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彼女は死んでも治らない
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彼女は死んでも治らないの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.10pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全10件 1~10 1/1ページ
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文体を絶賛、天才とか色々言われてるから気なってたけど、これただ単に舞城のパク、じゃなくて影響が強すぎるだけでは?ほぼ舞城さんと同じ文体です 。 内容はそこそこ面白い | ||||
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不思議系ミステリーなので細かいツッコミはいらない。表現にユーモアがある為、最後まで飽きずに読めました。くどいと思う方もいるかもしれませんが、中盤で不思議と慣れてくる。これぞめぐみ先生マジック。 キャラも一筋縄ではいかない奴らばかりで続編を考えているなら是非読みたい。 | ||||
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わたしはミステリ好きで古典的な作品を中心に読みふけった過去があって特に好きなのはディクスン・カーだったりするわけですが……なんだこの軽めで現実味がなくてまったくあり得ない設定から繰り出されるアクロバティックな離れ業は! この作者さんを読むのは初めてでしたが、例えば『七回死んだ男』『生ける屍の死』あたりが好きな人には是非オススメしたいです。 | ||||
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スニーカー文庫で活動してきた大澤めぐみが初めて他レーベルで書くという事で「さて作風が変化したりするのかな?」と興味を抱きつつ拝読。 物語の方は主人公の神野羊子が異常なぐらい顔が綺麗な幼馴染の蓮見沙紀が惨死体になってるのを発見する所から。空き教室に逆さ吊りにされておパンツ全開のまま首がちょん切られているという見るも無残な状態になった沙紀の死体を前に羊子はもう一人の幼馴染である昇とともに「殺されやすい体質」の沙紀が今回は誰に殺されてしまったのかを推理し始める…… 学園を舞台に、女子高生を主人公にした自称「コージーミステリー」な作品なのだけど、これどっちかと言えばミステリーの皮を被った「悪意論」みたいなものじゃなかろうかと。ミステリにしては真犯人が最初の幕間でそれとなく分かる様に仕立て上げられているわけで、作者としても「犯人探し」の部分は大して重視していないんじゃないかと察する次第。 これが初めての大澤めぐみ作品という方には面食らう方も多いかもしれないが、圧倒的に饒舌な女子高生の意識がそのまま垂れ流しにされている様な文体で本作は綴られている。そういう意味ではデビュー作である「おにぎりスタッバー」へと原点回帰した様な所があるのだが、今回の饒舌さは少々趣が違う。 誰しも経験があると思うけど後ろ暗い所のある人間がやたらとお喋りになる感じ。あの周りだけでなく自分自身も必死で騙そうとする必死さみたいなものが今回の「饒舌女子高生的文体」からは伝わってくる。要するに逃避の匂いに満ちた語り口調である。語り手であり主人公である羊子が必死で自分が向き合わねばならない「冷たい真実」から逃げ惑っている姿が文体に反映されていると言えよう。 文体以上に劇中で起きる事は「殺されやすい体質」の幼馴染で大好きな沙紀ちゃんが殺されているのを見付けても羊子が推理の末に「犯人」を名指しすれば名状しがたい真っ黒な何かが現れて羊子に「犯人」とされた人物を食べてしまい、その代わりに殺されたはずの沙紀が何事も無かったかのように蘇るという一定のパターンを繰り返している。起きている事自体もムチャクチャだけど、もっと無茶なのは羊子の推理の方でこれが見事に穴だらけで推理というより強弁に近く「私が犯人だと思うからお前が犯人なのだ」という屁理屈染みたやり取りの方である。 