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残像に口紅を



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残像に口紅をの評価: 3.92/5点 レビュー 99件。 Cランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点3.92pt


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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全71件 41~60 3/4ページ
No.31:
(5pt)

超おすすめ

難しいけど、だからこそ面白く切ない
言葉の消失とともに言葉が生み出す全てのものが消える
残像に口紅をAmazon書評・レビュー:残像に口紅をより
4120017877
No.30:
(4pt)

一見難しそうな世界、仮定を巧みに描いている

一文字、二文字消えて少し違和感のある世界
十文字消えて身の回りの大切なものが消えていく世界
半分ほど文字がなくなって周りも奇妙さを感じざるを得ない世界
ほとんど文字がなくなって世界の体を成していない世界

狂気が波のように強弱をつけて、着実に読者の世界まで蝕むような表現に鳥肌が立ちました。
残像に口紅をAmazon書評・レビュー:残像に口紅をより
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No.29:
(5pt)

実験的な言葉遊び作品を探す誰かへ

"君は今後、いかに多くの音が失われようと、最後まで自然さを保ったままでこの本を続けなければならない。"著者の『虚人たち』と同系列に位置づけられる本書は、実験的な内容はもちろん、連載時の但し書き、文庫版巻末の他者による間違いを指摘した論文掲載などシュールさに満ちている。‬

個人的には、前述の『虚人たち』に加えて文壇への毒に満ちた『大いなる助走』なども以前に読んでいたことから、共通するブレないジャンルを軽々と越境する作風の自由さ、その一方で自分をネタにしても文学の枠を拡張しようとする真摯さは、やはり素晴らしい才能だと感じました。一方で女性の登場人物の従順で受け身な存在といった描き方には、あくまで【男性目線で】には古さと違和感を感じてしまいましたが。。

著者のファンはもちろん、実験的な言葉遊び作品を探す誰かにオススメ。
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4120017877
No.28:
(5pt)

実験小説だからすごいのではないのですよ ほんとに美しい

この小説は実験と美しさが両立してる。

まず実験の面から。
 筒井康隆さん『創作の極意と掟』刊行記念インタビュー
これで検索すると作者のインタビューが見られる。(講談社公式youtube/2018-12現在)
ここで、文字が消えていくという発想は(偶然)外国の小説にもあった、とはっきり言ってる。だからオリジナルではないのだが、
「言うは易く行うは難し」で、この制約の中で作品を作っただけでも怖ろしい執念だと思う。
しかしこっからが我々凡人と違って筒井康隆のすごいところ。なんと、一番使われそうな「あ」から消してしまう。
「あ」が消えれば、あなた・朝・雨・足・明日・愛する・あれあそこ・赤青・会う・兄姉・暑い熱い
およそ身近に使われている言葉が消えてしまう。
そして文字が消えていっていることをまったく感じさせないような驚愕の文章。
それを堪能するだけでも言葉ヲタクには楽しめるだろう。

そして、それで終わらない。純粋に小説としておもしろい。
言葉の消失とともに愛するものを忘れていく哀しみ。自分も壊れていく。ここが怖くてこの小説のキモなのだ。
とにかく美しい。
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No.27:
(5pt)

アメトーーク!を見てこれを筒井康隆を読む最初の小説にすると失望すると思う

これは作者の作家人生のセルフパロディ満載なので、初期のドタバタや多大なエッセイ、その後の作中で自ら嘯く古典的前衛への回帰、と変化を知ったファンなら物凄く興味深い。
ちょっとハイコンテクストすぎるので、もうちょっと初期の狂ったような作品とか、映画原作のものとか、懲りずに読んでみて。
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No.26:
(4pt)

すごい

もうひとひねり欲しかった、作者の能力不足などと揶揄している人がいるが そもそもこのような発想を持つこと自体が素晴らしいと思います。
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No.25:
(5pt)

挑戦的で、革新的

非常に挑戦的な作品。物語が進むごとに、音が一つづつ消えて行く。中盤までで、かなり音が失われているのにそれが感じられない。
解説が充実しており、最後に答え合わせ?もあるので、間違って使っている音を探しながら読むのも面白いかもしれない。
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No.24:
(4pt)

先生はやっぱり凄いです。

先生の作品はいつも驚かされます。さすがカズレーザーさん、ほれ込んで紹介してくれてありがとう。
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No.23:
(4pt)

なかなか時が細かい

まだ読めていませんが、読むのを楽しみにしてます。老眼鏡が必要かもしれない...。
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No.22:
(5pt)

暇な時に見てください!

