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心淋し川
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心淋し川の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.21pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全70件 21~40 2/4ページ
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ときには心がほっこりし、ときには締め付けられるような物語。 人生思惑通りに進まなくて、苦しみを抱えながらも、それぞれがその人なりに懸命に生きていて、そこから生きる力を少し分けてもらえたような気がします。 | ||||
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千駄木の裏長屋でひっそりと慎ましく暮らす人々にもそれなりの人生あり、と語られていく話を読んでいると、最後には一つにまとまっていくという上手さ。 外がカンカン照りで、不穏な空気も漂う中を読み進めていくと、心が涼しくなるというか、しんと落ち着いて来て、こういう本を読む時間は大切だと思える。 | ||||
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受賞したので読んでみました的な感じしたがドンドン読めました。 | ||||
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母にプレゼントしました。面白かったみたいです。 | ||||
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受賞の価値はあるのでしょうが、読んでいるときの感動は、全くありませんでした。失礼な話ですが、申し訳ありませんが、読後感は何もない一冊です。 | ||||
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心にしっとりと染み渡る時代小説だった。 「誰の心にも淀みはある。事々を流しちまった方がよほど楽なのに、こんなふうに物寂しく溜め込んじまう。でも、それが人ってもんでね。」 そんな人の心の機微を表したかのような心淋し川の近隣に住む人々の喜びと寂しさが丁寧に描かれていた。 「冬虫夏草」に登場するお吉の息子に対する執着 「明けぬ里」に登場する根津随一の花魁と呼ばれる明里の秘められた想い 「灰の男」の主人公で唯一本書のすべての短編に登場する差配の茂十の次郎吉に対する因縁 など、読み応えがあった。 楽な生き方もあるのに、あえて苦労を選んだり、忘れられない因縁に振り回される人間模様がなんとも言えず寂しさを感じさせる内容だった。 | ||||
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この手の市井人情物には藤沢周平という名人がいるので。どうしても比べられてしまう。藤沢に比較すると、足りないところはあるが、まずまず出来は良い方だなと思いながら、第四話「冬虫夏草」を読んで、この作者を見直した。息子に対する母親の、恐ろしいまでの執心がじわじわと伝わってくる。母性愛が子どもを呑み込んでしまう怖さ。 | ||||
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家族が読んでます。 | ||||
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直木賞、ですか。途中まで読んでいましたが、時期が悪かった。 持病のせいで家庭内がもめ、僕は怒りと共にこの本を放り投げました。 確かにうまく書けています。そもそも買ったのだって、まるまるのいがに好印象があったからです。 しかしこれは、どうでしょう。まるで苦労知らずに暮らしている高みの城のお嬢さんが、あのうらぶれてる一画ではどんな暮らしをしているのかしら、と興味をもち、お忍びで下界へ出掛け、精一杯にみすぼらしく化けたつもりが、お高い着物姿で、住人たちにめっぽう話しかけ、そして帰り。机に向かって、さあ書きますか、とビードロの筆をさらさらと踊らせた。そんな作品に見受けられました。あれを仏に彫る。良い発想ですね。下界でそんなことがありましたか。爺やにでもなったような気分です。 あいにく下界の日常はカボチャの馬車とは無縁でして。 住人はあなたに作り話をしたのですよ。 あなたの背中のどぶ川で、子猫が流れて行くことに気づいていましたか。僕はそれを助けるために泳ぎ入っていたのです。あなたのお着物を汚してはなりませんから。 | ||||
