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敵手
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敵手の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.83pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全12件 1~12 1/1ページ
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競馬シリーズの代表作「大穴」「利腕」に続いて3度目の主人公シッド・ハーレーものだが、評価が割れる作品になっている。 今回の敵は、元チャンピオン・アマチュア騎手でテレビでの大人気者なのだが、シッド・ハーレーの親友でもあるという設定。親友の疑惑(競走馬への虐待)を公にしたことで、国中の人々を敵に回してしまい、途轍もない不愉快な戦いを強いられていく。普通なら耐えられない理不尽な仕打ち、不条理な展開に、読む人もかなり精神的に追い詰められてしまいそうだ。 しかしそれでも我慢しつづけ、真相にたどり着くのがシッド・ハーレーだ。ただタフなだけでなく、本当は弱いところもあるのだが、ラスト近くまで弱音を吐かない。ここまでくると付いていけないという読者が出るのも当然だと思う。 やはり「大穴」のあとの「利腕」でシッド・ハーレーものは完結していたのではないだろうか。 だが、ディック・フランシスが今作の敵として登場させた「人気者」は、いま現在私たちが目にしている「人気政治家」「人気タレント」と重なるところがあるように思う。この強大な敵と対決させるために、競馬シリーズの人気者、シッド・ハーレーを登場させるほかなかった、とファンとしては擁護する立場で見解を述べさせていただく。 賛否両論あると分かっていて読んでくださる方に、この本を推奨する。 | ||||
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馬の足を切断すると性的な興奮を覚える犯人。これが馬を愛する元騎手だというのだから驚く。 そもそもなぜ馬の足を切るのか? が分からない。 単なる変質者なのか? ミステリーとしても謎解きのスリルがない。本人のアリバイと大ばさみを覆っていた布が事件解決のてがかりとなるようだが何とも物足りない。それに、車についていた掌紋で逮捕、起訴となるはずなのにどうももたもたしている。これがアメリカで賞を受けたそうだが全く意外性も無く、どんでん返しも無くなぜそんなに受けたのか? 私の知らない宗教的な(キリスト教を理解していなければ分からない)なにか感動させる要素があるのだろうか? 騎手が馬の足を切って自分の番組をもっとお涙頂戴にしたい理由は一体何なのか? | ||||
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これでもか という困難に立ち向かう姿がかっこ良かった 終わり方が不自然な感じがした | ||||
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タフガイ探偵小説としてはよく出来てると思いますが、私にはエリスの言動がいまひとつ不可解でした。シッドに対する新聞・知人たちのパッシングには驚くべきものがありますね。大英帝国の民度もたいしたことないよなぁ。 | ||||
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英国の元チャンピオン・ジョッキーであるディック・フランシスの競馬モノは面白さに定評があるが、その中で唯一同一人物が複数作品で主人公なのが、このシッド・ハレー・シリーズ。 障害競馬のチャンピオン・ジョッキーだったシッドは、落馬事故の際、後続馬の蹄鉄で左手を切り裂かれ、引退を余儀なくされた。 そして、競馬関係の調査員となる。 何度も窮地に陥り、時には恐怖に駆られながらも、元チャンピオン・ジョッキーらしい不屈の精神力で、事態を打開していく。 今作では、競馬での元ライバルで、今でも国民的人気を誇るタレントとなっている男が相手。しかも、彼はシッドの親友でもあるのだ…… | ||||
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Dick Francis, Sid Halleyとくれば質の高さがあらかじめ保証された ものと言える。いつもながら初めと終わりはすばらしい。作者は そこだけ練りに練って、最初に考えるのではないかという気さえする。 本シリーズでは恋はわずかに終わりの方で感じさせるものはあるが、 基本的にはないと言える。いつもの主人公を暴力で痛めつけるところが あり、今回のは特にすさまじい。 Ellis Quintがなぜ馬の足を切るのかという精神的なものは最後にわかる 気がするという展開(完全ではないが)である。 この小説が作られた1995年に携帯電話の仕組みやパソコンについて 記述されている。Dick Francisが常に時代の先端をとらえたストーリーテラー であったことがわかる。 | ||||
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大昔に一度読んだのですが、再度読みたくなり購入。 もうフランシスの新作を読むことができないなんてさびしい。 | ||||
