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国語教師
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国語教師の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.75pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全12件 1~12 1/1ページ
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今年は実用書・ミステリ・文学いろいろ読みましたが、これがベストでした。 良質なミステリーであると同時に、文学的な哀切を併せ持つ秀作です。 構造が緻密なうえ、予想を上回る物語の変容が何度も繰り返され、読みやすい文章と相まって読者を飽きさせることがありません。 | ||||
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元恋人の2人が仕事で偶然に再会し、男の過去の裏切りを女が「語る」という行為で徹底的に責めるが、 ①女の男への愛情の密度と、 ②男の後悔と不幸、 ③誘拐されたと思われていた子供が事故死だったこと、 ④実はこの再会は偶然ではなくお互いに働きかけた結果だったこと、 の4点によって、女の病死とともに作品世界は見事に閉じられている。 愛情の深さ(というより密度)が、本人も相手も最後には救う。 これはすごい恋愛小説だ。 | ||||
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狭義のミステリを想像して読むと謎解きの要素は少なく、謎自体もありふれたものかもしれません。しかし、一冊通して読み終えたときに作中で提示される事件を超えた、主人公二人の人生を通じたより大きな謎/物語について考えされられると思います。 物語を引っ張る謎の弱さ、作中の時間を前後させながら進む物語、様々なスタイルを使った叙述など読みにくいと思う人がいるかもしれません。しかし短い小説なので、最後まで読みきれば小説を読む醍醐味を味わえると思います。 | ||||
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この小説はミステリ賞であるフリードリヒ・グラウザー賞を受賞しているらしいが。 しかし、謎解きが主体の正統派ミステリーというよりも深い人間ドラマが描かれており、これはもはやミステリーではなく、もはや一つの立派な文学作品と言える。 このようにトラウマにより歪んでしまった心だの、異常者のおぞましい心理だのばかりを題材にしたミステリーだけではなく、こうした普通の人間の心の襞を描いたミスタリーも私はもっと読みたいと思う。 それから初めは私はマティルダが独身のままだったというのは、恋人であったクサヴァーの裏切りによるトラウマから彼女が立ち直れないせいなのかとマティルダに同情していた。 しかし、読み進める内にけしてそれだけではなかったことがわかり、私は感動したし、良かったとも感じた。 また、マティルダがクサヴァーとお互いに交わすやり取りの中で、それとなく、クサヴァーに彼の行なうべきである、適切な決断を促し、ついにクサヴァーに決心させるくだりも感動である。 こうして大変に良い作品に出会えて、私は大満足。 この作者の小説はぜひ今後も翻訳してもらいたい。 | ||||
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最初は別れ話の蒸し返しのメールのやりとりを読まされているようでウンザリした。しかし物語の体裁が、お互いのその後の境遇を創作して披露し合う展開に切り替わってからは、いつも間にか物語に没入し始めた。16年ぶりの再会を前にした男女の気持ちのすれ違いが、主人公の男性ザンドの子供の誘拐事件を巡るミステリーと化す。そして真実が明らかになるに連れて、お互いの奥深い心情が明らかとなる。エンディングは、ヒロインであるマティルダの教え子の書いた一文。第三者である澄んだ目から語られる愛は、慟哭の呻きなしには読み得ない物語である。 | ||||
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読み始めたら止まらない。 ストーリー面白さよりも物語の構成がうまい。 頭がいいんだろうな作者。 | ||||
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時間と場面が行き来して、登場人物が交差する物語が魅力です。 この作者の本をもっと読んでみたくなりました。 | ||||
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手法としてはギリアン・フリンの「ゴーン・ガール」、日記の代わりにメールや手紙を使っている。 結末を予想しながら、そこをどう裏切ってくれるのだろうと期待しつつ、時系列を前後させながら進んでいく物語にグイグイ引き込まれていった。 で、結末。(書きませんが) ギリアン・フリンには及ばなかった。 主人公ふたりの人物像と結果がそぐわないため、カタルシスを感じられなかった。 が、オーストリアの作家は初めてだし、期待値は高い。 他の作品も読んでみたいと思った。 | ||||
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かつて強烈に愛し合った作家と国語教師の再会。 2人のメールのやり取り、再会してからの会話、それぞれの視点からの回想シーン、さらには二人が作る作品の世界、これらがミラージュのように重なって複雑ながら情感豊かな世界を作り上げる。 作家の子供の誘拐という事件軸はあるものの、真相当てという意味でのサスペンスは全く弱いが、どこまでも深く掘り下げられた二人のキャラと関係性に読みごたえがあり、余韻の残るラストまで一気に読める。 | ||||
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はじめは憎しみからうまれたミステリー小説なのかもと思って読んでいたら、最後はなんとも言えない愛情に心揺さぶられる結果となりました。こんなに最初、途中、最後の読者の気持ちが変わってしまう物語は初めてです。人は、人生の時間を進めていくうちに、決して許せない受け入れられなかったことであっても、成長とともに受け止め方を変えていけ力をもっているのかもしれないと、そんな気がしました。 | ||||
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レビューがよかったので手に取りました。 フラッシュバックのように、16年ぶりに再会した男女2人の会話、男女それぞれの視線からの過去の物語、2人が相手に語って聞かせる創作の物語が、次々と時系列に関係なく提示されます。そんな中に突然新たな展開を示すような会話が挿入されて・・・。次が気になって一気読みでした。そして最後に明かされる男女それぞれの物語。すごい、の一言です。 最後まで読み終えた後、時系列に沿って、それぞれの個所を読み返しました。読み返してなお、最後は胸が熱くなりました。 | ||||
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わずか300ページ足らずで、愛の物語とミステリ=謎を構成の妙で描ききっている秀作。通常だとかったるく感じる時間の交錯とかメールのやり取りが心地よく受け取れる。男性がやや軟弱だが最終章で愛のどんでん返しは良かった。 | ||||
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