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『心淋し川』です。読みはうらさびしがわ。第164回直木賞受賞作。 表題作『心淋し川』と、『閨仏』『はじめましょ』『冬虫夏草』『明けぬ里』『灰の男』の計6編の連作短編。江戸時代の千駄木の一角である心町と呼ばれる吹き溜まりというよりは川の淀みのような貧乏長屋的な地域が舞台の人情話ということになります。 表題作の冒頭を読んだ時点では、なんじゃこりゃという感じだったのですが、読み進めて行くと読みやすく面白かったです。 それぞれの話は別々の主人公の物語です。それらが最後にしっかり纏まりを見せるのは連作短編としてお手本といってもいいくらい巧いところでした。 どの話も、基本的には貧乏な底辺の人々なので苦しい厳しいことばかり多いけど、そんな中で前向きに考えられる要素もある、というのは絶妙の上手さでした。 6作品中4作品は女性が主人公の話。で、どの話も現代ではない昔が舞台ならではの問題を扱いつつ、それでいて現代にも通じるような問題意識を読者に抱かせる内容であるのも読み応えとなっていました。 ただ、自分が時代小説や人情話をあまり好んで読まないから新鮮に見えたという部分もあるのかもしれない。そういうのを読みなれている人にとっては、技巧的には上手いので安定感はあってもあまり新鮮味を感じないかもしれないな、とは思いました(そういえば直木賞の選評で再生産どうのと述べていた委員がいたな)。 細かい部分でいえば、江戸時代にはこんな職業があった、という知識から作品内容への落とし込みが上手いんだろうなと感じました。その最たるものが飛び道具作品であり全体のスパイスになっている『閨仏』でしょう。 自分としては読んで大満足な作品でした。★5 | ||||
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今年2021年上半期の第164回直木賞受賞作です。江戸・千駄木町にある心町(うらまち)と称される地区の長屋で暮らす市井の人々の物語6編を集めた連作短編集です。各編を結ぶのは、差配である茂十(もじゅう)や楡爺(にれじい)といった脇役陣です。 ▽『心淋し川』 :千駄木町界隈で心町(うらまち)と称される一隅に暮らす<ちほ>は、姉が嫁いだ後、両親と三人暮らし。針仕事の納品で訪れた仕立屋で、紋上絵師の元吉と知り合う。将来は夫婦(めおと)になる心持ちの<ちほ>に対し、元吉はそれをはっきりとは口にしない。その理由とは……。 若い男女の淡い恋心の機微を描いた短編時代小説です。 この物語のうまさは、元吉が<ちほ>のもとを去った後の小さな展開に対して、<ちほ>は果たして断るのか、それとも受け入れるのか、読み手が心の中でその疑問を反芻し、その反芻の過程で読み手が自身の心の内、生き方を静かに問う作業を迫られる点にあるやに思います。存外、<ちほ>はあの申し出を受け入れるのではなかろうか、という思いが私の胸の内に宿ったのでした。 ▽『閨仏』 :器量よしとは言いかねる<りき>は大隅屋六兵衛に見初められ、その妾となる。六兵衛は次々と妾を見つけ、4人の妾を心町の長屋に囲う。ある日ふと手にした張型の先端に手慰みに仏を彫ってみたところ六兵衛が気に入って……。 閨の道具に仏様とは、ちょっと見にはなんとも罰当たりな印象を与えそうですが、独特な発想の人間臭さを感じさせる物語です。一方、六兵衛が妾を誰一人手放さなかった理由が後段明かされて、それは読者の虚を突く意外なものである同時に、出鱈目な男に見えていた六兵衛という男の優しさを表す徴(しるし)でもあり、これまた人間臭くて味がある話になっていきます。 これもまた表題作同様、物語のあとに続くであろう<りき>の人生をあれこれと思い描く作業へと読者はいざなわれることになるでしょう。その終わらない感覚が心地よく思われます。 ▽『はじめましょ』 :料理人の与吾蔵は若い時代に<るい>という女を捨てた過去がある。先輩料理人の稲次が亡くなった後、心町にあるその店を継いで7年が過ぎた。ある日、根津権現で幼い女の子が歌う「はじめましょ」という歌にはっとする。<るい>が昔うたっていたものだからだ……。 少女<ゆか>が歌うのは口合段々(くちあいだんだん)という言葉遊びだそう。