■スポンサードリンク
第四の核
新規レビューを書く⇒みなさんの感想をお待ちしております!!
第四の核の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.13pt |
■スポンサードリンク
Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全23件 1~20 1/2ページ
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
「悪魔の選択」のほうが数倍も面白かった いまとなってはジョン・マッケンジ監督「第四の核」がうまくできてるように思える 昔読んだときはもっと面白く感じたんだけどなあ | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
イギリスは、1982年3月に起きたフォークランド紛争を3ヵ月で収束させたばかりだった。 鉄の女宰相サッチャーの断固たる決断は、国民の支持を得て保守党の政権も安泰に見えた。 その4年後、労働党の巻き返しを影で謀るソ連KGB(事実は書記長直属の部下だけ)のとんでもない計画を進める物語をフォーサイスはこの「第四の核」という小説に仕上げている。 評者は、本書上巻のレビューでこのストーリーには時間的な齟齬があり、リアル感を欠いていたから残念だとレビューに書いた。 が、当時の東西冷戦時代の世界情勢などや核開発の進歩などを俯瞰しながらこの小説を読み進むと、スーツケース大の核爆弾「第四の核」という驚異の時代を迎えた現実を直視したフォーサイスの警告とも思えたから、この小説を単なるフィクションとして読み流すことができなくなってしまった。 1991年、ソ連邦が崩壊したあとの東西冷戦後の世界は、サミエル・ハンチントンの予想通り民族や宗教対立からの紛争が絶えない。 東西冷戦の10年後に、世界貿易センターに突っ込んだジャンボ機に、この第四の核が搭載されていたら、などと考え身震いしてしまったのです。 この小説はイギリスの危機を主人公のプレストンの活躍で終えているが、で詳小型核爆弾の製法なども本書しく知り(こんなに簡単にと思ってしまった)フォーサイスの警告として今にも通じるのです。 もちろんプレストンだけの活躍で危機を回避できたわけでなく、陰でMI6チーフのナイジェル卿とKGB管理総局のカルポフ中将との密約があつてのことだったのです。 MI5で次期長官のハーコート・スミスに冷遇されていたプレストンが、MI5を辞職したあとナイジェル卿の計らいで財産保全会社へ転身し、給料は、MI5時代の倍以上で、めでたしめでたしでエンディングを迎えます。 ハーコート・スミスも抜け目なくシティの大銀行に天下りしているからムカつきましたが。 37年も昔にフォーサイスが書いた『第四の核』下巻を、古臭いフィクションだと思うことなく興味津々で読み終えました。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
イギリス諜報機関の汚名を世に知らしめた「ケンブリッジ・ファイヴ」の一人でその中心人物のキム・フィルビーが1987年の新年を迎えて75歳(一月一日生まれだから)になったところからこのストーリーが始まっている。 1984年に出版された本書は、3年ほどだけ先を予見してフォーサイスが書いた未来小説なのです。 フォーサイスは、ソ連の書記長をユーリ・アンドロポフの後を継いだコンスタンティン・チェルネンコを想定して書いているようですが、本書が刊行された後の1985年3月にチェルネンコも病死し、1985年3月からミハイル・ゴルバチョフがソ連書記長になっています。 ゴルバチョフは書記長に就任してからわずか8か月後に米ソ首脳会談を行い核軍縮交渉に積極的に参加することで冷え込んでいた米ソ間の関係改善に向けて動き始めます。 ゴルバチョフは、1986年4月には「ペレストロイカ」を提言しています。 たった3年ほど先を予見してフォーサイスが書いた小説も残念ながらリァリティを感じない物語になってしまっています。 フォーサイスでも激動の時代の3年先を予見することなどは難しく、この本が出版された7年後にはソ連邦が崩壊するなど「神のみぞ知る」ことだから、さすがのフォーサイスでも予見の外であったと思います。 それはそれとして、イギリス諜報部MI5のプレストンが主人公の活躍に引き込まれてついページを繰る手が早くなってしまいました。 プレストンが南アへ行って調べる描写などは、フォーサイスが現地へ取材に行って書いていること間違いないと思いながら楽しく上巻を読み終えました。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
楽しい本です。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
楽しい本です。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
途中下車しながら読んだので、登場人物とストーリーが散漫になりってしまいました。 失礼ながら、いつもの一気呵成にラストまでとは行きませんでした。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