沙紀が復活する度に平和な日常が戻ってくるのだけど、消された人物が元からいなかった様に「現実が均される」という記憶の操作も含めて全ては羊子の「逃避」に収束していく様を見せ付けられると作者がこの出鱈目なミステリーもどきを通じて読者に何を見せ付けたいのかが薄っすらと分かってくる様な仕掛けになっている。 劇中には羊子と沙紀以外にも二人ほど女子高生が登場するのだが、彼女たちの役回りはこのミステリーもどきの空騒ぎで中心にいる羊子に対し「ツッコミ」を入れる立場にある。殺されやすい沙紀を「ただ居るだけで他人の劣等感を刺激してしまう所があるから」と評する羊子に対し、「それは羊子ちゃんが自分にそう言い聞かせているだけじゃないの?」と羊子の欺瞞性を指摘する様な返しを入れる様からもこの作品全体がただ只管羊子の「逃避劇」を描こうとしている事が伝わってくる。 目立っているから石を投げられて当たり前、という悪意を他人が抱いているのは認めても自分が抱いている事だけは絶対に認めたくないという意識のあり様みたいなものをミステリーの体裁を取って描こうとした作品、と言うのが正しいだろうか?たまたま自分が投げた石が相手を殺してしまったという結果を「みんな投げてたじゃないか」「私が最初に投げ始めた訳じゃないから」と必死で言い訳を探そうとする人間の虚しさを多弁すぎる女子高生の姿に見る作品だと言えるかも。 この自分の悪意と頑として向き合おうとしない女子高生の迎えた結末が単なる「イニシエーション」に着地してしまったのはどうかな、と思わされる部分もある。この自分の悪意に対する自己欺瞞を人間が簡単に卒業できるんだろうか、という疑問が付きまとってしまい「これでケリがついてしまって良いのかな?」と若干幕引きに安易な「救い」を入れてしまったという印象がぬぐい切れなかった。 自分自身の悪意という物に人間がどう向き合おうとするのか、あるいは向き合おうとしないのかを機関銃の様な女子高生トークの中にたっぷり盛り込んだ中々に苦味の効いた一冊。自分自身の汚くイヤな部分に向き合う事に快感を覚えるというちょっとマゾっぽい方にはお勧めできる一冊かと。 | ||||
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※以下の内容には【ネタバレ】が含まれる可能性があります 美少女のカバー絵とは裏腹に,宙吊り首なし死体の扉絵での始まりに軽く驚かされ, 物語の方もさもそれが当たり前のように進み,犯人捜しに動き出す流れに戸惑う序盤. ただ,それよりも主人公の語りとテンション,メタ的なノリに好き嫌いが分かれそうで, 少なくとも,「キャッキャウフフ」のコージーミステリとは全く違うので注意が必要です. また,何度殺されてもとある条件で生き返ったり,犯人を喰らう正体不明の存在など, オカルト色が強いのですが,よくわからないまま勢い任せで押し通す様子に置かれ気味. 一方でその正体や背景などは,おおよそですが早々に見えてしまう話運びが物足りません. 当然,このあたりは後半で明らかにされますが,それとて今さらといったものであり, 途中から出てきた寺生まれの弓道少女に,それっぽい道具やまじないを唱えさせてなど, 一応,主人公の罪と罰,再生もありますが,何もかもが取って付けたように感じられます. 最後も,これからも泣いて笑って毎日をと,ハッピエンド風の幕引きとなっていますが, 彼女の償いが果たされたとは思えず,与えた影響の回復も中途半端にしか語られないなど, 謝るべき相手はもっとほかに居るはずで,脳天気なエピローグには強い違和感を覚えました. なお,四月から七月まで,各話のタイトルに月名が冠されて(四月は~など)いましたが, オマージュなのか,『私立霧舎学園ミステリ白書シリーズ』を思い出された方も居るのでは? | ||||
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『殺されても犯人を当てると生き返る女の子を生き返らせるべく主人公が推理をする』というとんでもないアイディアが魅力的だし、軽妙すぎる語り口で繰り広げられる推理や掛け合いも面白いのですが、根本的なところ、つまりこの女の子に起きている奇跡の真相が明かされ、物語が収束へ向かうあたりからは乗れず。 世界観もテーマ性もキャラクター造形も大澤めぐみの作家性がバリバリに発揮された作品で、なのでファンには最高なんだと思いますが、私はこの作者が奇才だとは思うもののそんなに好きではありません。 自分の感覚を異常なほど言語化できてしまうキャラクターへの違和感とか、そこで言語化されている考え方が倫理的にまっとうだからこその説教臭さとか。私の苦手な部分はこの作品でも前面に出ているので。 今回は発想がピカイチだったと思う分、良識的だけどおどろきもそこまでというところに落ち着くよりはめちゃくちゃな事態をガンガン拡大していってもっと破滅的な事態を迎えさせてもらったほうが良かったです。主人公が罪を償うとか真実がどうとかは正直別にどうでもいいや。 | ||||
