして、収録されている7つの短編をそれぞれ読み返しながら、二人は議論を重ねていきます。「作中作」ミステリということは読む前から判明していますので、「メタミステリ」として楽しめる作品なのかどうかを念頭に置いて読み始めました。 また、「探偵小説の順列」という理論に基づき、それぞれの短編が各々テーマを持って書かれていることが理解できますが(「ヴァン・ダインの20則」、或いは「ロナルド・ノックスの十戒」などを思い出しながら)、新しい理論の下、アガサ・クリスティーへのオマージュなども感じ取れ、パズラー好きにはこたえられない内容だと思います。ばら撒かれたミス・ディレクション、レッド・ヘリング、そして「作者は恣意的にエンディングを改変することができる」という点など、楽しく読むことができました。 (*中盤の私の記述はフェアネスに反すると思えるため、省略させていただきます(笑)) ・・・そういう観点から、それぞれを<二度読み>することができる点がパズラー好きには応えられないという感想にもつながります。 とても数学的なミステリでもあり、純粋パズラーとしての面白さを堪能しながらも、プログラマーが一旦作り上げたシステムを個別にテスト、デバッグしていく工程を見ているようでもあり、その点は読者の好みがわかれるような気もしました。 いずれにしても、デジタル・アートの持つ美しさと繰り返し読めるリーダビリティの高さを強調したいと思います。 巻末に千街晶之さんの豪華絢爛たる「解説」がアタッチされています。一度本編をお読みいただいた後に、お読みください(笑)。 | ||||
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