文庫のトップに上がってたので購入しました。
内容は言えませんが、おもしろい文章でした。
ぜひ、読んでみてください!
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No.21:
(5pt)

言葉狩りならぬ音狩り

どんどん音が減っていく。だがさすが筒井康隆、彼の語彙力には人をうならせるものがある。
最後の最後まで、音が減っていることに気づかせないほどの語彙力、表現力の豊かさには舌を巻いてしまう
最後のラストの畳みかけには思わず手が震えてしまって程の緊張感と旋律がある。一読をお勧めする。
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No.20:
(5pt)

驚きの言葉遊び。さすが筒井康隆

言葉(音)がだんだん失われていく実験的小説。小説で使える言葉がだんだん減っていくので、最後まで小説の体をなしたまま行けるのか心配だったが、それは無用だった。言葉をたくさん知っている著書だから芸当なのは言うまでもない。もう見事としか言いようがなく、きっちりと最後まで読ませてもらい、読後は清々しさまで感じる。挿し絵がかわいい。
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No.19:
(4pt)

御大のプログレッシブな逸作

筒井康隆御大十八番のメタフィクション。
「世界から文字が消えていく」のコンセプトは、二昔前の作品ながら斬新でずっと前から目をつけていた。
詳細は避けるが、第1部終盤から第2部の冒頭にかけて些か冗長なきらいが否めないのだが、
読み遂げた折には、仕舞いまでやり遂げた著者本人のカタルシスが感じ取れる・・・かな?
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No.18:
(5pt)

とても良かった

申し込んだ翌日に届き、その速さに驚きました。良品を安価で手に入れられて大変満足です。
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No.17:
(4pt)

これは本当に凄い仕事

さすがに三部まで行ってしまうとRAPのRHYMEみたいだなぁという感じになってしまいますが、
二部の後半(例えば文庫で280ページ)くらいを開きパッと見たところで、
ここまでに多くの「音」が失われてるとは思えないほど、文書として普通の印象を受ける。
なんと恐ろしい語彙力であろうことか。
冒頭でいきなり「あ」を封じられているのに、情交場面を長回しで描くなど、余りも意欲的。
実験作が、きちんと”実験”として機能し、成果も出している、数少ない名作。

自分的に、これと「パプリカ」だけは今読んでも唸る作品だなぁと思う。
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No.16:
(5pt)

圧倒的な文章体験。秀逸なタイトル。

素晴らしかった!素晴らしさのあまり何度も読んでいる最中興奮して彼や友人に感想を伝えてばかりいた。久しぶりにこんな躍動的でワクワクして、言葉遊びを楽しめる文章に触れたなあ。そもそもタイトル自体が美しいじゃないか。「残像に口紅を」、だよ。
言葉がひとつずつ消滅していく。主人公の佐治のとる行動全てが書き手筒井康隆自身の行動でもあり、その挑戦をする姿勢が格好良い。だって普通の作家、こんなことしないもん。物語を描き続けていくことが作家だと思うもん。でも彼は試してみる。実践する。そして読み手の私はドキドキはらはらする。どの言葉が無くなったのか?今の世界は一体何が失われているのか?そして、消失したものを意識することによって、より悲しみと空白は増してしまうのか。
残像に口紅を、というタイトル。失われた影に化粧をする、美しくあれと捧げる紅。全てが消失してしまう最後、さてこの世界には何が残るのか。なにも残らない、という事実が残る?私の心の中に、何が残る?からっぽでがらんどうな文章?思考をぐるぐると巡らせても解らない、圧倒的な文章体験。秀逸なタイトル。
最後は言葉が少なくなってきたところで言い回しが複雑になっていたから、ちょっと疲れる部分もあった。だけれどもまた、時間を置いて再読しよう。楽しかった、ある意味文章のジェットコースター、波に乗っていた気分である。私はこういう人が「作家」だなあと強く思う。筒井康隆の本をもっと読みたい。
現実世界の皮をほろほろとはがされていくようで、実際の目に見える世界が歪むようで。SFなんて言葉で集約できない世界。言葉だけで綴る世界。なのに言葉を無くしていく世界。たまらない、すばらしい、すばらしすぎる。
偶然と幸福を噛み締めて、この本に出会えてよかった。年を重ねても、こんなにも躍動する出会いを経験させてもらえるなんて。
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No.15:
(4pt)