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「殺され体質の親友を蘇らせるために犯人を探し続けるヒロイン」の物語。 特殊設定でありながら、ぐいぐい読ませるスピーディな文章に浸るうち、 いつしか登場人物たちと同じ世界に馴染んだ自分に気づく。 作中にまぶされた要素は、 ミステリーに始まり、青春、ライトノベルや百合などなど縦横無尽。 幾重のレイヤーの奥にあるのは、 誰しもが多感な時期に、一度は覚えた感情だったり、 目の当たりにした光景ではないかと思う。 そして、饒舌な言葉のふとした瞬間に忍ばせる、 シニカルでありながら核心をつく言葉が思いがけず胸に残る。 とにかくおもしろかった。 この作家の他の作品も読もう。 | ||||
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とりあえず現段階では、作者の集大成とも言うべき作品で、代表作に推すに足ると思う。 ミステリーとしての構成は複雑で重層的で、なんていうか今時のミステリって大変なんだなとは思いました。 | ||||
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超絶美少女と、その子のことが好きすぎる女主人公、なんでもズバズバ言ってくる飄々とした女の子。 まさに作者の得意とするキャラ設定であり、彼女たちの会話は女子高生のきらめきを感じさせるだけでなく、 ウィットに富み、ユーモラスで、しかしやや説教くさい。 この辺りは過去作が好きな人には十分作者らしさを感じられることだろう。 さらに今作はミステリ調であり、しかも「殺された美少女を生き返らせるために犯人を探し当てる(しかも何度も)」というのだから面白い。 シュールで超自然的な設定をベースにして、なんともゆる〜い雰囲気のもと「殺人事件の推理」が行われる。 本来シリアスになるシーンだが、解決できれば「被害者が生き返る」のだから、ゆる〜い雰囲気が許されるのである。 これは読んでいて心地よいギャップを覚えた。 もっとも、終盤に近づくにつれてシリアスさが増し、一連の事象の原因が明らかになるのだが、 これはやけに厳しい現実が突きつけられたな、というのが個人的な感想だった。 どうやって物語にケリをつけるのかとハラハラしていたが、 あれよあれよという間にエピローグを迎え、終盤は消化不良になってしまった。 「罪は償わなければならない」や「起きてしまった事実は変えられない」という絶対的な物事に対し、 この作品は何らかのメッセージを織り込んでいるはずなのだが、 果たしてそのまとめ方で話を終わらせて良いのか? という疑問が残った。 詳細は伏せるが、「償い」とは超自然的なもので解決できるほどたやすいものではない、というのが個人的な考えである。 まとめると、作者の過去作を一つに合わせて昇華したような作品だった。 前作が好みではなかったので不安だったが、今作は素直に楽しめることができホッとした。 出版社が変わり、何かと事情があるのかもしれないが、次作にも期待したい作家である。 だから買ってね。 | ||||
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青春ミステリは数あれど、ここまでぶっ飛んだ設定のものはなかなかないのではないだろうか。 なにしろ主人公は「いつも殺されがち」な親友・蓮見紗紀の命を救うために推理をするのだから。 脇を固めるキャラもこの作者らしく超個性的な人物が多く、『おにぎりスタッバー』以来のファンも楽しめるだろう。 なぜ紗紀が「殺されがち」なのかも最後まで読めばすっきり納得。変化球ではあるものの、読み味は確かに青春ミステリだった。 | ||||
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