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罪の段階
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罪の段階の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.00pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全3件 1~3 1/1ページ
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作者が圧倒的な筆力を持っている事は認める。 また、男性でありながら、これだけ女性の問題全体や個々人の心のヒダまで微に入り細に亘って客観視して描写出来るのも脱帽する他ない。 こんな男性も居たのかとすら思う。 なのに、 読んでいる最中と読後の気分の悪さ。 登場人物数人のありのままの下劣さに心暗くなる。証拠のテープの内容も同じ起因で気分が悪くなるのである。 弁護人クリスは、弁護以外にも大変な重荷を担っているにも関わらずけなげに耐えて逸脱せずなんだか模範的過ぎてリアリティがなかった。 カーロも犠牲者として人間が出来過ぎている。 そして、この2人の「親子」関係も。 ただ、読ませるのに気分が悪いというのは、 本作のみならずこの年代からの「法廷サスペンス」の他作品にも見てとれる共通点でもある。 なにがしか気分が悪い。 人間が美しくない。 人間とはいいものだと思える作品が少なくなっている。 時代が反映されているのかとも推測する。 なぜなら例えばクリスティの法廷モノであれ何であれ そういう気分の悪さは無いからである。 むしろ、被害者であろうと加害者であろうとも、否そのどちらかに本質的な違いがあるのかとでもいうような人間である事自体への憐れみや慈しみが全編を貫き深い感動を呼ぶ。 エキセントリックさなど無しにである。 そこに時代の違いと作者の度量の違いを感じる。また、クリスティは女性として自分の事も含めた問題は別の「女性小説群」で描いている。中でも「春にして君を離れ」は10代以来の永遠の愛読書である。 ここまで書いて気づいたが、 本作の作者が女性の問題や心理に慧眼で有る事で、本作で女性の問題が材料にされている気もする。 なにしろ本物の弁護士なので材料には事欠かないだろうが、本物の人間の悲劇を小説の材料にしないで欲しい。 「子供の眼」も買ってしまった。 アタマを抱えている。 追記 今、「子供の眼」冒頭をほんの少し読んで感じたこと。 薄々感じていたが、本作のみならず1990年代〜特に2010年以降は「サスペンス」や「ミステリ」に限らず小説というツールに限定されず、TVやネットで配信される映画やドラマも流行りの歌も人間讃歌を視野になど入れて居ないではないか。 どれだけ人間が醜くて脆弱で卑怯かを争って訴えている。(中にはそうで無いのもあるが良作が激減)。連続殺人やサイコパスのオンパレード。 対極に「愛とロマンとファンタジー」の安売りがある。 その現象が示す現在の人間社会の酷薄さが恐ろしい。 間違いなく文学を含めた表現の在り方は時代の反映だ。もう、無いモノねだりはやめようと「逝きし世の面影」(この本自体は評価しない) に回帰して救われたい自分を痛切に感じる。 | ||||
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何回もやめようと思いつつ、まだ上巻の終わりあたり。 女性読者は特にではないかと思うが、主問題のレイプの件のみならず、読めば読むほど辛く暗くなる。醜悪さに吐き気すらする。 レイプ、父親や夫からのモラハラやDV、強要された幼児性交のトラウマ、不仲を通り越している夫婦関係、救いのないバイセクシャルな女同士の関係etc その上、この物語りには愛せる人物が居ない。 子供はひたすら被害者だし、ずっとこの人の事を追いたいというキャラクターが不在。 弁護人も被告人も信用ならず、強かモノ揃いのスタッフの検査メンバーにも疲れる。 女性の監視官だけは好意が持てるが、今のところ主要メンバーではない。 被告と弁護士が子を成した元愛人関係で互いに信頼関係がないのに「弁護士と被告の関係になっている経緯前提」である事から2人の間でウンザリするやり取りが繰り返される。 そとそもその経緯も不愉快。 真実を知らされて居ない子供の気の毒で仕方ない。 全体としてダラダラと話しが続く。 爽快感はまるで無い。 最後の「法廷劇」に行くまでこの本を読み続けられるか不明である。 追記 300p終盤から少し話しが込み入って来て、興味を惹くようになつた。 そして、弁護人クリスな助手のテリが「友人」 に格上げとなり、魅力的な人物として輝きを放ち始め、各者の人物造形も変化しそうである。 引き継ぎ読んでみる。 (ここまで読んだらだがテリには爽快感あり。) | ||||
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超有名女優と偉大なる大統領との醜聞。セレブな弁護士である主人公。セレブニュースキャスターの被告。そして有名作家によるレイプ疑惑。 そんな派手な道具立てと、ドラマのシナリオっぽい文体で、えがきたかったものは結局「家族ばんざい」なんだね〜? ……そんな、アメリカ人の妄想をこきまぜて練りに練ったような小説です。 法廷物ということだが、サスペンスもロジックもトリックも大したことはありません。 セレブなキャラクターまみれな割に、テーマは「家族」なもんだから物語の展開する半径も小さい。 そして法廷で延々争われるのはレイプ疑惑。 セックスセックスセックスセックスたまにレイプ、たまにレズ、たまにインポ、たまに家族愛……ぐったり。 読後受ける印象はこんなところ。 登場人物たちが心から愛しているという子供たちも結局は、しょーもない欲情の産物なんだよな〜、と、なんとなく捨てばちな気持ちになりました。 そんなところがアメリカ人の琴線にヒットしたのかしら。 | ||||
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