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囚われの山



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【この小説が収録されている参考書籍】
囚われの山 (単行本)

囚われの山の評価: 4.19/5点 レビュー 32件。 Cランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点4.19pt


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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全32件 21~32 2/2ページ
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No.12:
(5pt)

地図を載せるならもう解りやすいものを

物語りが展開された地点を示すのに地図が最初に載せてあるが、この切り取り方でいいの、逆に分かり難くないのって思ってしまうところが唯一の惜しいところだが、お話自体は星5つ。2020年に読んだ中では一番楽しめた。極寒の雪山での遭難を体験させてくれる本書はとてもよいものだ。悲劇の話だが読み終わったあとに引きずらないのもいい。
囚われの山 (単行本)Amazon書評・レビュー:囚われの山 (単行本)より
4120053148
No.11:
(5pt)

期待通りでした。

久しぶりに読んでみたいと思ったので購入しました。少しずつですが読み進んでます。引き込まれますね、期待通りで良かったです。
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No.10:
(5pt)

歴史エンターテインメントの名作が誕生

世界登山史上最大級の犠牲者を出した八甲田山遭難事件といえば、多くの小説好きが思い描くのは、新田次郎著『八甲田山死の彷徨』であろう。私もその一人だった。
本作はそんな名作の先入観をぶち破るほどの、斬新かつ巧妙な仕掛けにより構築された歴史ミステリーとして、高い完成度を持った作品となっている。
現代の雑誌編集者の視点により、陸軍の無謀とも言える雪中行軍がなぜ行われたのかという謎に迫っていく物語。現代と過去を行きつ戻りつしながら、謎がさらに深い謎を呼んでいく展開が秀逸で、猛吹雪の描写の中でさえ、手に汗握るほどのドキドキ感を与えてくれる。
とくに雪中行軍については、歴史作家として重厚な作品を次々と送り出してきた著者らしい緻密で迫力ある描写の連続で、「もし死ぬなら凍死だけは絶対に嫌だな」と読者の誰もが思ったことだろう。
読み終えた今、しばらくスキーには行きたくない。
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No.9:
(5pt)

暗闇の白い地獄

映画で固定していたイメージを
動かしてくれた。

雪を踏みしめる音を想像しながら読む。

伊東作品で描かれる地獄の風景…、
今度は冬の山にあった。
暗闇の白い地獄。
涙も凍る
人の作り出す地獄なのだ。

私は好きだ。
好きだからそれで良い!
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No.8:
(5pt)

歴史とは現在と過去との間の尽きることを知らぬ対話

標題は、イギリスの歴史家E・H・カーの言葉ですが、『横浜1963』、『ライトマイファイア』、『真実の航跡』と続いてきた伊東潤の現代史小説に、私はカーの言葉と同じ精神を感じます。
伊東潤は、決して現代の価値観で過去を裁断しません。登場人物を現代の価値観に合わせて行動させたりもしない。あくまで、その時代の当事者の価値観と感情に寄り添う。それでいて、作品の根底には著者の現代日本に対する問題意識が一貫して流れている。司馬遼太郎、大岡昇平が残した優れた歴史小説も、また、そのような作品でした。
著者には幕末・明治維新が舞台の『武士の碑』・『走狗』・『西郷の首』という傑作があります。『囚われの山』は、これら三作品と『真実の航跡』(舞台は太平洋戦争)をつなぐ置石と感じています。
置石が線で結ばれ、骨太な伊東潤・日本近現代史観が完成するのを心待ちにしています。
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No.7:
(5pt)

『八甲田山死の彷徨』を読んだ人にもおすすめ

八甲田山遭難事件といえば新田次郎『八甲田山死の彷徨』が、それを原作とした映画と共にあまりにも有名ですが、そちらで知っている人にもおすすめ。
 新田作品による強い印象が定着している題材ですが、こういった切り口でも描けるのかと感心しました。そしてその有名な遭難事件に「謎解き」要素を組み込み、しかも「本当にあったのでは」と思わせるだけの見事な創作部分が本当に巧みです。ネタバレになる話を避けて紹介すると。ほとんどの人が「誤記か、それほど重要な意味はない」と考えてしまいそうな「一次史料の食い違い」に注目して一気に想像を広げた作品と言えるでしょう。
 そしてここに単に想像・創作と思えない凄さがあります。「なぜ軍は7月まで捜索を続けたのか?」。新田作品では全遺体収容後も2挺の銃が見つからず(実は他部隊が持ち去った)、それらの捜索が続けられる描写がありますが、現在ではこの2挺の銃はすぐに返還されていたことが明らかになっています。「では一体、軍は何を探していたのか」がこの作品の鍵となっています。
 主人公の周囲を描いた現代部分は史実重視派にとっては退屈かもしれませんが、よく読むと各所に作者のこだわりと遊び心(多分)が散りばめられており、それを探す楽しみもありかと。
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No.6:
(5pt)