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2度目の読書、翻訳文を見ながら読む。 犯人特定の部分が一寸物足らなく思い星4つです。 いつもながら英国人の痛みに対する受容性の高さにあきれています。温度に対して暑がり、寒がりがあるのだから、私のような一寸した痛みに悲鳴を上げる身にとっては、想像外のタフさです。 それにしても日本語題 敵手 より come to grief の方が遥かに内容の心を表している、と思いました。 | ||||
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“ターフを走るサスペンス”、ディック・フランシスの<競馬>シリーズ。本書は’95年発表のシリーズ34作目にあたり、実に前人未到の3度目となる、’96年度「MWA(アメリカ探偵作家クラブ)賞」のベスト・ノヴェル(最優秀長編賞)を受賞した。 元障害競馬レースの花形チャンピオン・ジョッキイ、隻腕の競馬調査員シッド・ハレーが’65年の第4作『大穴』’79年の第18作『利腕』に続いて三たび登場する。 ’96年、「このミステリーがすごい!」海外編で第4位にランクインしている。 前回登場の『利腕』からおよそ3年後、‘私’ことシッド・ハレーは34才になっている。 放牧中の馬の眼がつぶされたり、脚が一断のもとに切断されたりする事件が頻発する。‘私’が調査によって浮かび上がった最重要容疑者は、アマチュアとプロという違いはあれど、騎手として腕を競いあった、親友である4才年上の国民的人気司会者エリス・クイントだった。やむなく告発する‘私’に、ゴシップ新聞を中核としたバッシングの嵐が・・・。ストーリーは、‘私’のあくまで自己を曲げず真実を追及する姿を追いかける。 ラスト近く、‘私’に対するバッシングの黒幕的人物とエリスから拷問を受けるシーンでは、‘私’そしてエリスの心の葛藤が見事に描写され圧巻である。からくも脱出した‘私’だったが、さらなる生死を分ける危機が襲う。そしてなんとも悲劇的なエンディング・・・。まさに原題『COME TO GRIEF(深い悲しみが訪れる)』のごとき、“罪を憎んで人を憎まず”の名作である。 また、愛馬ポニーを傷つけられた元もとの調査依頼人である白血病の少女との交流、保護観察中の少年の更正なども、‘私’の人間性を垣間見るエピソードとして興味深く読むことができる。 シッド・ハレーは、『勝利』(’00年)から6年の沈黙を破って上梓された第40作『再起』(’06年)で4度目の登場をする。このシリーズで、フランシスにとっても読者にとっても思い入れの一番強いキャラクターなのだろう。 | ||||
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元花形ジョッキーがSid Halleyが主人公となるシリーズ第3作だ。このシリーズは単なるミステリー小説ではなく、第1、第2作共に左腕の負傷で引退を余儀なくされた元ジョッキーが、自由に動かない左腕に対するトラウマや、前妻のジェニーからの容赦ない仕打ち、そして更に加えられる肉体的な苦痛に対して、信じられないほどの精神力を発揮して冷静沈着に立ち向かう姿が描かれていた。 従って前2作とも決して明るい作品とは言えなかったが、第3作となる本書はタイトルがGriefとなっている通り、親友が犯した犯罪を暴くことからもたらされる悲嘆や苦しみが全編に亘って描かれており、何故この主人公はここまでの苦難に遭わねばならないのかと思うほどだ。 特に新聞から全人格を否定されるようなネガティブ・キャンペーンを浴びるのはかなり酷い。しかしそのような中で唯一の救いは、前妻の父親のチャールズや、今回新たに登城するアーチー・カークとの抑制の取れた男通しの交流だ。高い知性と鋭い観察眼を有する似た者通しが相手を認めて信頼をよせる様は羨ましくなる。 今回も事件は無事解決され、シッドの社会的な名誉も守られるのだが、彼に家庭的な幸せは訪れるのだろうか。終盤にそれを予感させるような部分も少しあるのだが。第4作もあるようなのでそれに期待したいところだ。 | ||||
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ストーリーが面白いことは、間違いありません。しかし、この本には、明らかな誤訳が十~二十箇所あります。勿論、英語の原作を読まずに誤訳だとわかるものばかりです。ひとつ例を挙げると、主人公の持っているジャージの色が、出てくるたびに、少しずつ変わっていきます。あなたは、何箇所見つけられるか、挑戦してみてください。 | ||||
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元騎手で、片腕の調査員シッド・ハレーが登場するシリーズの3作目。本の内容もさることながら、この主人公だけで十分魅力的。事故で片腕をなくし、義手をつけながら非常にタフで、強靱な精神をもっている。犯人として、親友を告発し、非難されてもてひるまず、断固として真実を追究していく。だが、無神経にはほど遠く非常にナイーブ。本編では残る片腕を失うことに恐怖し、罵倒され続けることに傷つき、白血病の女の子に父親に近い愛情を感じるシッド・ハレーの姿が描かれている。フランシスの作品の主人公の中でも特にストイックな、人間かくありたい、と思わせる理想の男がここにいる。 | ||||
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