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同姓同名



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【この小説が収録されている参考書籍】
同姓同名
同姓同名 (幻冬舎文庫)

同姓同名の評価: 3.41/5点 レビュー 27件。 Bランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点3.41pt


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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全27件 21~27 2/2ページ
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No.7:
(4pt)

「同姓同名」の人間だらけという前代未聞の環境の中、&lt;Identity>の曖昧性・状況に流されずに"個"を確立する事の重要性・ネット上の誹謗中傷への批判・"少年法"の壁の問題を織り込んだ秀作

題名から察せられる通り、全国各地に子供から大人までの"大山正紀"という「同姓同名」の人間が充満している世界を描いた作品。物語の発端は事件当時16歳の少年の大山正紀("少年法"に依って釈放された際も記事で元少年と記される)が、事件当時6歳の"愛美ちゃん"に対して猟奇殺人を犯した事である。これに依って、全国に住む様々な大山正紀が、元少年の大山正紀と「同姓同名」という事由だけで艱難辛苦を味わう姿が子細に描かれる。同時にSNS(上の誹謗中傷)の問題をも扱っている。即ち、"少年法"の問題を含む「"愛美ちゃん"殺害事件」とネット問題とを並列に語っている様に映る.

事件から7年後、元少年の大山正紀は釈放されるが、"愛美ちゃん"の父親(こちらは津田と明記される)に刺されてしまい(命に別状はない)、ネットは誹謗中傷で炎上する。犯人以外の大山正紀が常に被害者となる不条理。転機はある社会人の大山正紀が「"大山正紀"同姓同名被害者の会」サイトを立ち上げた事。ある大学生の大山正紀がこのサイトに共鳴し、「オフ会」に参加する。ここでは名前は意味を持たないので、「名前(&lt;Identity>と置き換えても良い)の曖昧性」が強調されると共に、全員が犠牲者である点で一致する。その一方で、釈放後、留置場に逆戻りした元少年の大山正紀が獄中で「俺は犯していない」とほくそ笑む(!)という衝撃。そして、2回目の「オフ会」には記者が紛れ込んでいて、元少年の大山正紀の顔写真を公にする決意を表明するが、「オフ会」内でも賛否両論に別れ、投票の結果、記者の主張が通る。その2回目の「オフ会」の終了後、大山正紀の1人が標的の大山正紀を追跡・殴打し、「復讐を達成した」と漏らす。推測するに、元少年の大山正紀は冤罪だったという事だろう。大山正紀が襲われた事で、大山正紀"狩り"が横行したため、「オフ会」のメンバーは本物(とは何か?)の大山正紀の正体を追求する.....。

紙幅の関係で割愛した上述の艱難辛苦の詳細エピソードが伏線として良く利いている。「同姓同名」の人間だらけという前代未聞の環境の中、&lt;Identity>の曖昧性・状況に流されずに"個"を確立する事の重要性・ネット上の誹謗中傷への批判・"少年法"の壁の問題を織り込んだ秀作だと思った。
同姓同名Amazon書評・レビュー:同姓同名より
4344036786
No.6:
(5pt)

読みやすく楽しい

娘の学校での朝読書の時間に楽しく読めたようです
同姓同名Amazon書評・レビュー:同姓同名より
4344036786
No.5:
(3pt)

面白くない訳ではないけれど

テクニックであり、そこがポイントだとは分かってるが、
「今は、どの大山正紀の話?」
が、途中で面倒臭くなったのも否めない
面倒臭くなると共に、全員同姓同名の「会」を作ったら、「大さん」「山さん」「正さん」「紀さん」的に「呼び名」を作らないと不自然だ。と、会話文が出てくる度に不自然さが段々大きくなって、そっちに気を取られてしまった感じ
「漢字が違う」のに、「私も同姓同名だったんです」の記者を許容してちゃダメだろう。音が同じで間が悪い事があっても、記名なら字面が違うのが明らかになる。…程度のステージの人に「私も同じ」と言われたら「そりゃ随分遠いこって」としか思わないが。そんでもって、世論が真っ二つに割れるような問題提起をしたら「それは気の毒だ」と共に「大山正紀には関わるな」のイメージ方が強化される気がする
…オチは割とどうでも良かった
2/3位のページ数で良かったんじゃないかなあ。冗長過ぎてダレた気がしないでもない
このご時世だから「コロナ」を入れ込みたいのは分かるが、ネット世界での攻撃性は「昔も今も、程度は同じ」だと思う。総数が増えただけじゃ?みたいな
決して面白く無かった訳ではないんだが、根気を試されてる感じの読み方になってしまった
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4344036786
No.4:
(1pt)