状態がよかったです

折り目などもなかったので非常に満足です。
ありがとうございました。
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No.14:
(5pt)

圧倒的な実力で捩じ伏せられました

私はわりと近年の作品ばかりを読む向きで、筒井作品も数冊しか読んだ事がありませんでした。が、これを読んで格の違いを思い知らされてしまいました。
世界から音が1つずつなくなっていくという趣向の小説で、消えた音を使って叙述される物も同時に小説世界から消えていきます。メタフィクションのため、このアイディアでできそうな事を端から網羅している感があります。
言葉が消える事による作中世界での混乱をユーモラスに描き(第一次元)、次に消える文字の物がこれでもかと出てきて読者に予測させるちょっとしたゲーム性や、叙述の不可能性を逆手に取った文章の面白みを描き(メタ次元)、文学として制約の上で表現の豊かさを探ったり(メタメタ次元)。
特にこの、ただ単に単語や言い回しを言い換えるだけではなくて「いかに表現するか」「あたらしい文体が生まれるのではないか」と格闘する姿勢に、底なしのバイタリティを感じます。あくまで攻めの姿勢なんですよね。

また、物語としての余韻も鮮やかです。
セカイ系という言葉はもう古いのかもしれませんが、主人公の個人的な都合で世界が崩壊というのは、そういうことですよね。破滅が約束された世界での物語というのはどうしても胸が苦しくなります。
オチの付け方も目が覚めるようなものでした。私はもっと開かれたラストをぼんやりと予想していたのですが、なるほど、こう示されると、これがあるべき結末だなと思います。奥付を眺めながら呆然としてしまいました。

あと挿絵も面白いです(よく見ると切り取られてない部分も字の形になってる)。収録を判断したのが誰か知りませんがグッジョブ。

SFや実験小説は特にそうだけど、いかにマスターピースと呼ばれる作品でも、時間が経つ程ありきたりになっていくものです。でも、この名作に「過去の」という言葉が冠されるまでには、まだまだ21世紀の文壇は盛り上がる必要があると感じました。
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No.13:
(4pt)

残された文字の選択

「あ」がまず消えて、最後に「ん」が消える。そんな文字が消えていくスリリングな体験を味わうことができる唯一無二の作品。作者は執筆にあたり、消す文字の選択順についてどのように考えたのだろうか?残したい文字から選択したのか、消したい文字(消すと面白い文字)から選択したのか?筒井康隆の事だから、きっと後者だろうな。
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4120017877
No.12:
(5pt)

作中で遊ぶ著者と読者

実験の趣向よりも著者自身がこの試みの意味に疑問を感じているように読める点が面白いところです。例えば主人公・勝夫(=筒井康隆)が「読者はどのような展開を望んでいるのか」と考えたり、この試みが終わったとき俺は作家として飛躍できる、と自分を鼓舞している点などでそう感じられます。また登場人物が何度も目の前で消失したり、ボキャブラリーが貧困な人々が登場しオタつく姿を何度も描く点などは大衆(=友人の津田=読者)迎合的です。

その中でも勝夫の自伝の部分は秀逸です。例えば「エリート意識」の「え」が消失しているので「おのれの高貴さを衒い、学を衒い、生まれや家格を自慢し」を言い換えている点は著者のエリート意識への嫌悪をかえって強調することに成功しています。また自伝の途中で「は」を消失させ「男親、女親」を「男、女」とそっけなく言い換えた点は著者の両親への感情を良くあらわしています。

このように小説の裏にいる著者を意識して読めば本書の中弛み感も楽しく読めるのではないでしょうか。
残像に口紅をAmazon書評・レビュー:残像に口紅をより
4120017877

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