■スポンサードリンク
網内人
新規レビューを書く⇒みなさんの感想をお待ちしております!!
網内人の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.77pt |
■スポンサードリンク
Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全13件 1~13 1/1ページ
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
久しぶりに面白い本に出会いました。なるほどーという展開でした。テーマは現代ならではですが、キャラクターやプロットは、なんだか懐かしい感じのミステリー。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
著者の作品は初めてでしたが本当にすばらしかった! 2段組のためなのか、文章の量が多く感じられ疲れる時もあったけど、 中盤の後半から、後半、そしてラストまでは面白くてスラスラ読めた。 シリーズ作品になるということなので2作目が楽しみ。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
物語はとても面白かったです。 ただ、最近の流れなのかもしれませんが、中華圏の人名をカタカナにすることに違和感を抱いてしまいます。 しかも同じ人物の名前が、場面によっては現地音カタカナ表記だったり、日本語音読みだったり、漢字表記のみだったりするのがどうしても気になります。 「アニエ」は「阿涅」でしょうが、日本語版では常にカタカナ表記で「アニエ」となっています。それがいきなり「涅(ね)さん」と呼ばれる場面があったりします。日本の読者は混乱するのではないでしょうか。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
私もアニエになりたい | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
陳浩基、好きな作家です。過去の作品はいずれも読みまして中国圏の作家さんに興味を持つきっかけにもなりました。この「網内人」も翻訳を楽しみにしておりまして読んだ感想としては、期待を裏切らない巧さ。シリーズ化ということらしいので次作もぜひ読んでみたい。物語の概要はネットやテクノロジーを駆使した探偵(ハッカー)と、妹の自殺の要因・犯人を調査したい姉の話だが、終盤にいくまでは、今までの氏の作品と比較すると単純すぎるというか、普通過ぎると思っていましたが・・・。2015年頃の香港、東野圭吾、カルロス・ルイス・サフォン、湊かなえなど日本、海外の人気の名前も登場し、香港でも人気なのね・・なんて思ったり。何はともあれ最高に面白かった。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
『13・67』を読んでとても面白かったので、次に『世界を売った男』を読んでさらに引き込まれ、本作を読んでさらにハマりました。これはシリーズものになるとのことなので次作が待ち遠しいです! | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
匿名性という鎧をまとうターゲットの正体を凄腕ハッカーが突き止め、追い込んでいく。ネットの専門用語が次々に出てくるが、探偵のアニエが依頼人のアイに説明する形で解説がなされているので、わかりやすく読むことができる。 表面上、本書はハッカーによる謎解きだが、真のポイントは「人間」にある。謎解きが終わり、後半の「復讐戦」では人間の固定観念、自己中心性、相手への思いやりといったことがクローズアップされる。アニエとアイ二人の対比は当然面白いが、コンピュータが持つ無機質性と人間が持つ感情との対比も興味深い。事件の終盤ではアイの感情が決め手になって話が動いていくことで、本書が単なるミステリを超えたものになっていると感じた。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
香港製中華ミステリの新作だ。「13・67」の作者である。 中学生の妹がネットの中傷に耐え切れず、自殺した。 天涯孤独となったアイは、裏社会に通じるアニエという男に依頼して復讐を目論む。 ネットに潜む悪意を炙り出し、標的を絞る過程は新鮮で緊迫感がある。 現代の怪盗としてのホワイトハッカーを主人公にした狙いはわかる。 が、残念ながらパソコンや携帯自体にはあまり興味がないので、驚きが伝わりにくいのだ。 「AをBすれば、結果がCになるんだ」と説明されても、「ああ、そうですか」としか言えない。 とは言えハッキング技術論は三割くらいで、残りは心理戦だ。どうやって馬脚を露出させるか、いかにしてダメージを与えるか。騙しの話術と最新テクノロジーを合わせた攻撃ぶりは鮮やかで、まさに現代の電脳系ヒーローだ。特に最後の場面が気持ちいい。 面白いけど、二段組み540ページは長すぎる。シリーズ化を考えているそうだが、パソコンで敵を追い詰める主人公に、今一つ魅力を感じない。第二作か出ても読むかどうか迷う。それより普通の探偵小説を読ませてほしい。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
かなり悲しいお話でしたが,読後感は良かったです.翻訳が良いのか一気に読めました. | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
中学生の妹を自殺に追いやったのは誰なのか?ネットを介して巧妙に名前を隠し執拗に追い込む手口から犯人にたどり着いて、復讐を遂げられるのか?、という基本的な構造なのだが「虐め」「IT」「世相」「格差」「学歴社会」「拝金主義」「香港」など盛りだくさんのテーマが見え隠れしており、たんなるミステリーの枠を超越した読み応え。 比較的早い段階で犯人は特定されるので、はたして姉は復讐を決意する、いやできるのか?からさらに二重、三重の伏線が引かれており見事にそして心地よく騙された。 「インターネット」の本質をまったく知らずに漫然と使い続けている身としてはそのあまりの危険性に震える思いだし、著者があとがきで述べている通り「ホームズとワトソン」の名コンビの活躍はシリーズ化の予告だろうし、義賊としてのふるまいはまさに「怪盗ルパン」。 重版の際に変換ミスを修正ください。P・407上段「おもわず『向き』になっていった。」、P・456「他人の『癖』に、」です。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
