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茶聖
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茶聖の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.14pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全29件 21~29 2/2ページ
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利休というと、茶という秀吉の趣味の世界に居たNo.1の人で、秀吉の逆鱗に触れ、切腹させられた、戦国期の大物文化人の一人くらいに考えていました。 つまり、利休は茶の世界ではメインストリームの第一人者であっても、戦国の世を動かすメインストリームではない と。長谷川等伯らと同じかな。でもどうして秀吉の逆鱗に触れたんだろう、くらいな(笑)。 この本「茶聖」はそんな概念を一掃してくれます。茶という精神世界に生きる利休こそが戦国の世を動かすメインストリームだったのです。 この斬新な視点で様々な戦国期後半の私たちが良く知る戦(いくさ)の裏側を「なるほど!」と説得力のある展開で綴っているのです。 それだけでなく、この斬新な視点で見ていくと、じつは秀吉こそが・・・ 引き込まれる歴史小説です。是非、ご一読ください。 | ||||
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数ある利休本の中では一番利休像に近のでは。耽美主義者としての利休をもっと表現してほしかった。 | ||||
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天下人・秀吉と、茶の湯の千利休との、複雑な関係とその生涯の秘密。 重厚な物語だが、読みやすさと、ドラマのダイナミックさで、思ったより長く感じなかった。 様々な戦国末期の出来事の中で、芸術にはまりだす秀吉と、政治にどっぷりつかってゆく利休との対比。 その象徴が『黄金の茶室』として現れるが、利休のそれに対する評価と衝撃が、今までにない解釈で感激した。 また、あまり陽の当たらない利休の家族や弟子達、支援者らのキャラクターも多彩で面白かった。 茶器や茶室の描写も多く、読んでて様々な要素が楽しめる読書体験だった。 | ||||
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豊臣秀吉の側近として仕えた茶人千利休を描いた重厚な歴史小説。 茶の湯を利用して天下統一を計る豊臣秀吉と、茶の湯でこの世に静謐をもたらそうとする千利休との攻防戦が全編を通じてヒリヒリとした緊張感をもって書かれている。そして、僅か二畳の茶室で武将達と相対し繰り広げられる対決は、正に究極の心理戦で読み応え十分です。 そこに利休と弟子たち・友、そして息子や妻との切ない関係もしっかりと書き込まれ、人間ドラマとしての厚みが加わります。 個人的には、プロローグだけで本書における千利休の全てが詰め込まれていると感じました。これを読むだけで、これから始まる読書にワクワクと期待感が高まりました。 | ||||
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利休 と言えば… 昔、映画で話題にもなって 観てはいますが、 これを読み進む毎、 固定されていたイメージは 綺麗に解除され 並べ直された感じです。 利休の家族がページから 飛び出して来そうに思ったのは 自分だけでしょうか。 知っているはずのキャラクターが 作者によってまた新しい生命を吹き込むことができるのだなぁと。 歴史小説って 面白いかもと発見した気になりました〜。 | ||||
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素晴らしい作品。 参ったなぁ、今のところ今年一番の作品かもしれない。 利休とその家族を描いたものも、今まであまり無かったから、そこの描写も興味深かった。 | ||||
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神秘的、謎多き千利休の全体像ついて真正面から挑んでいる大作。清濁合わせたまさに人間=千利休として描いている点は斬新。「天下人の茶」とは対極的に利休視点で家族、弟子、武将たちと交わる中で、利休の目指したものが見えてくる。乱世の中で静謐(=平和)を求めてその種をまいた男というのが読後の印象。個人的にはトリックスター的存在の紹庵が良かった。 | ||||
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類い希な歴史小説だ。まず、利休は茶の湯の精神を秀吉へ教えて秀吉の野望を砕こうとした。戦乱の世を茶の湯の精神でなくそうとしたのである。もちろん、そのような考えを史料から実証出来るものではない。『太閤記』が述べるのは利休が秀吉の逆鱗に触れ?自害に追い込まれたとするものだ。秀吉の野望は、朝鮮王朝を支配し、そこを拠点として明王朝をも支配しようと企んでいた。そこまでくると、狂気としか言いようがない。 そもそも秀吉は足軽の倅であり、無知・無学・無教養な戦国の一武将に過ぎない。しかし、権力を握る者は、貴族的趣味を求め、茶の湯を嗜もうとしたのであろう。秀吉にとって茶の湯は、ほんのくつろぎの一瞬に過ぎなかったであろう。利休の目的は著者の歴史的想像力の賜物である。しかし、これが素晴らしい。文体も読みやすい。二人の心理戦の描写が本書の白眉である。味読したい書物である。 お勧めの一冊だ。 | ||||
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信長に見出され、一介の商人だった千利休が栄光と挫折を経て、茶の湯と心の安寧による戦国の変革を進めた超大作前半は利休が一気にステージをあげていくスピード感あふれる展開。信長から秀吉に仕える相手が変わって後も、その才覚と感性を発揮するが、“黄金の茶室”でその優位性は音を立てて崩れていく。互いに利用し合う秀吉との関係は大きく変わり、利休は次第に追い込まれていく。その反面、茶の湯の役割を効能から本質的使命へとシフトしていくことで、利休の内面は次第に充実していく。この物語のキーワードとなる“静謐”という単語が、利休の願いとして前面に押し出され、みんなの心に刻まれる"利休形"を残して逝くラストは感涙もの。 | ||||
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