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石の血脈
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【この小説が収録されている参考書籍】
石の血脈の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.09pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全32件 1~20 1/2ページ
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半村良は 大フアンです。 この注文方式は、この本は持っておらず書店に行かれない場合には、最高ですね。 | ||||
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1963年に新人賞公募で3席に入選デビュー、その8年後に初の書籍発行で短編集と長編を同時に出版、その初の長編がこの「石の血脈」だそうです。最初から500ページ超の長編とはすごいですね。 吸血鬼伝説、イスラムの暗殺教団、狼男、狗神、クロノスの壺、古代の巨石信仰、サンジェルマン伯爵など、怪しい要素をふんだんに盛り込んだ伝奇小説です。 これらキーワードは好きなものばかりなんですが、結論から言うと作品としてはいまひとつでした。 ものすごい量の知識をお持ちなのはわかります。が、スケールの大きな話を作ろうとしていろんな要素をぶちこんだものの、実際の舞台は東京の真ん中だけ、半村氏が長い間バーテンダーの職をしておられたという夜のバー街、それにリッチな邸宅やマンション、大企業の役員室、そして怪しげな会員制クラブのようなところだけ。登場人物もほぼ日本人ばかり。広げた大風呂敷の中身は小さなものでした、という感になってしまいました。 数えてはいませんがたぶん3分の1強は濃厚なセックス・シーンでもうお腹いっぱいです。吸血鬼化するのに絶対必要な過程というのはわかりますが、こうも同じようなものを延々と繰り返されると・・。小松左京氏などもそうですがこの時代の作品にエロシーンは絶対必須のようで、逆にそれがすぐれた作品を損なっている気がします。悪い意味で昭和の男臭きついです。 吸血鬼が石化してケルビム化し、何千年の後に再生し永遠の命を得るというアイデアは、果てしない時間と永遠を感じさせて秀逸です。そしてそれは果たして完遂されるのか・・。最後の章はとても好きです。 セックス・シーンを削ってポイントを絞り、長さを半分くらいにすればよかったんじゃないでしょうか。妖しい欧米風を盛り込んでいるにしては泥臭い。個人的にはもう少し洗練された雰囲気が好みでした。 | ||||
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シーア派分派“暗殺教団”、シュリーマンの伝説、アトラントローグ、古代巨石文化など前半の布石はそれなりに面白いが、吸血鬼や狼人間、際限のない官能乱交が続く後半は”伝奇物”とはいえ全く興醒め。 | ||||
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昔、学生時代に読んだことのある作品ですが、再読すると結局、昔の恋人が外国旅行に出かけ色きちがいになり、主人公も恋人に色きちがいにされ、周囲に色きちがいを伝播させていくというストーリーです。吸血鬼や狼男が出てきて、それなりに面白いのですが、最後は、なんともやりきれない結果になり残念でした。もっと違う結末はなかったのでしょうか。アトランティスと暗殺教団の関係は途中でうやむやになりました。 | ||||
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「ある気鋭の建築家が、妻の不審な動きに気づく。そして、妻が他の男に抱かれる現場を見てしまう。彼はそこから、美男美女たちの快楽の宴の世界に巻きこまれる。これに吸血鬼伝説や狼男伝説が絡んで、事態は思わぬ方向へ展開する」 と要約したWikiには無茶がある。同じ文字数だとどう描けるか。 「この社会を裏側からあやつる闇社会が、オカルトの体系に基づいているとしたら…吸血鬼や狼男は、不死のための装置であり、建築とは最大の神秘を隠すオカルトためのモニュメントということになる、という“伝奇ロマン”の嚆矢作」 或は、 「永遠の生命や無限の財宝と引き換えに人間をやめることができるか?或は、人類の欲望を完全に満たす世界を現世に出現させることを至上と考える者たちによってこの世界が支配されているとしたら、という問いに真っ向から対峙した物語」 なんてのはどうだろう? 半村良が「幻想文学」誌上で、50歳のときに次のように語っていた。 芥川の場合だって、一高、東大というコースを進んだために、非常に純文学的な形をとっているけれど、彼の作品にはかなりそういう伝奇性の強いものがありますよね。だからあれ、もし家が貧乏とかで僕みたいに三中だけで世間に放り出されたりしていたら、いわゆる伝記作家になってたかもしれませんね。 へー。 | ||||
