■スポンサードリンク


グッド・ドーター



新規レビューを書く⇒みなさんの感想をお待ちしております!!

グッド・ドーターの評価: 4.08/5点 レビュー 12件。 Bランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点4.08pt


■スポンサードリンク


Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全10件 1~10 1/1ページ
No.10:
(5pt)

読んでいて痛みを感じる

こんなに心をエグる残虐なことを次から次へと繰り出してくる著者は初めて(笑)
あんまりな事がひっきりなしに起きるから読む手がゆっくりになってなかなか読み進むのが難しかったが、早く下巻を読みたくて仕方ない。
おすすめです。
グッド・ドーター 上 (ハーパーBOOKS)Amazon書評・レビュー:グッド・ドーター 上 (ハーパーBOOKS)より
4596541426
No.9:
(5pt)

家族の物語だった

学校の銃乱射事件の進展があまりないなと思っていたが、それを解決するだけの話ではないと上巻でわかってから飲み込みやすくなった。
こんなに主人公たちが酷い目に合う話は初めて読んだ、カリンスローターはこれが初めてなので、いつもこんな感じなのかもしれないがほんとに最後の最後まで傷をえぐる真相を出してくるのが凄い。心と身体の両方とも痛めつけてくる展開にだいぶやられた。面白い!
グッド・ドーター 下 (ハーパーBOOKS)Amazon書評・レビュー:グッド・ドーター 下 (ハーパーBOOKS)より
4596541434
No.8:
(5pt)

娘たちの再生の物語

どんな成り行きになるのかと、途中考えながら読んでいました。
どのキャラも個性的で際立っていて、はまりやすかったです。
下巻の途中まではまっていたら、あれ?一体今なんの事件?
現在の?過去の?と戸惑うところもありましたが
とても興味深い話でした。

タイトルの意味がわかりました。
事件を追いかけつつ、家族が再生していく物語。
娘としての物語。
とてもおもしろかったです。

他の方のレビューにあるとおり、
最後の一文がまさにそれで、かっこよかったです。

物語の中の父も不思議な存在でしたが、母もかっこいい人だったようです。
グッド・ドーター 上 (ハーパーBOOKS)Amazon書評・レビュー:グッド・ドーター 上 (ハーパーBOOKS)より
4596541426
No.7:
(4pt)

う〜ん

これはもしかしてグラント郡シリーズやウィル・トレントシリーズより優に優る物語だと思います。上巻の感想ですが、上巻を読んだだけで唸ってしまいました。
すんなりと物語の背景や人物像などもスポンスポンと入る事も出来ました。
カリン・スローター凄いですね。唸リの三乗です。
グッド・ドーター 上 (ハーパーBOOKS)Amazon書評・レビュー:グッド・ドーター 上 (ハーパーBOOKS)より
4596541426
No.6:
(5pt)

ヒューマンなドラマとしてしっかりと味わって頂きたい力作

カリン・スローター作品で一番感情移入できた作品である。むしろそういうことをこの作家には期待してはいなかっただけに、これは驚きだ。面白さのための人間構築、常にストーリーのための対人葛藤の迷路を構築する建築学的な作家、とぼくは見ていたのだが、もしやそれは視野の狭い思い込みであったか。

 とは言うものの、導入部はいつもの通りである。この作家の個性とさえ言えるほどの、うんざりするほどの血とバイオレンス。だからこそ、まさか暴力に巻き込まれた家族の、その後の絆づくりという心の風向きに、この物語が手向けられてゆくとは予想をしてはいなかったのだ。

 弁護士一家を襲った過去の凄惨な事件により、心身ともに後遺症を抱えたまま家族を離れた長女。父とともに暮らしその弁護士としての仕事を継ぐ次女。暴力で断たれた母の命と、その豊饒なる知性の記憶。

 それぞれに性格の異なる姉妹。そして彼女らへの沈黙の不可視的な愛を貫く弁護士の父。それぞれに深みも痛みも介在する人間たちの傷だらけの人生。それでいて並々ならぬ知性豊かな三人の、喪われし人生の記憶とその再生の行方とが、何と、次女が出くわす新たな凄惨なる事件いう形で試されてゆく物語である。学校での発砲事件。もはや珍しいとは言えないアメリカの風物詩みたいな。

