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おれの中の殺し屋



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【この小説が収録されている参考書籍】
おれの中の殺し屋 (扶桑社ミステリー)

おれの中の殺し屋の評価: 4.33/5点 レビュー 12件。 Bランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点4.33pt


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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全12件 1~12 1/1ページ
No.12:
(4pt)

己の異常さを認識しながら望むように破滅へ向かう男

人に話せば理解されないと分かっている自分の思考を抑止できない現実。
主人公のとった行動が殺人である為に感情移入ができなくても他の事に置き換えた際にすんなりと自分の中に入って来る。
残酷な描写の連続が注目されがちな作風の奥にある誰にも共通した諦念と空疎さ、良心と相反する残虐性。
日常暮らす複雑な人間関係に絡めとられながらそこから出て行く事ができない現状…だからこそ小説の中に自身を投影できる。
「大抵の作家は言葉を必要以上に虚飾して訳が分からなくさせている。」そんな事はないだろうが、そういう言葉を放つ作家の文章も又強烈であるので時には感興をそそる。因みにルー・フォードは「荒涼の町」で強烈な存在感を纏って再び登場する。

「内なる殺人者」よりこちらの題名が嵌る。
おれの中の殺し屋 (扶桑社ミステリー)Amazon書評・レビュー:おれの中の殺し屋 (扶桑社ミステリー)より
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No.11:
(5pt)

ダイムストアのドストエフスキー

ノワール小説の代表的作家と言われているだけあって面白いです。主人公のルー・フォードのなんとなく上手く立ち回れているようでいないところから、結末に向かってどうなるんだろうとテンポよく一気に読んでしまいました。本編も面白いですが、巻末の解説をスティーヴン・キングが書いてあり、ジム・トンプスンが活躍した時代のことがわかってなかなか良かったです。
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No.10:
(2pt)

好きになれない文体でした。

ただただ殺し、自己弁護を続ける。  アメリカの片田舎にはこんな話がごまんとありそうで、気持ちが悪くなりました。
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No.9:
(4pt)

キラーインサイドミーを見た

映画を見てから興味を持って、読んでみた。昔の懐かしのハードボイルドだった。
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No.8:
(5pt)

安物雑貨店のドストエフスキー

"The Killer Inside Me"は、河出書房新社から村田勝彦によって『内なる殺人者』
の題で、扶桑社から三川基好によって『おれの中の殺し屋』の題で、訳されている。

19章
"And windows started banging up and doors slammed."
村田訳「窓とドアが次々と勢いよく閉まり」
三川訳「すると窓やドアが音をたてて開き」

20章
"About all I could get down was part of a piece of toast and two-three cups of coffee."
村田訳「のどを通ったのは、トースト一枚の一部とコーヒー二、三杯だけだった。」
三川訳「トーストを一口とコーヒーをカップに三分の二が精一杯だった。」

22章
"and she wouldn't have opened her mouth more than twice before she was run out of town."
村田訳「それに、彼女は町を追い出されることになれば、その前に必ずしゃべったはずだ。」
三川訳「二言発する間もなく彼女は町を追い出されていただろう。」

25章
"because you planned this moment before eternity way back yonder someplace."
村田訳「というのは、この永遠の世の直前の瞬間のことは、すでにはるか昔に計画ずみだったからだ」
三川訳「このことは気の遠くなるほどの昔に、どこか別の場所ですっかり計画済みだったからだ。」

19章、20章の引用箇所に関しては、村田訳が正しく、22章、25章の引用箇所に関しては
三川訳が正しいだろう。
しかし、村田訳は誤訳箇所か否かにかかわらず、日本語としてこなれない、あるいは意味
の通らない文章が目に付くのに対して、三川訳は誤訳箇所であっても日本語としてこなれ
た意味の通る文章である。
文体も三川訳は「ペイパーバック・オリジナル」「パルプ作家」「ダイムストア・ドストエフスキー」
の小説家に相応しいと思う。
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No.7:
(5pt)

キューブリックも逃げた鮮烈なパルプノワール

ある保安官助手が自分の心の暗部を自覚しながらも冷酷に人を殺していき、最終的に破滅するという強烈な作品。人間だったら誰でも持っているであろうダークサイドを一人の登場人物に凝縮して描いた驚異の物語。ジョン・ル・カレもかって「パーフェクト・スパイ」で一人のスパイが自分の暗部を自覚するという小説を書いているけど、鮮烈さや強烈さではこちらの方が上かもしれない。かのスタンリー・キューブリックも本書を褒めといて映画にしなかったそうだけど、「2001年宇宙の旅」で画期的な宇宙像を映画にしたが本書のような歪んだ人間の内面宇宙は映画に出来ないと思って逃げたのかもしれない(自分の映画の脚本には参加させたそうだが)。特に最後に一人称で人格が崩壊していくところなぞ凄まじい迫力。そのキューブリックと仲の悪かったスティーヴン・キングも手ばなしで賛辞を呈しているけど「ゴールデン・ボーイ」を書いた時も本書が念頭にあったのかも。あるミュージシャンがトンプソンのファンだけど強烈すぎて一年に一冊しか読めないと語っていたけど私もそう思う。聞いた話だと担当編集者からアイデアをもらって速攻で書いたそうだけど、とてもそうは思えない緻密に構築された小説。読み捨てペイパーバックではすまないクライムノヴェルの古典、パルプノワールの傑作、といかそんなお上品な言葉など寄せ付けない凄まじい小説。これを読んで何とも思わなかったら真に人間性を理解することは出来ないと思われる。
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No.6:
(5pt)