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この作品、ハードカバー版を買ったのは、ぼくが高校生のころだった記憶している。 地方ネタで恐縮だけど、福岡市天神地区、天神コア(地元で有名なデパートのひとつ)に入っていた紀伊國屋書店 で購入した。ついでにいうと、この天神コア、今年地域再開発のため、その歴史に幕を閉じる。 僕の「半村良体験」は、現在とちがってマメに目を通していた「SFマガジン」に掲載された諸作品、「およね平吉 時穴道行」「組曲・北珊瑚礁」「農閑期大作戦」「戦国自衛隊」「わがふるさとは黄泉の国」等であった。今にし て思えば、じつにナイスなタイミングで「SFマガジン」を購読していたものだとその幸運に感謝するしかない。 でもって、この「石の血脈」との出逢い!その後、SFを読み続けることになった僕であるが、そのキッカケをつく ってくれたのがこの作品だと断定してもかまわない。 恩人ならぬ、恩書である。 蛇足ながら、本作品の執筆事情については、「超古代文明論」(徳間書店1997年)において、当時の編集者で ある南山宏のコメントが参考になる。 | ||||
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古代の宗教儀式、巨石信仰、吸血鬼、狼人間、犬神神話などの話題を盛り込んだ半村氏の一躍マスコミの注目を浴びた一冊。恩田陸さんが推薦していたので読み始めたが、日本のエンターテイメントの代表作の一つといえると思う。 | ||||
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半村良にとっては初期の作品だが、かなり読みごたえのある長編小説である。登場人物が多く、それぞれが個性的なキャラクターになっており、執筆当時の社会的世相がよく分かる。かつて角川が映画化を検討したものの、断念した作品である。作品を直接手に取ることで、半村良の世界に入っていくことが必要である。 | ||||
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まず第一に、前半最高、というか構想が本当に素晴らしい。 アトランティス、吸血鬼、狼男、暗殺教団・・実にさまざまな要素を放り込んでいるのに、混乱なくすっと話に入り込まさせる辺りは感動的ですらあります。 伝奇的なコンテクストでは非常に楽しめるので、これらのキーワードにピンと来た場合は読んでみる価値ありです。 ただ難を挙げるとすれば、後半。広げた風呂敷の巻き方がもったいない。実にもったいない。伏線回収だけでもう1冊くらいボリュームを増やしてもいいのにー。 ネタバレながら具体的に言ってしまうと、犬神=狼男を軸にした後半の展開がやや拍子抜けというか、 緻密に構築された組織を、そんな力技で崩壊させちゃうの・・?と肩透かしを食らった気分になりました。 あと、発表された時期を考えると致し方ないのかもしれませんが、現代医学的なリアリティを考え過ぎちゃうと、若干不自然さを感じるかもです。 | ||||
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これを面白いと言って良いのか? ペダンティックともいえる知識を基に書かれてはいるが、単なるSFなのか、エロなのか、最後は消化不良。 勧めない。 | ||||
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オカルトあり、宗教あり、エロはたっぷり。 いろんな要素が盛り込まれていて、とても楽しめた。 この本の初版は1971年、今から45年も昔。 読んでいてまったく古さを感じなかったが、そういえば携帯やパソコンが出てこなかったなあと後になって思った。 | ||||
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私とすれば、最期が納得いきませんのです。とはいえ、アトランティス、巨石、暗殺教団、吸血鬼、狼男等々、普通の小説にすれば、楽に3冊は書けるほどの材料を放り込んで、まとめ上げるなんて、博識で、相当の労力を要する、ほとんどすべてをかけるようなお仕事です。でも、その後。「産霊山秘録」、「妖星伝」などを書き、「雨やどり」で直木賞を獲ってしまうのですから、この作者の本当の力量たるや、物凄いものがあると思います。 | ||||
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性的要素をふんだんに取り入れた伝奇小説。 著者の本質は、矢張り物語作家でありSF作家と云うよりはSFを物語に(特に伝奇小説に)取り込んだ作家と云えるだろう。著者が目指したのはSF伝奇ものの確立ではなく伝奇ものの復権だった気がする。本作の性的要素にしても、戦前戦後のエログロの復権と云える。物語性に見られる面白みに背を向け社会性だの何だのと喚いていた低脳評論家達を尻目に、物語としての面白さを知らしめる伝奇小説として本作は書かれたのだろう。 | ||||
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さすがに半村良さんです。 十分に引き込まれました。 名作だと思います。 | ||||
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中盤でのなぞ、なぞが深まる、なぞの真相。おもしろかった。 もう少し、凝った結末がほしかった。 | ||||
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絶賛レビューが目立つので期待して読んだが、面白くなかった。 最初はワクワクした。しかしそれだけだった。 設定から予想されるような壮大な話にはならず、セックスセックスセックスセックスセックス! もういいよ、不老不死でも吸血鬼でも勝手にやってろ。 | ||||
