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〔少女庭国〕
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〔少女庭国〕の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.89pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全38件 1~20 1/2ページ
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タイトルには「少女」とあり帯には「衝撃の百合SF建国史」。そして美少女の並ぶ表紙。しかし、そこからなにかを期待して読むのはまったくお勧めできない。 この本はいわば単なる思考実験の類。単なると言っても本書の価値や面白さを貶めるつもりではなく、ある程度はお勧めしたいと思うのだけれど、著者によるメッセージ性やサービス的展開という付加価値があるかというと、ほぼない、と言えるのではないか。そのような意味で「単なる思考実験」と表現したい。この実験における徹底した対称性・公平性、そしてそれが積み重ねられていくさまには、前向きな性質がなにがしか感じられ、人間って尊いなという気にもさせられなくもない。 「ただじぶんだけ喜ぶものを生んでは死滅するだけで世の中がよくなるなんてこんな愉快は他にはないよ」 というが、この地獄が人間世界と相似ならば、この真実も人間世界に成り立つと言えよう。 | ||||
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表紙絵とタイトルに惹かれて購入。表紙に女子が数名描かれておりますが本作は特定の人物やグループだけで話しが進行するわけではなく、それこそ無限に女子が登場するのであまりイメージに合ってないと感じました。タイトルから想像した百合的描写も無いです。 内容は、あらすじにもあるように非常に特殊な環境に置かれた中学3年生の女子たちが生きて(あるいは死んで)いくための人間模様を描いている、という作品ですが、とんでもない状況がどんどん進行していくので正直ストーリーについていけませんでした。物理的にあり得ない状況に置かれているのですが、楽しみだったそれらの謎解きも一切なし。そこは作者が描きたかったことではないのでしょうが、個人的にはガッカリでした。 また、設定上、ストーリーに定期的なリセットが入りますが、それで登場人物が刷新されたと思ったら、また以前の世代のグループの話しになったりと、いったいぜんたいどこまで進行したことになっているのか場面が想像できません。さらに作者の独特な文体(中学3年生が使う言葉とはとても思えないものが多々)あって、全体的に読みづらかったです。 結局、特殊な状況に置かれた少女たちがどんな結末を辿るのかをケースバイケースで延々と見せられるだけなので、ストーリーの発展性もなく、無意味に同じ話しが繰り返されているように感じてしまい、単に思考実験をやっているかのような無味乾燥な読後感しか残りませんでした(終盤でようやく町ができたところはよかったが、それも唐突にぶつ切りになってしまう)。もうちょっと登場人物に愛着が湧けば面白かったかもしれないのですが、そんなヒマも描写もありません。 こんなに何度も繰り返してまで作者が伝えたかったことは何だったのか。読了後、ネットで感想を漁ると本作を「傑作」と言っている方もたくさんいらっしゃったのですが、個人的には何が面白かったのか最後まで理解できないままでした。 | ||||
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グロテスクなのですよ。 とてもお薦め出来ませんがある意味究極の百合作品だと思います。 クローズドサークル作品お好きですか。 密室や閉鎖空間の作品がお好きならお薦めですが、この作品には解答がありません。 定義される公式はとても独創的です。 しかし推理小説でもミステリーでもホラー小説でもありません。SF作品とありますがナンセンスなので特定のジャンルには該当しない独創的な作品です。 深いメッセージがあるように思えればとても印象に残る作品だと思います。 とてもお薦めは出来ませんが百合作品としては究極の愛なのかもしれませんね。 原作者さんは『紗央里ちゃんの家』で日本ホラー大賞を受賞しています。 『紗央里ちゃんの家』は大昔に読んで本当に酷い残念な作品でなんでホラー大賞なの?!と読んだ事を後悔しましたがこの『少女庭国』は傑作たと思います。 レビューを読んで頂きありがとうございました。 | ||||
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試みは面白いが、逆に言うとそれ以外の文章力、人物描写、構成力、話の整合性(当然だが前提条件の試験内容や部屋の仕組み、黒幕はそういう不条理ものと受け入れてる、それ以外の部分)全部面白くなかった 不条理系の作品が結構すきで、色々読んだり見たりしてるのだが今作は不条理というより作品は稚拙な部分を「敢えてそうした、深読みしてくれ」の一言で黙らせようとしている感じがあった(被害妄想かもしれないが) これを絶賛してる人にはアプローチの新しさや試み以外で純粋に「どこが面白かったのか」を聞きたい | ||||