時代設定が絶妙で、最もらしい社会情勢のもとに、英国の登場者達が、高貴な貴族の思わぬ宝石盗難に会い、それからスパイストリーに展開していく、当時の英国は鉄の女性宰相サッチャー政権登場の時で、米ソ間では中距離ロケットの英国展開で平和主義者のデモが激しさを見せていた。とにかく登場者達の設定がもっともらしく、それを作者の巧妙なストリー展開がテンポ良く、英国の裏切り者フィルビー、それをオールドスパイマスター達が二重スパイなどを登場させて実に面白い。最後にオールドスパイマスターの引退と、英国人のノスタルジー溢れるラストシーン。同時期に英国のレジデントで会った読者には忘れることができない小説。難しい単語もKindle辞書でありがたく読めた。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
ソ連崩壊前の1980年は、米ソ対立が厳しく、ヨーロッパでは、核戦争の可能性もゼロでなく、核シェルターも売れていたと聞く。そうした背景のもとで、本書が書かれ、読まれたものだと感じる。しかし、日本は、核戦争の危機を考える者は皆無、何の気なしに切迫感はなかったように思う。日本は、二度も原爆を落とされたのだから、もう三度目はないという思い込みがあったのではないか!平和ボケだ。 本作品に書かれたことは、決して荒唐無稽な話ではなく、実際に有ってもおかしくない話だったさと思う。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
本書を読んで、複雑な思いが浮かぶ。それは、人間の思いが先か事実が先かということだ。東西冷戦時、小説に書かれたような謀略がソ連にあったのかということだ。私は、そのような謀略はなかったと思う。もし、そうだとすると、作者の頭脳明晰の中で生み出された想念が、敵方に伝わり、敵方は、然るべき対応をすることとなる。作者の想いが現実がしてしまう。疑心暗鬼が生まれる。小説としては、危機一発で、人類の破局を食い止める形で完結するから良いが、現実世界では、ハーピエンドで終わる保証はない。本作品を詠み終え、恐怖を感じた。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
窃盗グループが手に入れたものは、イギリスを窮地に陥れる機密文書だった...で幕を開ける、フォーサイスの十八番のエスピオナージ。 ソ連がイギリスに仕掛けた西側諸国に大ダメージを与える罠「オーロラ」とは。不確かながらも情報を察知したイギリスの諜報機関は、ソ連側の動きを追いかける。 上巻は、ひとつの出来事に対し、関連する描写が細かく(というかしつこく)て、とにかく話の展開が遅い。読者は、ソ連、イギリス双方の立場から俯瞰できるわけだが、仕掛けの内容がなかなか明らかにならず、じれったさを感じる。 各諜報機関内での権力闘争を絡めて、前半にストレスを溜めさせるのは、ジョン・ル・カレの作品でも見られる王道パターン。ちょっと、メインストーリが動き始めて下巻へ続く。 ソ連がイギリスに仕掛けた西側諸国に大ダメージを与える罠「オーロラ」。下巻では、いよいよその内容が明らかになる。 ここでそれを明らかにしてしまうのは野暮というもの。驚愕の作戦のヒントは邦題に表されている。 現実的なものであるかは判然としないが、それを疑う間もなく、俄然、ストーリーの展開が早くなっくる。上巻のじれったさを我慢した先に読書の愉悦あり。 ソ連、イギリス双方の諜報合戦の行く末は?ハラハラドキドキのクライマックス、そしてその先には捻ったオチが待っている。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
映画との違いがよくわかりました。 でも、終わり方が淡泊ですね。 少しがっかりした。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
日本でも「平和運動」、または「反原発運動」など、さまざまな「市民」による運動が行われています。しかし、これらの運動が本当に一般市民によって行われていると思う人はだれもいないでしょう。必ずその背後に政治が見え隠れしています。 英国の共産主義化を狙うソ連による陰謀を描く本作。現代日本の政治を考えるうえでも有意義な一冊です。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
丁度30年前、大学に入学した1984年に大学生協の書店でのランキングが1位だった本。あまりに人気だったので敬遠し、まずは友人が薦めてくれた「ジャッカルの日」を読んでから購入した。今まで本を読んでいて電車を乗り越したことがなかった私が、唯一西武線で乗り越しした時この本を読んでいたが、あまりに面白かったのは確かだ。それも上井草で降りるはずを東伏見まで気づかなかったのは異常だ。こんな本はほかに例がない。 日本語のタイトルである第四の核というのは、原子爆弾、水素爆弾、中性子爆弾に次ぐ第四番目の核爆弾を指していた。携帯できる小型の核がそれだが、テクノスリラーの代表例という記憶がある。この後ネゴシエイターが書かれるが、それも冴えていた。最初にダイヤモンドの盗難事件が描かれるがこれがどうやって本題に繋がるのか完全に忘れていて今読んでも楽しめた。フォーサイスの英文は時に非常に難解なイギリス英語だ。