「13・67」で香港の過去を舞台に見事な傑作ミステリーを世に送り出した陳浩基。 本作で彼が舞台に選んだのは、現在の香港だ。 拡がり続ける貧富の格差やインターネット犯罪、メディアの在り方、それらに巻き込まれ声を上げる事の出来ない未成年の心情等、現在の社会問題を重層的に描いていた。 本作で描かれている社会問題は決して香港だけの問題ではなく、日本を含めた今現在の先進国全てが抱えるものである。 そして本作では現在の社会問題のみならず、そこから「正義」や「復讐」等の哲学的かつ根本的な領域にまで踏み込んでいた。 特に「復讐」と「憎しみの連鎖」が本作の根幹となっており、非常に考えさせられる作品となっていた。 ここまで読むと本作が社会派の堅苦しい作品だと思われるかもしれないが、そんなことはない。 あくまでも本作はミステリー小説であり、そしてミステリーとしての完成度の高さは「13・67」のそれと勝るとも劣らない。 自殺した妹の死の真相を探る主人公アイと探偵のアニエのキャラクター造形も見事で、すんなりと小説の世界にのめり込む事ができる。 そして何より、著者の十八番でもある伏線回収と構成力の上手さは本作でも健在だ。 特に、アイとアニエの物語と並行して語られるもう一つの物語の真相が明かされた瞬間の驚きは、今年のミステリー作品の中でも1、2を争うぐらい衝撃があった。 また、本作はシリーズ化が予定されているようでもう既に二作目が読みたくてたまらない。 「世界を売った男」、「13・67」と傑作ミステリーを世に送り出し続けている著者は、個人的に今最も注目している作家の一人である。 陳浩基の作品は、ミステリーが好きには胸を張ってオススメできる。 彼の作品を読んだことがある方はもちろんのこと、まだ彼の作品を読んだことのない方にも本作を是非手に取っていただきたい。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
謳い文句そのままに、SNSやスマホの利用による個人情報の漏洩やネットいじめ、貧富の格差に起因する援助交際などなど等身大の香港社会の現在を背景に、ネットの闇によって生じた犯禍と復讐劇の顛末を描いたパズラー。最後のオチはいささか予想通りというよりも”期待通り”、そう来なくてはという結末で、作者が連作として構想したというのも頷ける。クールでドライな闇の仕事人の誕生といったところか。とはいえ、訳者後書きにもあるように、わずか数年前の香港を舞台とした本作が、2020年以後の香港情勢と比べるとすでに郷愁の対象となろうかという現実には愕然とせざるを得ない。これからの香港社会で、こうした仕事人の活躍するストーリーが果たして描けるのであろうか‥ | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
2020/8月に読んだ「アンダー・ドックス」(長浦京)の時にも感じましたが、スリラーにとって<都市>のストリートを理解することもまた重要なのでしょう。今回の舞台は、<香港>。煌びやかな都市の中の日常という現実、特にティーンネイジャーの<現在>をよく見せてくれる「網内人」(陳浩基 文藝春秋)を読み終えました。また、今やWebの闇を語ることなくして、この世界の「罪」を語ることはできません。 2019/2月に読んだ「あの子はもういない」(イ・ドゥオン)に描かれた韓国におけるネット社会の闇とそこに蠢く得体の知れない「力」の存在のことなども頭を過ぎりましたが、「網内人」は傑作短編「見えないX」の作者によるパズラーですから、期待はパズラーとしてどうなのかに焦点は絞られます。 アパートの22階から飛び降り自殺した女子中学生シウマンは、何故死を選択したのか?シウマンの姉・アイは、変わり者だが凄腕ハッカーでもある探偵・アニエを説得しその捜査を依頼することになります。シウマンは、通学電車の中で痴漢事件に巻き込まれ、犯人と目された男の甥からSNS上で攻撃を受けていたことが判明しますが、アニエの調査が進むにつれ次々と意外な事実が積み上げられていきます。誰がネット上での誹謗中傷によりシウマンを死に追いやったのか?死を選ぶまでのシウマン、アイとアニエによるイリーガルな調査、<香港>のIT社会を生き抜こうとする或る技術者の視点からこの物語は描かれていきますが、「フェアネス」を追求してやまない作者のパズラーですから、筋書きを追うことはやめにしたいと思います。 この物語には、大きなアーキテクチャを持つ二つのストーリーが組み込まれており、それらを形成するピースが負荷分散されながら有機的に結びついていて、特に「学校」内を描く前半のストーリーには唸りました。「見えないX」同様、散りばめられたパズルのピースを次々と回収していく作者の「フェアネス」を堪能できたと言っていいでしょう。 もう一つのストーリーについても語り過ぎてはいけないとは思いますが、佐木隆三の著名な作品のタイトルのようなテーマの下、アイとアニエによるシウマンを死に追いやった側への攻撃がボディ・ブローのようにその効果を上げていきます。<香港>の物語でありながら、違和感なく読み進めていける理由は、背景にある「悪しき心」の連鎖によって壊れていく心の在り様は、この世界のどこに生きていても変わらないことに気付かされることにあるのでしょう。 そして、「フェアネス」に拘る私は、この物語をこれ以上語り過ぎないように努めたいと思います。 トマス・ピンチョンの「LAヴァイス」、ディーヴァー、日本の作家(湊かなえ、東野圭吾)の著作なども引き合いに出されていて、何故か嬉しかったり、「アンナ・カレーニナ」もまたこの小説の通奏低音のように静かに鳴り響いています。 | ||||
| ||||
|
■スポンサードリンク
|
|
新規レビューを書く⇒みなさんの感想をお待ちしております!!