彼女は死んでも治らない
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書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点7.00pt |
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サイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
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著者初読み。 | ||||
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※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
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文体を絶賛、天才とか色々言われてるから気なってたけど、これただ単に舞城のパク、じゃなくて影響が強すぎるだけでは?ほぼ舞城さんと同じ文体です 。 内容はそこそこ面白い | ||||
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不思議系ミステリーなので細かいツッコミはいらない。表現にユーモアがある為、最後まで飽きずに読めました。くどいと思う方もいるかもしれませんが、中盤で不思議と慣れてくる。これぞめぐみ先生マジック。 キャラも一筋縄ではいかない奴らばかりで続編を考えているなら是非読みたい。 | ||||
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わたしはミステリ好きで古典的な作品を中心に読みふけった過去があって特に好きなのはディクスン・カーだったりするわけですが……なんだこの軽めで現実味がなくてまったくあり得ない設定から繰り出されるアクロバティックな離れ業は! この作者さんを読むのは初めてでしたが、例えば『七回死んだ男』『生ける屍の死』あたりが好きな人には是非オススメしたいです。 | ||||
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スニーカー文庫で活動してきた大澤めぐみが初めて他レーベルで書くという事で「さて作風が変化したりするのかな?」と興味を抱きつつ拝読。 物語の方は主人公の神野羊子が異常なぐらい顔が綺麗な幼馴染の蓮見沙紀が惨死体になってるのを発見する所から。空き教室に逆さ吊りにされておパンツ全開のまま首がちょん切られているという見るも無残な状態になった沙紀の死体を前に羊子はもう一人の幼馴染である昇とともに「殺されやすい体質」の沙紀が今回は誰に殺されてしまったのかを推理し始める…… 学園を舞台に、女子高生を主人公にした自称「コージーミステリー」な作品なのだけど、これどっちかと言えばミステリーの皮を被った「悪意論」みたいなものじゃなかろうかと。ミステリにしては真犯人が最初の幕間でそれとなく分かる様に仕立て上げられているわけで、作者としても「犯人探し」の部分は大して重視していないんじゃないかと察する次第。 これが初めての大澤めぐみ作品という方には面食らう方も多いかもしれないが、圧倒的に饒舌な女子高生の意識がそのまま垂れ流しにされている様な文体で本作は綴られている。そういう意味ではデビュー作である「おにぎりスタッバー」へと原点回帰した様な所があるのだが、今回の饒舌さは少々趣が違う。 誰しも経験があると思うけど後ろ暗い所のある人間がやたらとお喋りになる感じ。あの周りだけでなく自分自身も必死で騙そうとする必死さみたいなものが今回の「饒舌女子高生的文体」からは伝わってくる。要するに逃避の匂いに満ちた語り口調である。語り手であり主人公である羊子が必死で自分が向き合わねばならない「冷たい真実」から逃げ惑っている姿が文体に反映されていると言えよう。 文体以上に劇中で起きる事は「殺されやすい体質」の幼馴染で大好きな沙紀ちゃんが殺されているのを見付けても羊子が推理の末に「犯人」を名指しすれば名状しがたい真っ黒な何かが現れて羊子に「犯人」とされた人物を食べてしまい、その代わりに殺されたはずの沙紀が何事も無かったかのように蘇るという一定のパターンを繰り返している。起きている事自体もムチャクチャだけど、もっと無茶なのは羊子の推理の方でこれが見事に穴だらけで推理というより強弁に近く「私が犯人だと思うからお前が犯人なのだ」という屁理屈染みたやり取りの方である。 沙紀が復活する度に平和な日常が戻ってくるのだけど、消された人物が元からいなかった様に「現実が均される」という記憶の操作も含めて全ては羊子の「逃避」に収束していく様を見せ付けられると作者がこの出鱈目なミステリーもどきを通じて読者に何を見せ付けたいのかが薄っすらと分かってくる様な仕掛けになっている。 劇中には羊子と沙紀以外にも二人ほど女子高生が登場するのだが、彼女たちの役回りはこのミステリーもどきの空騒ぎで中心にいる羊子に対し「ツッコミ」を入れる立場にある。殺されやすい沙紀を「ただ居るだけで他人の劣等感を刺激してしまう所があるから」と評する羊子に対し、「それは羊子ちゃんが自分にそう言い聞かせているだけじゃないの?」と羊子の欺瞞性を指摘する様な返しを入れる様からもこの作品全体がただ只管羊子の「逃避劇」を描こうとしている事が伝わってくる。 目立っているから石を投げられて当たり前、という悪意を他人が抱いているのは認めても自分が抱いている事だけは絶対に認めたくないという意識のあり様みたいなものをミステリーの体裁を取って描こうとした作品、と言うのが正しいだろうか?たまたま自分が投げた石が相手を殺してしまったという結果を「みんな投げてたじゃないか」「私が最初に投げ始めた訳じゃないから」と必死で言い訳を探そうとする人間の虚しさを多弁すぎる女子高生の姿に見る作品だと言えるかも。 この自分の悪意と頑として向き合おうとしない女子高生の迎えた結末が単なる「イニシエーション」に着地してしまったのはどうかな、と思わされる部分もある。この自分の悪意に対する自己欺瞞を人間が簡単に卒業できるんだろうか、という疑問が付きまとってしまい「これでケリがついてしまって良いのかな?」と若干幕引きに安易な「救い」を入れてしまったという印象がぬぐい切れなかった。 自分自身の悪意という物に人間がどう向き合おうとするのか、あるいは向き合おうとしないのかを機関銃の様な女子高生トークの中にたっぷり盛り込んだ中々に苦味の効いた一冊。自分自身の汚くイヤな部分に向き合う事に快感を覚えるというちょっとマゾっぽい方にはお勧めできる一冊かと。 | ||||
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※以下の内容には【ネタバレ】が含まれる可能性があります 美少女のカバー絵とは裏腹に,宙吊り首なし死体の扉絵での始まりに軽く驚かされ, 物語の方もさもそれが当たり前のように進み,犯人捜しに動き出す流れに戸惑う序盤. ただ,それよりも主人公の語りとテンション,メタ的なノリに好き嫌いが分かれそうで, 少なくとも,「キャッキャウフフ」のコージーミステリとは全く違うので注意が必要です. また,何度殺されてもとある条件で生き返ったり,犯人を喰らう正体不明の存在など, オカルト色が強いのですが,よくわからないまま勢い任せで押し通す様子に置かれ気味. 一方でその正体や背景などは,おおよそですが早々に見えてしまう話運びが物足りません. 当然,このあたりは後半で明らかにされますが,それとて今さらといったものであり, 途中から出てきた寺生まれの弓道少女に,それっぽい道具やまじないを唱えさせてなど, 一応,主人公の罪と罰,再生もありますが,何もかもが取って付けたように感じられます. 最後も,これからも泣いて笑って毎日をと,ハッピエンド風の幕引きとなっていますが, 彼女の償いが果たされたとは思えず,与えた影響の回復も中途半端にしか語られないなど, 謝るべき相手はもっとほかに居るはずで,脳天気なエピローグには強い違和感を覚えました. なお,四月から七月まで,各話のタイトルに月名が冠されて(四月は~など)いましたが, オマージュなのか,『私立霧舎学園ミステリ白書シリーズ』を思い出された方も居るのでは? | ||||
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