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怪奇小説。 主人公は建築の権威であった今井の弟子で、夏木建設の若き設計課長である美青年・隅田。隅田は夏木建設の専務の娘・比沙子と結婚し、その実力も広く知られ、将来を嘱望されている。夏木建設が伸びたのは東日グループの仕事を多く受注したからで、そもそも今井がのし上がったのも本人の実力もさることながら東日とのつながりがあったことも大きかった。 そんなある日、隅田の新妻である比沙子が失踪。隅田は、友人の会沢(建設会社社長で半分ヤクザ)の協力のもと比沙子を探す。その一方、野心家の隅田は、今井のように東日やその最大発注元であるQ海運につながっていければ、建築の世界でのし上がっていける・・という底意もある。 そんなとき比沙子が東日会長の三戸田にかくまわれていることが判明。また、今井は三戸田のためになにかを設計していたらしいが、それを引き継ぐべく隅田も三戸田のもとに出向する。ここで、学生時代の恋人である香織に再会。香織は三戸田すらしたがえている。隅田はこのとき飲まされた薬に導かれるように香織と交わり、香織にすっかり支配されてしまう。 香織はアルバニアに行ったとき、ケルビムとよばれる石人の蘇生に立ち会い、ここで病液を受け取った。この病液は性交を通して、隅田や三戸田、さらには、三戸田と交わった比沙子にもつぎつぎに感染し、彼らは異常性欲を得たあと、石化し、数千年の眠りを経て不死化することになる。ただし、近親相姦をすると獣性発現し、狼人間になってしまう。香織の実弟・次郎は狼人間にされている。狼人間は、命令に絶対服従。更に、Q海運のボスは、4000年前にケルビムから蘇生したサン・ジェルマン伯爵。今井はケルビムの安全保存のための施設の設計を要請されていたらしいが、これを断って自死したらしい。この設計を隅田が受け継ぐ。 組織の秘密を守るため、会沢は殺され、カメラマンで同じく隅田を探していた伊丹は香織と交わるが、伊丹は狼人間になってしまう。どうも異母兄妹だったらしい。隅田はすっかり不死のエリートになることに夢中で伊丹とは衝突。隅田の仲間たちは順次石化し、眠りに入るが、伊丹と次郎は「命令服従」のくびきを自己催眠で破り、つぎつぎとケルビムを破壊する。石化のはじまった伊丹も狼人間たちに殺されそうになるが、すでに石化していた比沙子の捨て身の妨害により一人だけ助かる。 暗殺教団とかシュリーマンの話とかいろんなものをあれこれ盛り込んでいるので、けっこうややこしい。 | ||||
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この作品にこめられているのは 人の欲の底なしさ、でしょう。 まずこの作品が1作目立った自体が驚きです。 そして前半部はミステリー、 陰謀が露見してからは伝奇小説とがらりと変わるのも 実に印象的。 この作品の大きなテーマは「死」でしょう。 しかしながら死、とは言いましても 普通のしではないところがこの作品の鍵。 それゆえに狂乱に甘んじてしまう人々の悲しさ。 その描写がグロテスクさ、すら覚えてしまいます。 ですが、たった一人、それに異を唱えるものがいたのです。 それゆえにこれらの陰謀は最悪の形ですが 何とか日の目を見ずにすんだものの… 著者は亡くなられましたが 今の世界を見て、きっと畏怖すべきことが 起き始めている、と感じていたでしょうね。 感想を書くのが難しく かつ深い作品です。 | ||||
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ダビンチ・コード以来、歴史上のホラ話を絡めた歴史ミステリが人気ですが、本書の前半もまさにそのノリで、かなり面白く読めます。 冒頭のコソ泥が目撃する謎の超人、死んだ建築家を巡るトンデモ推理をする編集者など、一気に読ませます。 ただ謎が解けた後の後半は、前半に充満していたホラ話のワクワク感が消えて、どろどろとした愛憎劇で平凡なドラマに堕ちたように思えます。 また、未解決の伏線も多く、作者は続編を考えていたのか、あるいは単に書きながら考えていて漏れたのか、突っ込みどころもかなりあるので、まじめな人には向いていないかもしれません。ただミイラ取りがミイラになる展開も含めて、ホラ話が好きな人なら、今読んでも十分に楽しめるエンターテイメントだと思います。 | ||||
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序盤はミステリーテイストで見えない組織に妨害されながら調査を進めていき、 後半は不死にまつわる闇の闘争と悦楽の世界が描かれます。 後半は急におどろおどろしい世界に突入していきますので、前半の流れはどうなった のかと、やや不安になりますが、これはこれで面白いので良しとします。 半村良らしい作品であることは期待通りですが、主人公の友人達の動きが歯がゆく、 彼らをもっと真相に肉薄させていればもっとスムースな流れになったのではと思います。 ネタバレになるので詳しく書けませんが、後半の妖しさが半村良の真骨頂であり、 この作品の肝でもあります。ラストがあっけないのもらしいと言えばらしいです。。 アトランティスやメガリスなど、うまくストーリーに取り込み、雑学としても興味 深いです。 | ||||
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