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あらすじを読んでも全く意味が分からず、 もしかしたらチョットえっちぃのかしら? と思って読んでみたけど全然エッチくなかった(笑) 読み始めてすぐに映画『キューブ』(1997年、カナダ)を思い出しました。 あと文章が読み難いですね。 作者の癖なのか、センスがないのか、そもそも下手なのか・・・・ ゆっくり読んだり、少し前に戻って読み直したりしてましたが、 50ページあたりで何か駄作臭がしてきたので以後は流し読みで読了しました。 考え方とか面白く感じる部分もあったりはするのですが、 どこまで行っても結論、結果の出ない堂々巡りの物語ですね。 そういう謎めいたストーリーや設定が魅力なのかもしれませんけれど。 作中少女が生存の為に少女を食料とする描写がありますので 苦手な人はご注意を | ||||
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まず、万人にとって本当にどうでもいい事柄ですが私がこの書を手に取った経緯について軽く説明します。ハヤカワ文庫が「百合SFフェア」の一環として本書を売り出した、その一点に尽きます、以上。 カテゴライズは言ったもの勝ちという事情はさて置くとして、本書は確かに「百合」ではありますね。 読み進めるにつれ、この断言に自信と懸念という相反するふたつの感情が付きまとうのはさて置いて。 とにかく、この作品が俗にいう奇書として位置づけられていることは確かでしょう。 作品の前提に置かれたルールがそのまま舞台設定に紐づいて置かれていること、それと後述しますがリズムの取れた構成・文体もあって、可読性(読みやすさ)自体は高いのですが……。 全体の四分の一を占め、口火を切った表題作の短編『少女庭国』が普通の小説の体裁を取ったかと思いきや、それに続くおそらくは本番の『少女庭国補遺』が実に曲者だったりします。 控えめに言ってしまえば悪趣味としか思えないシチュエーションが延々と続きます。 読者の食道にこみ上げるものが生まれないようにする配慮か、食糞、人肉食、それから殺人などに関しては詳細な描写は絞っており、どこか俯瞰したような淡々とした説明に徹するのが救いでしょうか。 結果、いつの間にか、自然とあるものとして飲み込ませることに成功しています。 ……なんでこんなことになってしまったかについて追々説明していきますね。 SFとは思考実験、ありえない「もしも(IF)」を置いてから思索を広げていくジャンルだと仮置きするのだとすれば、この作品はその条理(ルール)を知った上でどう動くかという点にこの上なく忠実です。 理不尽だと憤る以前に、不条理の極みな舞台設定に惑わされがちですが、設問としてはまともです。 ただし、最終的にこの異常な舞台設定がなんなのか? などの巨大な疑問に対しての答え合わせがされないことからわかる通り、そちらの着眼は切り捨てて楽しむ必要アリですね。 なお、本作で提示されるルールは卒業式を眼前に控えた女子中学三年生が扉だけある石造りの立方体の部屋に放り込まれ「扉の開けられた部屋の数より一つ少ない人数にせよ」なる指示を知るというものです。 なお、強制力は働きませんし、アナウンスの方法も張り紙ひとつと投げやり気味です。 ちなみに指示をクリアした場合、この舞台からは解放されるのだろうと察することはできます。 ただし、クリアした後の女子中学生の顛末はそれこそ頑なに描かれることはありません。 あまたいる読者にも登場人物にも、仮初であろうと解放感を与えてくれずに、「謎」に縛られたままで進んでほしいというメッセージなのかもしれませんね(実際、構成として埋伏の毒の如く効いてますし)。 そう考えれば、ここも本書が抱える意地悪、いいえ悪意のあらわれのひとつといえるのかもしれません。 それと本作、本邦では二十世紀の終焉を飾った小説のひとつ『バトル・ロワイアル』を端緒とするいわゆる「デス・ゲーム」というジャンルに属するのでしょうが、イマイチ釈然としない読者も多いはず。 私も言われて初めて気が付いた程度なのでその辺はあまり重視していません。 なぜかと言われたら、作中でも登場人物の考察で追認されるように、いわゆる黒幕に該当する何者かは最後までいるかいないのかすら判然としない点が挙げられるでしょう。 舞台だけ設定したら後は野となれ山となれといった、適当さ加減を感じます。 女子中学生という「パラメーター」を揃えた上での実験なのか、単なる愉快犯なのか。 これが現実なのか、夢なのか、データ上での出来事なのか、一切合切明らかにされない辺りからもこの小説が「結末」より「過程」に重きをなした作品であるかが、わかろうというものなのかもしれません。 