「はじめましょ」の次は「めましょ」で始まり、「目もと」で終わります。そしてこれが次では「めもと近江」と連なるという大づかみな尻取りになっています。江戸時代のそんな粋な言語文化にまず目を引かれます。「まくらの花はあすかやま」という連なりが「桜の花は飛鳥山」の意味であると読み解かれるくだりに至るとなつかしさを感じました。今から40年ほど前の学生時代、私は近在の飛鳥山で同級生たちと花見を楽しんだことがあるからです。 さて、与吾蔵が捨てた女のおなかには子が宿っていたはず。よもやこの歌う少女が自分の娘ではないか。与吾蔵ならずとも読者もまた期待を持って物語の先へ進むはずです。その先に待ち受けていた想定外の事実を前に、与吾蔵はどんな一歩を踏み出すのか。その一歩を読んで、私は思わず眼がしらが熱くなりました。 「はじめましょ」という投げかけに与吾蔵が答える決意を示す結末に、目が潤んだのです。 ▽『冬虫夏草』 :心町の長屋に暮らす吉(きち)には歩くことも立つこともできない富士之助という成人した息子がいる。富士之助は放蕩息子で、ある事件がもとで体に障害を負った。ある日、長屋に富山の薬売りが訪れ、吉と富士之助の素性に気づく……。 吉と富士之助の母子関係は、富士之助が幼な妻を迎えたことをきっかけに大きく変化を遂げていきます。嫁と姑の確執、そしてそれをめぐる長男の置かれた微妙な立ち位置といった、永劫繰り返されてきた物語が展開されるのかと思いきや、さにあらず。 冬虫夏草とは物語の最初に説明されるところによれば、蛾の幼虫に寄生する茸で漢方の薬とされるもの。吉と富士之助の母子関係が、この茸と蛾の幼虫のそれに重なるミュンヒハウゼン症候群のようである様といい、脇役の茂十の怪しげな過去が吉の口からほのめかされる点といい、全体に奇怪さが漂う短編です。 ▽『明けぬ里』 :かつて根津の岡場所の遊女だった<よう>は、今は贔屓客の桐八と所帯を持っている。夫にはまだお腹の子の話をしていない。そんなある日、路上で体調を崩したところを、先輩遊女だった<明里>に助けられる。<明里>は根津岡場所でも絶世の美女とされた存在だったが……。 岡場所の意味をネットで調べるうち、根津のそれが根津神社(根津権現)の創建(1706年)工事に伴う労働者の集合によって生まれたものだということ、そしてのちに天保期(1830―1843年)の改革によっておとりつぶしになったと知りました。この『明けぬ里』では根津の岡場所は「昨今では吉原以上の人気を誇る」と描写されているところをみると、1830年代よりも前と思われます。さらに『閨仏』では「円空は、百年以上も前のお坊様」だとありました。円空の生没年は1632―1695年なので、ひょっとしたらこの物語は1800年代初頭が舞台なのかもしれません。 さて、主人公たる元遊女二人はどちらも今は身請(みうけ)されて世間一般と同じ暮らしをしているのですが、いずれも夫に内密にしていることがあり、それがやがて思わぬ方向へと物語を展開させることになります。「他人がうらやむ人生にも、物思いはあるのだ」(179頁)という言葉が胸に染みました。 ▽『灰の男』 :茂十が差配になって12年の歳月が流れる。彼が心町の長屋の差配になったのは、実は楡爺が理由だった。今や呆けてしまった楡爺の真の素性を、茂十はどうしても明らかにしなければならないと思い定めていた……。 これまで脇役と思われていた茂十と楡爺が切り結ぶ物語です。仇であるに違いないと茂十はにらんだものの、楡爺はまともな会話も覚束ない状態です。果たして彼は本当に仇なのか、それとも茂十の単なる勘違いなのかと、判じ物が展開します。そこにこれまでの主役陣が陸続と現れます。楡爺を長屋に連れてきたのは『閨仏』の六兵衛ですし、その物語の<りき>も顔を見せます。『はじめましょ』のゆかの今を知ることもできますし、『心淋し川』の<ちほ>があの申し出を受けたのか否かも明らかにされます。 しかしそれにしても、最後に明かされる楡爺の素性には息を吞みました。実に見事な筋運びです。楡爺の素性を知った茂十もまた言葉を失うさまが胸を打ちます。 6編のいずれもがはっとさせられるささやかな驚きを含んでいて、私はこの江戸人情噺群を大いに楽しみました。 --------------------- ひとつの町を舞台に様々な住人の物語が展開する連作短編集を2つ紹介しておきます。 ◆堀江 敏幸『 雪沼とその周辺 』(新潮文庫) :おそらく日本の北方にあるだろう架空の町・雪沼の人々を描いた7つの掌編からなる連作短編集です。全7編を読み通すと雪沼に住まう人々が群像劇として浮かび上がってくる具合です。時代設定は、この書が単行本として発表された平成15年(2003年)あたりでしょう。 