自然の猛威

八甲田山雪中行軍遭難事件を元にしたサスペンス。地獄のような寒さの中、事件の過程で何があったのか?そこに現代の雑誌編集者が疑問を持ち解き明かそうと現地に踏み込む…。寒さと言うより痛みを感じる物語。肉体的にも精神的にも。人が何かに囚われ、もがき苦しむ様が普段の我々の生活にもあり、読者もその一人だと考えさせられる。
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No.5:
(5pt)

ユーモアすら感じられる拡がりのある八甲田山の話

私も40年近く前に、新田次郎氏の「八甲田山死の彷徨」を読み、群像劇に感動したものです。同時に、実は読んだ時が交通事故で入院先のベッドの中だったので、八甲田山で遭難された方々に、事故った自分に重ね合わせ、ズンと沈んでいたものです(笑)。
 「囚われの山」を読み始めた時は、この新田次郎氏の内容に近いのではないかという感覚でした。ご存知のように新田次郎氏は晩年は歴史小説家としても有名ですが、山岳文学の分野で歴史小説以上に有名な作品を幾つも残していらっしゃいます。その山岳文学と歴史小説の分野2つの強みが合体した新田次郎氏の最高傑作が「八甲田山死の彷徨」だと思っていました。
 その名作に果敢にチャレンジされた伊東潤氏のこの「囚われの山」は、群像劇に加え、新たな真実を発見する現代の若い記者がそれを見つけるまでの取材プロセスの描写や、現代の出版業界のリアリティが、更に話に拡がりと味わいを持たせています。
 ともすると深刻な思いで読み終わるこの山岳遭難の話。「囚われの山」はユーモアすら感じられる内容に仕上げられていることに読まれた方は驚くでしょう。
 是非ご一読ください。
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No.4:
(5pt)

八甲田山雪中行軍遭難事件の犠牲者の哀しみが迫ってくる

事件については知っている程度だったが、今回初めて「世界登山史上最大級」ということを知り、改めてこの事件の悲惨さを思った。
199人もの犠牲者を出した過程を、現代の歴史雑誌編集者のある種のメタ視点で追っていく展開に令和ならではの新鮮さを感じる。
終盤にかけてのクライマックスはまさに息をつけぬほど。この興奮を是非味わって欲しい。
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No.3:
(5pt)

知らなかった事実

八甲田山の事件については、ずっと以前に映画を見て以来ほとんど知りませんでした。
様々な知られていない事実に驚きつつ読み耽りました。
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No.2:
(5pt)

極寒の寒さを追体験

新田次郎を越えるが如くの極寒描写。
困難のときに人が選ぶ選択と失敗、それを知ることの重要性をひしひしと感じる。

慢心せず、油断せず、きちんをして臨む。
当たり前のことを行うことで、回避できる悲劇は存在する。
コロナのときに私達が体感した様々な出来事を思い出しながら読んでほしい。
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No.1:
(3pt)

「現在」は「過去」を引き立たせるための道具なのか?

「横浜1963」以来になりますが、同作者による「囚われの山」(伊東潤 コルク)を読み終えました。新田次郎の「八甲田山死の彷徨」、1977年公開の森谷司郎による映画化作品があまりにも有名ですね。
 歴史雑誌の編集部員・菅原は、廃刊危機の雑誌を立て直すべく、明治35年に起きた「八甲田山雪中行軍遭難事件」を取り上げ、現地調査に向かいます。そして、その調査の進捗に沿って、「過去」の事件が詳細に語られ、199人の犠牲者を出した遭難事件が青森第五歩兵連隊の多くの兵士たちの視点から再構築されています。有名な事件とは言え、ミステリ的要素を多く含んでいますので、その詳細を語ることができませんが、「何故、この悲劇が引き起こされたのか?」、「犠牲者は200人だったのでは?」という概算人数との相違という2つの大きな謎が提示され、虚実皮膜、その問いに対する答えが調査力と巧みな構成によって読者が納得のいくものに仕上がっているような気がします。
 但し、「過去」の事件の巧緻さに比べて、菅原を主人公とした「現在」の物語については、様々な違和感を感じることになりました。離婚に直面し、女性編集長との軋轢の中から事件に囚われていく菅原のキャラクラターは、中途半端なだけでなく傲慢さが垣間見え、共感しにくかった。加えてここで描かれている「恋愛」あるいはアヴァンチュールは、とても古臭いものに感じられました。現在の37歳は、とてもこんな風には振る舞わない。「いい女」に描きたい作者の意図に反して、女性編集長もまたあまり魅力的だとは思えませんでした。また、もう一人の重要な登場人物もとても中途半端なキャラクターが与えられていると思います。
 「現在」は「過去」を引き立たせるための道具なのか?それは、成功しているのだろうか?最後まで様々な疑問が湧き上がる読書になりました。
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