 事件の加害者である少女の沈黙がまずは謎である。事件の被害者は、さらに年少の少女、そして校長。一見、単純な構図に見える事件だが、動機も、その後の展開も、見た目通りではなさそうであった。事件に関わるヒロインたちの内なる闘いに、外なる疑惑が絡み合い、継いで、彼女たちに関わる男、壊れかけた夫婦関係、出産の失敗などなど、複雑な課題と過去とが絡み合う暗黒の深さ。

 主要登場人物がそう多くない割に、彼ら彼女らの個性が否応なく絡み合い、ぶつかり合う。いつものスローター節。どんでん返しや、いくつものトラップやミスリードが、全体のエンターテインメントとしての謎多き物語を象っているのも、いつも通りのスタイルである。

 しかし、警察小説の形を取らず、シリーズとは分離させ、事件関係者(被害者、弁護士、検事)やその家族たちの道を、心の内側から、それもいくつもの過去からの出来事の真相に迫ろうとする、この作者ならではの複雑に編まれたプロットにずっと寄りそうような心身の痛みの記憶がたまらない。

 娘たちを守れなかった父親と、その後の人生。一見雄弁に見える彼を取り巻く秘密と、娘たちの錯綜する心が出くわすとき、この家族の物語は、この家族を変える時間にようやく出会うことができる。そこにあるのは癒し? あるいは決意?

 不幸な事件により無残に傷つけられた家族とその後の人生航路を、押し寄せるいくつもの波濤のなかに描き切るビルディングス・ロマンである。少なくとも時間軸空間軸ともに壮大なスケールのミステリーとして、否、むしろヒューマンなドラマとしてしっかりと味わって頂きたい力作である。
グッド・ドーター 下 (ハーパーBOOKS)Amazon書評・レビュー:グッド・ドーター 下 (ハーパーBOOKS)より
4596541434
No.5:
(5pt)

うまいな〜

母の真実を追う「彼女のかけら」と同様、残酷に目の前で殺された母を恋い慕い、父を拒絶しながらも父の愛に包まれていたことを知り、心と体に壮絶な傷を負いつつ自分たちの人生を生きようと苦悶する姉妹たちの物語。「良き娘」とは全く言えない姉妹が、「良き娘」として再出発しようとする魂の浄化がテーマ。続編も読みたくなるけれど、これはこれで単発物として、完結しているので、読後感が爽やか。事件そのものの残酷さより、姉妹の確執、女同士の冷酷さがリアルで面白かった。
グッド・ドーター 下 (ハーパーBOOKS)Amazon書評・レビュー:グッド・ドーター 下 (ハーパーBOOKS)より
4596541434
No.4:
(4pt)

Police Brutality

弁護士一家を襲った残忍な殺人事件を背景としたサイコサスペンス小説。辛くも生き残った次女シャーロット(チャーリー)は父と同じ弁護士になっていた。
アメリカ南部の田舎町が舞台である。皆が顔見知りで噂が知れ渡る、うんざりするような村社会である。日本の新型コロナウイルスの自粛警察も似たようなものである。凶悪事件の被疑者・被告人を弁護するチャーリーの父親は町の人々から嫌われていた。
チャーリーは地元中学校で銃乱射事件に遭遇する。銃乱射事件の犯人と見られる少女を拘束した警察官らは怒りから私刑に走る(上巻98頁)。弁護士が警察官らの暴行シーンの動画を撮影すると、それを止めさせて奪い取って投げ捨てた(上巻101頁)。
しかも警察官らは隠蔽工作まで行った。「警官たちは口裏を合わせ、互いをかばうような報告をしていた。チャーリーが反抗的で、自分からグレッグにぶつかっていき、彼女がうっかり踏んだせいで携帯電話が壊れたことになっていた」(上巻104頁)。
英米のミステリを読んで感じることは、警察の人権侵害を抑制する意識の高さである。被疑者・被告人の人権擁護は日本よりも進んでいると感じることが多い。アメリカの刑事ドラマでは黙秘権の告知や取り調べでの弁護士同席など被疑者・被告人の人権が擁護されている。そのくらいにならなければ日本も人権後進国と言われ続けるだろう。
しかし、ここではダメである。2020年のアメリカはジョージ・フロイドさんの暴行死(Killing of George Floyd)を契機にPolice Brutalityが大きな問題になっている。本書の実態もアメリカの現実だろう。だからこそ抗議デモが大きく広がったのだろう。原著は2017年刊行であるが、邦訳の2020年刊行はタイムリーである。
それでも家宅捜索の令状の写しを提示するなど、やはり日本よりも進んでいるところはある。手続きを誤魔化して進めようとする警察と弁護士のせめぎあいは迫力がある。通報で駆け付けた警察官が集まっていた場所で銃を持っていた少女が犯人と思われていたが、実は無罪ではないかとの疑念も提示される。一方でチャーリーのトラウマや抑圧された記憶も物語の軸になっている。私は被疑者の人権擁護の闘いに面白みを感じるが、物語の本筋がどちらに向かうか注目である。
グッド・ドーター 上 (ハーパーBOOKS)Amazon書評・レビュー:グッド・ドーター 上 (ハーパーBOOKS)より
4596541426
No.3:
(5pt)