事件の舞台もイギリス。 本題から外れるバイストーリもそれなりに興味があるが、どうでもよいと思われることに細かい描写が続く。 この本もテキストが複数あるようだ。ソ連に亡命した大佐が長文のレポートを書記長に提出するのだが、原書の方は極端に短くなっている。もちろんこの方が読みやすいのだが、ちょっと拍子抜け。鉄の女マーガレットサッチャー女史が実名で登場するし、ブレジネフ、アンドロポフやチェルネンコといった名前も登場するが時代がややずれているように思えた。この本に描いているのは1987年という想定だ。確か下名が在学中にブレジネフは没し、新聞に「強運アンドロポフ氏」とでかい記事が出ていたのを覚えている。面白いのは日本の佐々淳行氏がMI6長官の浅間山荘事件の回想とともに出てくることだ。何故か舞台が大滝根山になっているのだが。 The Fourth Protocolという表現だが、ソ連の書記長がイギリス政府転覆計画を吟味している時にメンバーの一人が国際議定書である「核不拡散条約」に反することを明言したものだ。これが第4の議定書という題名につながっている。 フォーサイスの本領発揮だが、3分の一ぐらいのところでプレストンがアフリカの外交官の過去を調査する話についつい引き込まれる。ほとんど無しに等しい些細な手がかりを元に徐々に調べが進むが、枝葉のエピソードであるにも係わらず非常に面白い。ひょっとしたらこうしたストーリテリングがフォーサイスの魅力か。 ソ連のKGBのカーポフ将軍がオーロラ作戦を探る際にバターを飲み込んで酒に耐えるシーンは自分でも酒の席での経験で実感したものだ。この本で知った知識だったことを思い出した。 次の盛り上がりは、潜入した東側の工作員をプレストンが追跡するところで、イギリスの地図を見ながら列車で長距離移動を追った。他のクーリエがが全く危なげなく部品を運び込むのに対しこの工作員は無様に追跡を許したが最後のところで捜査員を撒いてしまう。しかしプレストンは食い下がり遂に埋覆の家を発見するところは一気に読んでしまうこの本の中にいくつかあるクライマックスだ。 しかしプレストンの努力もむなしくすべてのクーリエはペトロフスキー少佐のところに集まり、小型原爆は完成してしまう。いったいプレストンが追跡して見つけたギリシャ人兄弟は囮なのか?最後にきてギリシャ人の役割がわかる。今まで何度も登場していたのだが、明記されていなかったのだった。このチェスターフィールドの捕物では、グーグルの地図を見ながらプレストンの捜査過程を追認してみた。さらにペトロフスキー少佐の本拠であるイプスウィッチまで追跡するところも。途中セフィールドで二輪を乗り換えることで追跡者は撒かれてしまうが、偶然にもペトロフスキー少佐の行動を具現する立場の反戦デモによって再び発見される。このプレストンという男は随所で大胆な行動を見せるのが隠れた魅力だ。ポロニウムのディスクをホームセンタで購入したワッシャとすり替えたり、チェスターフィールドで追跡のためにバイクを強奪したり、追跡車を横倒しにして事故に見せかけたりする。すべて重要な行動なのだが、こういうところは作者のフォーサイスの分身なのか、うまく作品に溶け込んでいる。 そして、KGBのカーポフの動き、東側の二重スパイの偽情報はどのように関係していくのか。最後の30ページになると目も離せない。そして、カーポフの謎は氷解し、突入直前にリンドバースト大尉に掛かった電話の謎も解ける。実に巧妙に組み合わさった寄木細工が最後になって全貌を見渡せるようになる。最後の一撃も強烈。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
フォーサイス比較的早い時期の作品。初めて読んだのは高校生の頃和書で、二回目は社会人になってからペーパーバックで、三回目は電子書籍で。英国の地味な公務員がKGBの一級工作員を追い詰めていくプロセスが面白い。そしてスパイマスターの最後の絶妙の一手。渋いけど佳作です。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
フォーサイスの第4の核で昔 自由選挙で選ばれた労働党政権が 選挙直後、党内左派にのっとられ 確信犯的に反米親ソ、英国自由社会の破壊に乗り出す絵空事小説があったな まあどこの先進国でそんなばかげた事がおきるのか 設定の荒唐無稽ぶりに大笑いしたよ 類例「日米開戦」 「ジェット旅客機でアメリカ中枢部に神風攻撃?トムめ、笑わせるなようぉおおWTCが!?」 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
原題のThe Fourth Protocolを素直に訳せば、第四議定書とでもなろうか。本書は、1961年に米英ソ間で締結された核不拡散条約に付帯する四番目の議定書すなわち将来技術的に可能になるだろうと想定した小型の核爆弾をめぐる英ソの息詰る駆け引きがテーマであり、背景がサッチャー保守党に対する労働党の政権奪取に続く労働党左派によるイギリスの社会主義化である。 前半は、若干、荒唐無稽とも思われる政権奪取のリアリティを作るため非常に細かに筆が入っている。 今でこそトニーブレア首相が「第三の道」として自由主義経済と福祉政策を表に掲げたことより労働組合色が薄れているが、当時の労働党はとついつい考えてしまう。 前半は、細かに背景を塗った関係で展開がややまどろっこしいがそれでも十分に魅力的である。 最初4年ぶりに読み返したが、細部を忘れていることもあり今回も十分楽しめた。 プロットは、2つの工作が関係あるのかないのか不明な状態で進行していく。まさに骨太スパイ小説である。007でも有名なMI6(SIS)のチーフ ナイジェル卿とMI5の課長プレストンの切れの良い推理が、小説全体を引き締める。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
