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空想クラブ
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空想クラブの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.50pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全2件 1~2 1/1ページ
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本書を一言で言うとすれば、千里眼の目を持つ少年駿と空想クラブの青春グラフィティというところで しょうか。千里眼の目をSF的用語を用いて「空想次元の扉をあける力」と説明していますが、ガチガチの ハードSFではなくファンタジーに近く、あくまでも脇役扱いです。 メインは川で亡くなった親友真夜(まや)の死因を究明して行くミステリーで、同時に空想クラブメン バーの青春グラフィティでもあります。隼人、涼子、圭一郎そしてとくに主人公「ぼく」の真夜に対する 想いが何とも言えず切ない。親友以上恋人未満(どこかで聞いたことのあるベタなフレーズ)の心が見え 隠れする場面は、遠い青春時代を想起させます。 そしてラスト16ページ。物語はクライマックスへと。主な登場人物が中学2年生であることを考えると、 納得の行く「奇跡」ではなかったでしょうか。 | ||||
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逸木裕『空想クラブ』(KADOKAWA、2020年)は不思議な力を持った中学生を主人公とした小説。中学生の吉見駿は祖父から受け継いだ「能力」によって、見たい風景を「見る」ことができる。荒川が流れる埼玉県笹倉市という架空の都市が舞台である。マンション建設が進み、光害が生じるようになっている。笹倉市の辺りで一番の都会が大宮という(181頁)。 小学生の時の親友・真夜が荒川で溺れて亡くなった。葬儀の帰り道に駿は河川敷で幽霊となった真夜に再会する。駿だけが真夜を見たり、会話したりできる。仲間と共に真夜の死の真相を探ると、凶暴なヤンキーの存在が見え隠れしてきた。 少し超自然的要素のあるジュブナイル小説というイメージを抱いていたが、半グレ・ヤンキーの話は重たい。半グレ・ヤンキーの生態は理解を絶する。普通の人々が半グレ・ヤンキーに巻き込まれ、簡単に不幸になる実態に戦慄を覚える。 私は90年代に少年時代を送った。80年代のヤンキー文化が廃れ、逆にヤンキーが恥ずかしい風俗になっていった時代を過ごした。これが現代の中学生の日常感覚となると半グレ・ヤンキーへの嫌悪と排除の意識は相当なものだろう。 結末はジュブナイル小説らしい爽やかなものになっているが、それも半グレ・ヤンキーが出てこないで消えたためである。半グレ・ヤンキーは消えることでしか物語に貢献できないと言えるだろう。 それにしても幽霊として話ができるならば、親には教えてあげた方が良いように思える。物語の中で吉見駿は父親と深い話をしている。このような親子の情は真夜と両親の間にもあるだろう。 また、警察は事故死で片付けたが、真相は報道されるべきだろう。物語の舞台を架空の都市にしながら、都道府県は実在の埼玉県にした。埼玉県では埼玉県警の不祥事の桶川ストーカー事件が起きた。それを考えると埼玉県としたことに意味を感じる。 | ||||
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