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死にゆく者の祈り
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死にゆく者の祈りの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.84pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全23件 21~23 2/2ページ
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私は作者の作品を初めて手にした者です。正直、購入を戸惑いました。死刑という大きなテーマと教誨師が主人公。死刑執行がどのような段取りであるのか知っているだけに正直、戸惑いました。学生時代の友人が命の恩人であり、そして死刑囚になっている。そして、自分は僧侶とし教誨師として再会し対峙する。本来ならこの本なら2時間あれば読めるのですが、3日かかりました。大概、そういう場合は中だるみを起こしてつまらないからです。でも、今回は違います。ミステリーとしては、格段に素晴らしいです。ただ、途中、途中で気持ちが折れそうになるのです。こんな経験は初めてです。それは作者がそれだけ物語に惹きつけさせる、読む者を飲み込む作品を紡ぎ出したからに他なりません。ネタバレしてはいけないので詳細は記載しませんが、ラスト50頁あたりから、二転三転する真実に打ちのめされ、本当にジットリと手に汗をかき、主人公の焦燥感、絶望と希望、またやってくる希望と絶望、まるでサラサラと砂が手のひらから滑り落ちていく、掴んでは逃がしの繰り返しで呼吸を忘れるぐらいでした。私自身、小説は読み慣れています。しかし、書斎で読んでいたのですが、エッて大きな声で驚きの声を出し、本を落とし、大きなため息をつき最後、静かに泣き出した。共に暮らす愛犬が1番、動揺したと思います。それぐらい心が震えました。人生を生きるとは、過去と向き合い現実から逃げないという事はラスト、突きつけられます。とにかくこれこそ渾身のミステリだと思いました。 | ||||
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海外ミステリに親しんだ頭が久しぶりに日本版にリセットされるという衝撃に見舞われた。筋立ては先の書評子さんに詳しいが仏の世界で俗世の因縁から逃れられない若き僧侶の心の襞をとことん追いかけていく様に読み手も一緒になって悩むことになる。ミステリの約束事としては真犯人が突然自白するなどいささかドタバタの〆に物足りなさがあるが、それはどうでもいいことで、現代日本の若者がいかに生きるかを懸命に模索する純粋さがページから湧き上がってくる。いい本に出合えた。 | ||||
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死刑囚の教誨師は大学時代の親友だった。死刑囚の人間性を知っていた教誨師は、犯罪に疑問を持ち、死刑囚と向き合う。意外な事実が判明する。教誨師の犯罪への疑問と死刑囚の人間性への確信がこの作品のモチーフである。犯罪の真相が暴かれるという点においては、ミステリー小説であるが、死刑囚と教誨師の対話から究明される真実に着目すれば、このミステリー小説は見事な文学的作品である。宗教と無縁であった教誨師はなぜ僧侶になったのか?犯罪とは無縁な、登山部で大学時代にこの教誨師を命がけで救った男のその後の人生に何が起こったのか?これは書けないが、文学作品として本当によく描けている。是非、読んで欲しい傑作である。久しぶりに心を震わせる作品に出会ったことを喜びたい。 お勧めの一冊だ。 | ||||
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