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野火
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野火の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.47pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全5件 1~5 1/1ページ
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最初の数ページが非常に良くかけているが、その後一気に文章の格が下がったように感じされる。筆者も最初の数ページは恰好良く書いたのではないか?内容はとても面白い。いつの時代にもありそうな話であるが、戦争体験者が書いたという所に意味がある。フィリピンに行って慰霊の塔に献花したくなった。日本帝国軍はフィリピンで蛮行したのは間違いないと思います。 | ||||
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自己の戦場体験を基にしたノンフィクション的作品かと思っていたのですが、読んでみると難解で哲学的な純文学作品でした。純文学的な多彩な比喩表現や心象描写が多いので戦場の迫力はあまり伝わってこない気がしました。本書のキーワードはタイトルの野火と神であると思います。野火については冒頭と最後に細かく描写してあり、何かを象徴しているのだと思いますがよくわかりませんでした。そして、十字架を目指して村の教会に入り込み、「デ・プロフンディス」という言葉を聞くシーンも最重要なところだと思いますが、この意味もわかりませんでした。そして最後は「神に栄あれ」という言葉で終わります。わからない気分で読み終えましたが、読み返してみようという魅力も感じませんでした。 | ||||
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衝撃的な戦争作品。ではあるが、表現が難しく、テーマも重く、心理状態に共感できず、あっという間に読み終わりました。 病気が理由で隊を外れ、一人孤独で退却し、行く先々で、飢えに耐え、恐怖で現地人も殺し、終いには、同胞も殺すという戦争中の極限状態の精神は想像を絶するんだろうとは思いました。 | ||||
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あれれ、解説に「しなかったのは何故か」とか書いてあるんだが能動的ではないとはいえしてるよな。 どういうことだ。 極限状態における人間のわがままさ、自分本位さを描き出す本作。 神だ信仰だとか言っても食欲にはかなわなかったよ、そんな話。 尊厳とかなんとか言っても所詮肉だし。 まあ私も完全に戦後世代で餓死戦死に近い状態など全く経験したことがないから、本作の描写が本当にそんなものなのかはわからないですが。 んで結局野火は何だったんだ。爆撃の目印? | ||||
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神に栄えあれ、という言葉で締めくくられる本書は、語り手である田村一等兵の言葉を額面通りに受け取るのであれば、極度の飢えから食人の瀬戸際にあった彼が神の力を得て救済される話である。実際、フィリピンの原野に神が遍在する様を称える情景描写は賛美歌のように美しい。また、神の意思の現前化としての「左手」のエピソードも非常な迫真力を持っている。 しかしながら、田村一等兵の背後に作者大岡昇平の目を意識すると、小説は違った相貌を見せる。田村というのは実際人肉を食しているにもかかわらず自分の意思で食べていないので自分は罪を犯していないと都合の良い理屈を展開する自己欺瞞的なご都合主義者であって、実のところ、冷静な判断力を失った狂人に過ぎない、という含みも作者大岡は持たせているように思われる。 本書が極限状況を経た人間の神への転身の物語、つまり一個の英雄譚であるならば、それは結局私には、よく出来たお話の域を出ないものだ。一方、本書が田村への批判の書であるならば、本書を埋めつくす麗々しい描写と知的にもっともらしい理屈は徒労感しかもたらさない。結局作者の論理とはどこに向かうのか、という疑問が残る。 訳がわからない、というのが結局の感想である。 | ||||
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