それと、作中で導き出され、この作品世界を支配する最適解自体ははっきりしています。 「事態を把握したらすぐ扉を開けて目覚めたばかりの隣人を殺せ」とごくシンプルです。 けれど、四半分の一『少女庭国』は、読者への導入も兼ねてか、少し違ってくれます。 実感が湧かないこともあって「二分の一」から「十三分の一」へと分の悪い命の選択にを迫られてしまった女子中学生たちの、あっけらかんとして乾いた死の物語がはじまり、続き、そして終わってくれます。 視点人物たる「仁科羊歯子」のどこか追認的でとぼけていて、葛藤などをある程度端折ったことであえて生まれる味と物悲しさ、そして顔と名前が読み取れる描写密度を覚えておくべきだったなと思いました。 ただし! 残りすべて『少女庭国補遺』では上記の最適解を踏まえたうえで、名前だけがお出しされた女子中学生各人が数行~一ページの文章量で殺し殺される個別の事例数十ばかりほどポンポンとお出しされます。 テンポよくスタッカートのように、消費されていく彼女たちの姿にどことなく歪んだ心地よさを感じてしまった私もいましたが、そこに生まれるのはドラマというより単なる情報に近しい詩の楽しさなのかも。 かと思えば、一対一か一対一桁の命の選択に満足できなくなった発想の持ち主は、レガートのようにひと続きの物語を志向したりもします。ここで生まれるのは命の消費を越えた浪費で空費で乱費の無駄遣い。 「持ち込まれるのは女子中学生の身体、制服と付属する少々の所持品」 「女子中学生たちは同じ中学の三年を過ごしたという意味ではほぼ同一の経験を有する」 「ただし何千何万と集まろうと、互いに事前の面識はない」 「部屋はおそらくは無限に続き、女子中学生も生成?され続ける」 「部屋は破壊可能、ただし覚醒のトリガーは扉を開けることに限られる」 何十何百何千それ以上と集まって打開策を練ることにした集団の場合、ほかにもありますが以上のルールを彼女らは知ることになります。ルールを知れば破りたくなるのは世の常です。 ルールを把握したうえで悪用(?)したくなるのも人の心理というものですね。 そして往々にしてルールとはそれを熟知した上位者の味方だということも。 で、この世界のルールの都合上、供給される資源は女子中学生とその付属品に限られるため、食料供給の面から同じ人間を食べて社会を維持するという方向性に早々に走るのも、納得させられてしまいます。 先に申し上げた通りに描写としては絞られているものの、延々続くので段々嫌になってきます。 とは言え、部屋が無数に連なる以上は、たとえひとつの試みが潰えようとどこか別の地点で異なったトライ&エラーが発生します。 つまり、一集団としての連続性は途切れても別のポイントで上手くいった集団は継続して発展(?)し、歴史を紡ぐことに成功するということ。 読者はうまく行ったケースを順番に見せてもらえているだけなので筆者にダマされているだけだと後になって気づくんですが、それでも段々と進行していくこの構成に小気味よさを感じるのも確かです。 掘削による開拓と奴隷を採用した階級制度からなる集団を組織して、食人によって生命を維持し、女子中学生という共通認識と追憶を軸に独自の文化さえ成立させる――。架空の世界の歴史書そのものですね。 食人をはじめとして、目をつむるべきところは多くとも、感動すら覚えるのだから不思議なものです。 とは言え、我に返ると怖気が走る部分もあったりで複雑な読書体験が私の下にやって来るのも確かです。 人類史を追ったかのような文化や技術の体系の成立を思わせる、太字の挿入が入ることに関しても、記述法が編年体か紀伝体、どちらであるかなんて疑問が勝手に浮かび、勝手にわかる気がしなくなりました。 で、以上の通り説明したスタッカートめいた短文の集積とレガートめいた歴史書の長文が交互にやって来る構成で終始するのかなと思ったりもしました。 しかして、歴史が佳境に差し掛かると改行を放棄して長文をまくしたてたり、著者の本音めいた地の文や登場人物に代弁させたような会話文が混じったりとなんだか段々カオスになっていきます。 かと思いきや架空の女子中学生史を投げ出すことなんてなく、体裁は繕っている辺りは最悪にして最高。 そういったわけで物語は恐ろしいことに作品のタイトルをここに来て別の形で回収してしまいます。 具体的には唯一この世界に持ち込める有機物である女子中学生の堆積を経て「農耕」を成立させ、ギリギリの見せかけの平穏を保ったディストピアを社会形態として紹介するという形でやってくる。 そしてここまで、散々極限にして無茶なシチュエーションを構築したのは筆者自らの手だという当たり前の事実を確認した上で言わせていただきます。 パンドラの箱の数珠繋ぎでお膳立てしたのか、ディストピア体制に馴染める馴染めないで、反目する女子ふたりという構図を成立させたのか、あなた自身の手で綴ったのか、「矢部嵩」先生! 悪辣で邪悪なことこの上ないことに、「戦火の恋」ではありませんが、ちゃんと女子同士で、この舞台だからこそ描ける関係性を挿入し、やがて歴史の合間の物語と呼べる幕間へと昇華されているのですね。 間違いなく「百合」と呼べるソレであるために、なんだかクラクラとしてしまうようです。 