一極集中と言われて久しい首都・東京から遠く離れた土地で、朴訥と――巻末の池澤夏樹氏の解説にある言葉を引けば、「篤実」とよぶべき資質を伴って――生きた人々の営みが静かに描かれていきます。 ◆シャーウッド・アンダーソン『 ワインズバーグ、オハイオ 』(新潮文庫) :オハイオ州の架空の町「ワインズバーグ」の人々を描いた22の掌編からなる連作短編集です。物語同士が緩やかに連関していて、22編全体でそこに住まう人々を群像劇として描く仕掛けがほどこされています。時代設定は、19世紀の後半。南北戦争も徐々に過去のものとなりつつあり、20世紀に向けた機械化と工業化の歩みが加速しつつある時期です。 この『ワイズンバーグ、オハイオ』は、単調でつまらない日々の繰り返しの中に生きる住民たちが、その退屈な反復に反発するかのように奇怪で理解不能な所業に及ぶ姿を描いていきます。彼らは、人間とは一人で生き、一人で死なねばならない事実を知っていくのです。生きることの冷徹さと、それを受け入れることで得られる心の静謐があることが浮かび上がってくる物語です。 . | ||||
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人情味があり面白かった | ||||
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切なく温かく・・・うら淋しい長屋の中で様々な人生が交錯する。書き手の凄さなのか、それぞれの登場人物の顔が思い浮かんでくる読後感。すぐに映像化される?いや映像化を観てみたい。 | ||||
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江戸下町に住まう人達、ことに男女の機微をあくまでも優しく丁寧に掬い取っている。落涙を誘うような 強烈なフレーズを極力ひかえた筆致だからこそ、読む者の心の奥にそっと沁みてくる。春の陽だまりの暖か さと爽やかさを感じさせる作品でした。 | ||||
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「 はじめましょう 」で 読むのやめてます…現在、 すみません、 | ||||
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また読み返したくなる本です。 残念なのは製本の綴じが硬くて、紙質も硬めで手が疲れました。 時代小説好きでなくても、お勧めの小説です。読後は程よい心地がします。 | ||||
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この本を読み終わった時、ふと小学生の頃に読んだ国語の教科書を思い出しました。懐かしく読みやすい。1番のお気に入りは『はじめましょ』ですかね。 | ||||
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この番組はいつも楽しみに聞いている。 作者の西條奈加さんが登場した回はこの本のお話だった。 残っているのは「毒親」ことお吉のでる冬虫夏草の巻であった。 実際読んでみるといやはや「母は強し、されど弱し」である。怖くもあり哀しくもあった。 直木賞選考では、「かなり圧倒的な票数で西條さんになった」「完成度が高くて、欠点がないところが欠点だという意見も出るほど」という評価だったとのことであるがさもありなんである。 母と子、父と子、男と女の人情噺に心が穏やかになりました。やはり時代小説はいいですね。 ラジオ番組の話に戻りますが、聞き手が男性アナウンサーですが、アナウンサーが男女交代でお聞きするのもいいと思いますよ。 | ||||
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題名の通りに寂しい人生ばかりなり | ||||
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かといって、幸せな話かと言われるとそうではない。 周りから見ると凋落して不幸かと思いきや本人は歪んだ幸せを感じる女性の話だったり、妙に心に残る話が多い。 人情味があって、気風の良い人も出てくるのだけどみんななにか暗さを抱えている。 そんなお話でした。 心理描写が匠であっという間に読みきれました。 | ||||
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