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飛越
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飛越の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.25pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全8件 1~8 1/1ページ
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ディック・フランシスの競馬シリーズ5作目にあたる、冒険小説風味の強い一冊。主人公は、公爵を継ぐことになっている青年だが、取り澄ました世界にうんざりして競走馬専門の輸送会社に厩務員頭として転職してしまう。そこで、競走馬の輸送にともなう不正な動きに感づいて……というお話。 悪党のボスと悪事の度合いは「中程度」といったところ。しかし、主人公にちょくちょく手を出してくる悪党の手下がかなり「腹立たしい」イヤな男で、クライマックス近くではこの男にかなりひどい目に遭わされる。 輸送会社への転職に口をきいてくれた友人の失踪から、中盤以降、物語は一気に動きはじめ、東西対立も視野に入ってくるようなダイナミックなものへと変化する。悪党の手下の無残な最後や、最終クライマックスの「ダイ・ハード2」のようなド派手な展開など、これはこれで読者に喜ばそうではある。競馬シリーズの中の変化球として楽しみたい一冊だ。 | ||||
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せっかくの名作なのに電子書籍版での誤植が多すぎる。そのたびに、誤植箇所をKindleを使って通知しながらの読書はちょっとばかり疲れた。こんないい作品なのに、自分の会社が出している本くらい、ちゃんと読んで欲しい。 | ||||
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舞台は障害レースじゃなくほとんどが馬匹運搬飛行機の中です。この作家は馬匹運搬に詳しいこと詳しいこと。飛行機の操縦・機械にもこれまた詳しい。なんと元パイロットだったと・・。あるときはパイロット、またあるときは競馬騎手、またあるときはと次もあるんじゃなかろうか。物語の展開はスローだが、シリーズここまでではこれが一番面白い。 | ||||
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かなり前にディック・フランシスの競馬ものを随分読んだが、今回、久しぶりにKindleで「飛越」を楽しみました。ディック・フランシスは素晴らしいストーリー・テラーだと再認識しました。本屋の棚にはあまり並ばなくなっているようですが、電子書籍で手軽に読めるのは本当に幸せです。あー面白かった。寝る前に読んだのですが、寝るのも忘れてしまい、翌日は寝不足で出社しました。ストーリーもいいけど、人物描写やセリフもなかなかいいですね。 ただ、電子書籍にする際、文字がおかしくなっている点が気になりました。例えば、「警察」が「敬言察」などとなっています。ぜひ直してください、出版社の方! | ||||
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本を友人に進呈してしまい、手元にありませんので、詳しいレビューが書けません。友人に進呈するほどに面白かったです。 | ||||
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ディック・フランシスの競馬小説も時の流れには勝てず、21世紀になってしまうと多少苔むした感は拭えない。ではあるけど、読み返して今なお面白い傑作が数作品あって、時代を超越している。競馬シリーズの最高傑作はどれかというと意見の相違はあるだろうけど、必ず上位に入る作品のひとつが『飛越』だ。ぼくはこれが最高傑作だと思っている。テーマは、実は男の成長である。主人公は社会不適合寸前の変わり者で、まわりに合わせるという処世術を身につけていない。どちらかというとバカにしている節もある。そういう彼は自分が実は孤独だということに気がついていなかった。勝手気ままに自分の生きたいように生きている。ある日、彼はなんと恋に落ちてしまう。タイトルの飛越は、障害レースのハードル越えのことではなく、隙間風が入るオンボロ輸送機を操縦して、ヨーロッパ深くからイギリスへ脱出するクライマックスを指している。愛と友情に目覚める青年の飛躍でもある。英国ミステリーらしいスパイ小説仕立てだ。 | ||||
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競馬シリーズの1966年の第5作。主人公は伯爵の若い一人息子で、父親が死んだら自動的に伯爵になる定め。彼は、自分が"伯爵"というレッテルのみで評価され、自分という人間そのものを見てもらえない事を極度に嫌がっている。だが、レッテルを貼られたくないという以外に、自分が本当に何をやりたいのかはまだわかっておらず、アマチュア騎手やパイロット、馬の空輸会社への就職と、さまざまな道を模索している。私には、主人公が逆の意味で"伯爵"のレッテルにこだわり、必要以上に肩ひじを張っているように思える。だが、自分の希望や能力とは関係なく、生まれながらに何らかの宿命が定められていたら、それを気にしないのは無理だろう。普通の庶民に生まれて良かった、とつくづく思う。主人公の人生の悩みが大半を占めるため、ミステリーとしての本筋はテンポが遅く、なかなか本題に入らない感がある。だが、サスペンスがじわじわと盛り上がる中後半の展開は、地味だが悪くない。 | ||||
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フランシスは競馬でも小説でも成功しているくらいだから器用だ、ということは重々承知していたが、何とまあギャビン・ライアルばりの航空小説ものまで書ける人だとは知らなかった。解説によると、何でも第二次大戦中は空軍パイロットだったとかで、この作品で主人公が競馬以上に飛行機の操縦に魅入られている部分、コックピットに座っての飛行の描写と、何とまあフランシスのもうひとつの冒険小説作家としての腕の冴えを、今回は存分に味わわされてしまったのだ。 本作も例によって半端な宙ぶらりんの人生に飽きが来ている若者が主人公。亡くなりかけている父から爵位を継ぐことに逆コンプレックスめいたものを感じ、母からは財産目当ての見合結婚をしつこく押し付けられ、職場やその他の普通の社会に!溶け込めないでいる生煮えの青春像。アマチュア騎手であり、アマチュア・パイロットであり、すべてにおいてアマチュアであることに未消化なものを抱き続ける灰色の日々。すべてがグレイなヘンリイ・グレイの物語。彼がいかにしてプロになるかの物語なのである。 そういったグレイが何かを求めた転職した先の馬匹輸送専門のエアカーゴ会社。そういう意味では物語は空間的にスケールアップし、アメリカやイタリアへと主人公は飛越を求める。ミラノで恋に落ち、そして罠に落ち、そして例によって主人公は地獄を見る。バイオレンスの権化ともいうべき少年ビリーの、反貴族感情がグレイらに爆発してゆく様子は目まぐるしく、希望がない。例によって読者は徹底してやきもき、苛々させられる。グレイの甘い判断の連続と、悪党どもの周到攻勢ぶりにはだれだって悲鳴をあげたくなるに違いない。 ラストは原題通り FLYING FINISH 。お待ちかねの小説的カタルシスがスリル満点に語られる。前半の伏線が効果的なぎりぎり最終のシーンは、思わず手に汗握る迫力で、これまで耐えていた忍苦のすべてがここに至って必ずや救われるはずである。 フランシスは冒険小説的ではないと思われる、そういう傾向の方に是非とも薦めたい一冊。 | ||||
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