ここまでレビューとしては状況の整理に終始して、人間ドラマについて説明が及ばなかった私としてはなおさらです。つまりはなんだか敗北感ってことで誰に向けるかはともかく素直に負けを認めておきます。 情景、心理を中心とした描写の濃淡と絞り込みを巧みに使い分けて、ここにまで至ったのかと考えると、繰り重ね巧みな構成をお持ちですね。ここに、私は本作に対して素直に感服の意を表しておきます。 そうやって、先に申し上げた通り設問と仮説だけよこした末に読者に最後にもたらす文については、ここに来て『少女庭国』そのものに回帰したかのような真摯に向き合った八ページが実に卑怯で最高でした。 ここまで使い捨ててきた「一対一」の関係性に、最後になって真摯に向き合うか、花の儚さに思いを馳せてくれるのか、と、罵倒と賞賛の両方が私の中には渦巻いています。 短長あわせて六十あまりに倍するとして、登場する女生徒女生徒に付けられた名前の珍名比率が高いのに、最後はただ人の名前でふたりを合わせるのだから、この辺も示唆的です。きっと気のせいですが。 それでは最後に総評も兼ねて。 途中で読書を放棄するのでなければ酷評と絶賛を行き来しながら評価を固めていく類の作品なので、確実に読者は選びますが「奇書」と知った上で読むとするなら相当に読みやすい方だと感じました。 結局は酷評に傾くか、罵りの言葉すら楽しむための糧にするか、それもまた人それぞれ。 一面の花畑を見てそれを草花が群がっていると感じるか、摘まれた花を見て名前を知るか。 けれども花畑を支える土くれに目を向ける人はいないのだなと思い、私はただただ物寂しくなりました。 国破れて山河ありというけれど、その山河が屍山血河でできたのなら、なにを慈しめばいいのでしょう。 | ||||
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SF、ミステリー、ラノベ、作者だと、筒井康隆、西尾維新、森博嗣などを好んで読む私ですが、とてもよかったです。 これは最大限楽しむなら、紙の方がいいかもしれません。 以下ネタバレあり。 舞台装置を用意してそこに無限の少女を放り込むという思考実験の小説ですが、良いですね。ずっと続けばいいのにと思える小説でした。 少女だけ、というのがいいですね。無駄に恋愛模様とかもないし、ありがちな陵辱も無い、当然繁殖も無い、ずっと見てられます。 グロいという見方もありますが、ドライに書かれてるので気づきませんでしたね。著者の筆力のおかげかと。 コミカライズ、アニメ化、映画化とか期待しますが、無理かなぁ・・・ | ||||
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いいタイトルだなと思った。庭は、誰かが鑑賞するために整備するもので、栄枯盛衰があり、弱肉強食があり、見ていて飽きないなあと。 | ||||
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結局投げっぱなしで終わり。なにこれ、としか言いようがない。 | ||||
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ハヤカワのSF百合小説特集で見つけたタイトル。紹介文がなんか愉快そうだったので購入。ところが、紹介の通り、確かに女子中学生が際限なく増えていきますが、それがドタバタなパニックには展開しません。百合っぽいシーンなんてのは、ほんのたまに一瞬かもしだされるだけ。淡々とした語り口で残酷な歴史が紡がれていく奇怪なファンタジーです。複雑にエピソードが関連しているので、作品構成の仕掛けを楽しめる人にはたまらなく面白いでしょう。単純に百合を期待すると外します。ラストはそれなりに百合っぽくなってますが。個人的にはけっこう楽しく読了しました。 | ||||
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余剰を排した文章で綴られるSF的な物語かと思えば、社会文明の進化論的な要素に話が広がっていく奇書 | ||||
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本書はいわゆる理不尽監禁デスゲームものである。 理不尽な閉鎖空間に閉じ込められ、理不尽なルールを課され、理不尽に少女達が死んでいく。 陳腐だと感じるのは最初の数ページだけで、あなたはすぐに異変に気付く。なんだこれは?と。 特筆すべきはそのスケール感で、すべての理不尽をひっくるめてなお巨大な理不尽さが多重に見えてくる。 少女達が理不尽に相対したときにどう行動しどう死んでいくのかを、時には情緒的に、時には数行で、時には社会学的な観点で描写され、これらはまるでシャッフルされたトランプのようにページをめくる先が予測できない。 そしてあなたが最後の数ページに至る頃には閉鎖空間への理解が深まる以上に、わずかな希望に見せかけた、より悪質で不愉快で不気味で究極的な理不尽へと突き当たる。 そのときの、ある種の爽快感は他では決して味わえない。(ジーリー・クロニクルがやや似ているだろうか?) さて、これ以上語ると何もかもネタバレになるし、考えれば「書式」そのものが本書の真骨頂なので、実のところ何一つ語れていないかも知れない。 ただし、書を嗜むこころをお持ちであれば必読、とだけは言っておく。 | ||||
