帝王
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数年前にフォーサイスの短編集『勇者たちの挽歌』を、本棚から取り出して十数年ぶりに再読したが、それなりによく出来た5作品だとの印象を持った。 が、『時をこえる風』という作品だけがフォーサイスらしくない内容であり評者の好みにあわなかった記憶である。 その単行本の奥付を見たら2002年と記してあったからフォーサイスが60歳代に入ってからの作品だと想像できた。 気になっていたもうひとつの短編集『帝王』を、読むことにして入手して読むことにした。 本書の短編集8作のなかでは、「免責特権」に最高点をつけておきたい。 大新聞の無責任な記事のため名誉を棄損され、商売上の信用まで失ってしまった主人公が、大新聞社を相手にしても巨像に対する蟻のような自分の存在を思い知らされる。 大新聞社側には法律の壁が高く聳えているが、法に対しては法でと、あれこれ必死になって調べ、主人公が考え出した起死回生の一手が、「目には目を、歯には歯を」であつた。 たいていの読者は、この最終ページで溜飲を下げるはずであります。 本書のタイトルにもなっている「帝王」も傑作には違いないが、やはり「免責特権」に軍配を挙げたい。 ひねりの効いたエンディングで終える各作品は、フォーサイス40歳前後の油の乗り切ったころの作品ばかりだから傑作なんだと合点しながら本書『帝王』を楽しく読み終えたのです。 | ||||
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八時間に及ぶ凄絶なファイトの果てに、五〇〇㎏を超える伝説のブルーマルリン“帝王”を釣った男に訪れた劇的な運命の転換とは? 冒険、復讐、コンゲーム…男の世界を描く魅力の傑作集。 | ||||
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八篇が収録されたフォーサイス唯一の短篇集である。というと『シェパード』があるでは ないかと言われそうであるが、原書では『シェパード』の三篇のうち二篇は本書に収録 されている。どの作品もフォーサイスらしいヒネリが効いており、その質は長編作品と 何も変わらない。訳者によるあとがきによると、刊行当時14週もべストセラー・リストに ランクされたとのことで、それもうなずける出来ばえである。推理小説ふうの筋立ての 中に小粋さと洒脱さがある。興味深いのは八篇中五篇がアイルランドが舞台、もしくは 絡みのある話になっていることだ。フォーサイスはアイルランドに居住していた時期が あるが、親近感があるのだろうか?全作品が秀逸なのだが私が好きなのは痛快さの 残る「免責特権」と「帝王」である。前者は新聞に不当な記事を書かれた自営業者が 名誉の回復を試みるのだが、法は味方ではないことを知る話。だが不屈の彼は法を 逆手にとることを着想するのだ。「帝王」は小心翼々とした銀行員が休暇で訪問した モーリシャスでトローリングに誘われることに。男性読者なら心でガッツポーズの出る 作品だろう。本書はすでに古書でしか入手できないようだが、もったいないことである。 | ||||
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フレデリック・フォーサイスの文を読むと、ニコチンとアルコールの過剰摂取・弛んで突き出た腹と細い脚・蒼白な顔色、の日本の作家と全く異なり、健康さ・男の体臭・筋肉のしなりを感じさせる。この本の題となっている、「帝王」はこの短編集のなかでもやはり一番であると思う。長いことサラリーマンをやってやっと最後に休暇をとり、マダガスカル島へ口うるさい女房とやってきたマーガトロイド氏。ヒョンな事から大物釣りに会社の若い後輩と出かけることになる。その大魚との死闘の中で、マーガトロイド氏は生まれ変わる。我々平々凡々の市民生活を送っている者にとり、この話は人生の応援歌となろう。この短編集の中のどのストーリも外れは無く、読んだ後、「ウーンうまいなー。」「ヨーシ俺だって!」と思わせること間違い無し。フォーサイス氏が今後も我々に面白い話を聞かせてくれることを願うや切、と言っておく。 | ||||
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「シェパード」に続き、ガッツある男の世界を描いたフォーサイスの短編集。 「帝王」と呼ばれるモーリシャスの海の主・マリーンを釣り上げたミッドランド銀行の支店長、「生」に目覚めたこの男が次に目指すのは・・・・・。支店長秘書に向かって「銀行なんかクソくらえ」、尻に敷かれてきた嫁はんに向かって「お前もクソくらえ」と言い切るカッコ良さ。 本書に収められている8編すべてが逸品である。 この文庫は今や絶版になっているのか、書店では目にすることができないようだが、角川書店が日本語版翻訳権を独占中であるなら、ぜひ復刊していただきたい。いいものはいつの時代になっても廃れないものだ。それが独占権者の責任である。 | ||||
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