帯は詐欺

大半がロリコン殺人鬼と同姓同名で悩む人の話で、大山正紀同士で起きる事件の話じゃなかった。
それと、文章からアニメ・漫画・ゲーム好きへの筆者の偏見と軽蔑を感じ取った。
アニメ好きは皆現実の女性とコミュニケーションが取れなくてロリコンで犯罪者予備軍と思ってる感じ。
二次元好きが奇異な目で見られてたのは一昔前の話。アニメ好きだけど現実との区別がついてて恋人もいる人だってたくさんいるのに、価値観が古すぎる。
純粋ミステリーを楽しみたかったのに、作品内の事件の凄惨さも含めて読んでて不愉快になる内容だったので星1。
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No.3:
(3pt)

まぁ現実的に、ほぼ有り得ないお話です。

登場人物が全て同じ名前なので混乱を免れない設定ではあるが、何とか最後まで読み進める事が出来ました。たまに会話の主語が不明瞭で誰が喋っているのか不明瞭ではありましたが(特に後半)まずまず許容レベル。
最初のうちは「次はどうなる?!」とハラハラドキドキでまさにページを捲る手が止まりませんでしたが、被害者の会の人達の傍若無人な行動(住居不法侵入など)の辺りから少し興醒めといいますか、、。
ミスリードを詰め込みたいのはわかりますが性別のアレは蛇足だと思います。
サッカー男子を最初にあそこまで細かく描いたのだからもう少しキーパーソンにして欲しかったし、ただ悪態ついて消えただけの細目の彼が随所随所に出てきたのも割とストレス。
読ませる小説であった事は事実なので☆は3つかな。
同姓同名Amazon書評・レビュー:同姓同名より
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No.2:
(3pt)

伏線回収や展開はさすがなんだけど

同姓同名の残忍な殺人犯と同じ名前のために、人生が暗転する人々が被害者の会を結成。
正義感からの冤罪や、ネット社会の匿名性の危険など、現代社会ならではの側面を抑えながらの展開は読ませるし、前半からちりばめられた伏線回収も丁寧でさすがの筆力。
ミステリーとしての後半部分の展開も楽しめるのだが、前半から生じるそもそも同姓同名だけでこんな不幸になるのは違うのでは…という違和感が払拭されない。
結果としていつものリアリティが感じられず、モヤモヤした終わり方。
同姓同名Amazon書評・レビュー:同姓同名より
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No.1:
(3pt)

”ワン・アイディア”とプロフェッショナル・ワーク

「コープス・ハント」(2020/2月)、「法の雨」(2020/4月)に続き今年3作目の下村敦史の長編「同姓同名」(幻冬舎)を読み終えました。帯の惹句どおり「大山正紀が殺された。犯人はーー大山正紀」、以上のストーリーを書いてしまうと”ワン・アイディア”を活かして物語を構築した作者に対してフェアネスが保てないという思いから、そのストーリーの詳細については可能な限り触れずに済ませたいと思います。
 作者は、毎回、そのスコープ、手口を変えて、「現代」を活写しながらミステリ作家として常にチャレンジし続けていますので、ついつい読んでしまうことになります。
 今回は、タイトルどおり「同姓同名」者だけによるスリラーという<制約>を課しながら、悪意の蔓延るインターネット社会、ハンドル・ネームの陰に隠れ、アノニマスを装うことによって生じるSNSの無責任さを探求しつつ、(特に前半において)この国に引き起こされる「憎悪」について多方面からライトアップして読ませます。悪しき「同姓同名」であることによりアイデンティティを喪失し、居場所を失くした人間たちによって作られた一つの「共同体」は、依存性者たちの自助会の有り様にも似て、その<希望>へと辿る道筋のように組み立てられたストーリーはとても好ましいものでした。
 スリラーとしても前半のいくつかの<伏線>をすべからく回収して、そのプロフェッショナル・ワークを楽しむことができましたが、ストーリー展開が平板で、盛り上がりに欠ける印象が残ったことも書き留めておきたいと思います。
同姓同名Amazon書評・レビュー:同姓同名より
4344036786

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