彼の個性の発揮・発現が殺人

田舎町の愛想の良さを装うルー・フォード保安官助手は、
恐るべき殺人者の顔を持っていた。
宿敵の息子、可愛がっていた不良少年や自分の恋人へと
犯行をエスカレートさせる彼の赤裸々な語りを聞いてやって下さい。
「おれは…」の一人称で語られる彼の内なる叫びは、人間関係や
処遇の不満を暴発させたものではなく、彼の個性の発揮・発現が
殺人であるということを思い知らされます。
ジョー・R・ランズデールの「テキサス・ナイトランナーズ」とも違う、
ジェイムズ・エルロイの「キラー・オン・ザ・ロード」とも違う
ジム・トンプスンの世界を堪能下さい。
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No.5:
(5pt)

アメリカの田舎の保安官助手がサイコ・キラー!

アメリカの田舎の不気味さはスティーブン・キングの小説のネタのひとつですが、キングの場合、スーパー・ナチュラルな話の前振りに過ぎません。本作はスーパー・ナチュラルな話ではなくシリアル・キラーの話ですからもっと怖いです。アメリカの田舎って未だに保安官、シェリフがいるんですよね。きっと町の有力者の息がかかっているんですよね。それだけでもちょっと怖いです。本作のシリアル・キラー、サイコ・キラーは保安官助手です。しかも一人称で語られたんじゃ、怖くてたまりません。彼に比べれば「羊たちの沈黙」のレクター博士なんて、いかにも作り物で、よく考えればあんまり怖くないですよね。
トンプスンの定石どおり、普通ここで終わりだろうというクライマックスの後の後日談がぶっ飛んでいます。トンプスンの心の闇も深そうです。
ジム・トンプスンに比べると、同時代のレイモンド・チャンドラーやミッキー・スピレーンはまだ健康的ですね。
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No.4:
(5pt)

1952年の作品!

訳者が勝手に都合のいい翻訳をしたのかと思った。そんなくらいに
話がどんどん進んでしまう。書かれたのが1952年というからこれ
また仰天である。チャンドラーがまだ生きていて、スピレーンのマ
イク・ハマーがまだまだ健闘という時期だ。
数あるクライム・ノヴェルの中でこんなにドライなタッチで、しかも
50年代当時よりも今日の方に生きていそうな主人公を描いている。
どす黒いものを抱えながらあまりに淡々としたその生き方(殺し方)
に次第に魅力さえ感じるようになってしまう。
2000年に注目されていたが、何度もライトアップされるべき
作家だ。
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No.3:
(5pt)

傑作の再登場

最近再評価の気運が高まってきた、ジム・トンプスンの傑作が再登場。この作品は以前、河出書房社から『内なる殺人者』という題名で出版されていたものが新たに訳を改めて登場です。この作品には著名人のファンも多く解説を書いているスティーブン・キングはもちろん、映画監督のスタンリー・キューブリックも惚れ込んでいたようです。そして今度の新訳にはキングの解説もおまけでついています。ただこの解説がくせものです。たしかにトンプスンの作品がいかにすごいか、そしてどのような部分が大事なのかを指摘してくれます。ただ作中のネタバレも多少しているので先入観をもって読みたくないかたは、読まないほうがいいと思います。またこの作品と設定が少し似ているジェイムズ・エルロイの『キラー・オン・ザ・ロード』もお奨めです。どちらもシリアル・キラーが主人公で読み比べるのも楽しいです。
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No.2:
(5pt)

傑作の再登場

最近再評価の気運が高まってきた、ジム・トンプスンの傑作が再登場。
この作品は以前、河出書房社から『内なる殺人者』という題名で出版されていたものが新たに訳を改めて登場です。
この作品には著名人のファンも多く解説を書いているスティーブン・キングはもちろん、映画監督のスタンリー・キューブリックも惚れ込んでいたようです。
そして今度の新訳にはキングの解説もおまけでついています。
ただこの解説がくせものです。たしかにトンプスンの作品がいかにすごいか、
そしてどのような部分が大事なのかを指摘してくれます。
ただ作中のネタバレも多少しているので先入観をもって読みたくないかたは、
読まないほうがいいと思います。
またこの作品と設定が少し似ているジェイムズ・エルロイの『キラー・オン・ザ・ロード』
もお奨めです。どちらもシリアル・キラーが主人公で読み比べるのも楽しいです。
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No.1:
(2pt)

ん~期待はずれかな・・・

闇な感じの殺しと思って買ってみたのですが、ただの殺しでした。本は終わりの部分が大事だと思うのですが、よくありません。ヒット作らしいですが、私はそれが理解できませんね。まぁ、評価が2なのは、初めての一人称作品だったので、そこがおもしろかったからですね・・・
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