著者には何の責任もないことなのだが、なぜこのような題名にしたのだろうか。原題は "THE FOURTH PROTCOL"なので「第四の議定書」が正しいだろう。これだと読者に あらぬ誤解を招く恐れがあるんではないかと。1967年に当時の核保有国・米英ソ間で 締結された核不拡散条約には四つの秘密議定書が付随しており、その四番目になる ものが小型核爆弾の持ち込み禁止。要するにスーツケースに収まるようなものを使用 するのはやめるべってことだが、確かにそんなのをアリにしたら危なくってしょうがない わな。もっとも"秘密"議定書なんで、果たして事実かどうかは保証の限りではないが。 保守主義者として知られるフォーサイスだが、本書ではそれがあからさまになっている 感がある。まるで労働党をソ連の傀儡みたいに書いてしまっている。そのへんがジョン・ ル・カレから「右翼作家」呼ばわりされる理由なのか。日本でいうなら、民主党に政権を 取らせるために某国が日本に核を持ち込むみたいな小説を出版するようなものである。 左の方面から叩かれること必至なので、絶対にあり得ない話だ(笑)。もっとも本書は そんな批判を簡単に吹き飛ばしてしまうほどの完成度を見せている。とにかく物語は 最高に面白い。下巻からの追跡劇の緊張感がいい。ナイジェル卿の手練に脱帽である。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
forsythの作品はいつも現代マーケティングの見本とも言っていいほど、綿密に作られています。彼の政治観、時代への関心、そしてアメリカ人に対するイギリス人のコンプレックスに由来するであろう根拠のない優越感、これらの要素が見事なまでにマスの読者に受けるように組み合わされています。この要素のどれかひとつがアンバランスに肥大化してしまうと、低俗化したり、逆に普通の読者には理解不能となり売れないというリスクがありますが、彼のすごいところは、いつも75点以上の合格点を出すところです。もっともあまりにもその時代のマスの選好をターゲットとしているため、どうしても時代性の刻印を帯びてしまいます。この作品はもう今では思い出すこともできない1980年代前半の欧州情勢がその背景をなしています。それはアメリカのパーシングIIの欧州配備に対していわゆる反核運動(die in覚えてます?)が欧州の一部でかなり盛り上った状況を背景としています。そして英国労働党にもソヴィエトの第五列とも言うべき左派が暗躍しています。その中で、ソヴィエトは工作員をイギリスに潜入させ、ある事件を英国内で起こすことを計画します。この計画にはいくつもの目的が隠されています。kill the two birds with a single stoneというわけです。ここから先は現物をよんでもらうしかありません。結末は、著者一流の皮肉ですが、まだ当時の英国ではこのような皮肉がそれなりにリアリティを感じさせたのかもしれません。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
奥の深いスパイ小説です。物語の中心線は、ソ連(ロシアではありません)が英国に親ソ政権を作るために画策したテロ計画を英国情報部が未然に防ぐというものですが、単にスパイ探しで終わるのではないところが、 Frederick Forsythの凄いところです。出だしは場面が英国とソ連の間を行ったり来たりするので登場人物の関係を押さえるのに一苦労します。しかし、いつの間にかお決まりのスパイ探しに引き込まれて行き、英国当局によって間一髪のところでテロが避けられ、めでたしめでたしと思いきや、とんでもない逆転劇に読者は驚かされることになります。予想外の交渉が読者の知らない間に物語の裏で英国とKGBの間でなされていたのです。そこで、物語の最初に登場した人物達の関係がパッと手品の種明かしのようにはっきりして来ます。「アー!やられてしまった」という感じです。物語の設定が米ソ冷戦時代なので、少し古い感じもありますが、今でも国際政治の現場ではこのような駆け引きが繰り広げられているのであろうという感を強くする作品です。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
上巻の半分くらいまでは、すべてのプロットが出尽くすまでにとても退屈しました。しかし、その後の展開はよりスピードアップします。イギリスとソ連の直接対決ではなく、南アフリカが絡んでくるのが渋い展開で、エージェントの2重、3重の騙し合いが面白い。追う側と追われる側の緊張感は、フォーサイスの小説でいつもながらの楽しみ。 | ||||
| ||||
|
■スポンサードリンク
|
|
新規レビューを書く⇒みなさんの感想をお待ちしております!!