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評価が高く、ネットでの考察でも好評だったので買ってみました。 面白く感じる部分もあるけど、ありえないことばかりであまりに現実離れして興味が続きませんでした。 | ||||
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普通に生きていたらおそらく手に取らないであろう表紙とタイトルでしたが、人からすすめられ読みました 非常に示唆的な世界観で、読み終わって暫くしても思い出すことが多いです 良い本というのはそういうものですね | ||||
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一気に読んでしまいました。 文字通り数え切れない先人たちの屍の上にやっと築かれた楽園と、殺し合うより虚しく窮屈な行き止まりが両立するのが非常に感慨深く素晴らしいと思います。 若干読みづらい言い回しもありましたが、テンポよく、無感情に登場人物が消費されていくので基本的には読み進めやすいです。時々クスッとしてしまうような女学生ならではの一幕もあり、理不尽で凄惨な状況のほどよいアクセントになっています。 そして切なくもしっとりと優しいエンディング。読後感も素晴らしかったです。ちょっと鬱屈した日常から離れてみたい方にお勧めする作品です。 | ||||
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グロテスクに次ぐグロテスク。 悪趣味な描写のオンパレード。 しかしそれは本作の魅力の一つではあっても本質の全てではありません。 倫理の箍が外れ、やがて不格好ながらも新たな秩序へと至る過程は、特異な密室が生み出す人類史。 登場人物への感情移入は極めて困難を極め(名前の読み方すら解らない子の方が多いです)、次第に読者の視点は観測者の位置に収まっていきます。。 延々と繰り返される思考実験はどんどんと加速していき、SFとしても魅力的。 頁をめくる指先には嫌な汗を掻いているのに止まらくなります。 はたしてこの果てなき悪夢の歴史の先にどのような未来を掴みとるのかと期待し、恐怖します。 なのに、最後はある種それまで紡がれてきた「物語」に対するアンチテーゼとも受け取れるような形で、驚くほど静かに幕を下ろします。 最も愚かな正解。それをどう受け止めるかによっても評価は分かれるでしょう。 文体及び内容含めて「作家性」が色濃く滲み出て……溢れ出ている作品です。 読者の体力、精神力をごっそり削られてしまう可能性大です。 けれど、だからこそ私はこのような文芸作品を評価したいと思います。 | ||||
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デスゲームのような展開は序章に過ぎず、食料のない世界で食人文化が花開いてしまうエグいストーリーでした。 悪趣味が本の形をしているような作品ですが結構楽しかったです。 | ||||
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まったく意味が分からない話がずっと続き、頭がおかしくなりそうだった どこに面白さがあるのかなんなのかまったく意味不明で、ただひたすら気持ち悪く、それでいてユーモラスで意味不明で意味不明な話が続き意味不明であった | ||||
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吐き気のするほど、超絶的な傑作。 お話はデスゲームのお約束を逆手にとった思考遊びで、驚くほどの奇想とは思いませんが、それをのめり込むほど面白い小説として形にできるところが信じられません。 そして読後の、美しい余韻……。 いまここにある、だけど誰もがすくいとれずにいる切実で繊細な感覚をつかまえているという点で、これはテン年代の日本を表象するド直球の文学作品だと思います。 つまりは私は、この奇抜な文体やグロさや、殺伐とするほど乾いたユーモアではなくて、その奥にちらちら燃えている矢部嵩の人間性が好きなんです。 | ||||
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話が思いもよらぬ方向へ膨れ上がってきて、先の展開が気になって2日も経たずに読み終えた。読む前と読了後とでは、全く印象が異なる小説。 メッセージ性が強く、考えさせられる上に 文章的な面でも癖が強く、読点が少なかったので読んだあとはドッと疲れを感じた。 | ||||
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