ホラーのような感触

上巻を読み終わって、またもやカリンスローターマジックに一気に引きこまれた。
魅了された。

28年前の悲劇、現在の学校銃撃事件とのつながりはどうなるのか。
とりわけ姉妹に起こった悲劇とその後の不幸も不気味であった。
学校銃撃の犯人とされたある少女の悲劇は何だろうか。
とにかく上巻ではおそらく伏線が散りばめられているだろうと思った。
それから出てくる登場人物の謎、秘密をもっていそうな感じ、それをひとまとめにしているのは
父親ラスティではないであろうか
謎だらけで、しかも不気味な事件でホラーのような感触をうけた。下巻が楽しみ!
グッド・ドーター 上 (ハーパーBOOKS)Amazon書評・レビュー:グッド・ドーター 上 (ハーパーBOOKS)より
4596541426
No.2:
(5pt)

ラストに開かれる箱

とにかくびっくりした。いや、そうきたか。

上巻では少女ケイティの妊娠と真相、ラスティの死、妻への思いや写真の謎など
怒涛の展開だった。それから姉妹が経験した悲劇、感情のコントロールがうまくいかない
二人。ぶつかり合うも助け合う二人。
後半、犯人の自白と真実。ラスティとシャーロットと約束した箱。
本当に一気読みだった。さすが、天才作家。
男の欲望と女の嫉妬、金への執着が根底にあるのだろう。それを性的虐待や暴力、白人至上主義などの
社会背景をうまく捉えた作品といえる。下巻を読んだ後、もう一度上巻の冒頭部分を読む作業、
何度彼女の作品で行ったか。それだけすごいということ。

どれも印象的な表現が多いが、個人的には蜘蛛(ネタばれになるので詳細は書けないが)の部分は見事
というしかない。映像化が楽しみです。
グッド・ドーター 下 (ハーパーBOOKS)Amazon書評・レビュー:グッド・ドーター 下 (ハーパーBOOKS)より
4596541434
No.1:
(4pt)

事件後の、家族の心と人間模様

この作品でもスローターの描くサスペンス・シーンはかなり残虐だ。そのため、その方面に読者の気持ちが吸い寄せられる。
だが本書の主題は、28年前に弁護士一家を襲った事件後、残された家族それぞれが心身に負った後遺症と家族関係のこじれ、そして心の立て直しだ。
心がテーマだけあって、28年前と現在起こった事件のいずれも 真相が明らかにされると、私は犯人側(一部)に対しても同情や共感を覚えた。
ラストの一文はとても良く、万人に通ずるものだと思う。
解説で池上冬樹氏が同著者の『彼女のかけら』や《ウィル・トレント》シリーズに触れているが、私は本書の父や姉妹という面から『プリティ・ガールズ』を思い起こした。スローターは人間の心情面の描き方がとても綿密な作家だと思う。

ストーリーやプロットはよかったのだが、かなり冗長だと感じる箇所が多かった。これもこの作者にちょくちょく見受けられる難点だ。
また、翻訳者の文章が幾度か、半疑問形だと感じさせられたこと。往々耳にするこのような話し方がとても不快なので、訳者としてぜひ改めてもらいたい。
グッド・ドーター 上 (ハーパーBOOKS)Amazon書評・レビュー:グッド・ドーター 上 (ハーパーBOOKS)より
4596541426

スポンサードリンク

  



新規レビューを書く⇒みなさんの感想をお待ちしております!!