■スポンサードリンク
ぬるくゆるやかに流れる黒い川
新規レビューを書く⇒みなさんの感想をお待ちしております!!
ぬるくゆるやかに流れる黒い川の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.00pt |
■スポンサードリンク
Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全2件 1~2 1/1ページ
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
とてもおもしろかった | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
二つの家族が惨殺された。鍵が開いていたから侵入した。女なら誰でもよかった、と無差別殺人の供述をした犯人・武内譲は、凶行の動機を明らかにしないまま、拘置所で自殺した。 遺族となった二人の少女は、平和な日々を理不尽に奪われ、「なぜ私の家族が殺されなければならなかったのか」という問いの答えを得られないまま6年が過ぎた。 大学生になり再会した香那と小雪は、前に進むため事件に向き合い、納得できる答えを見つけようと事件をあらためて調べることにする。その矢先、話を聞こうとしていた譲の叔父が何者かに殺害される・・・ 譲が犯行に至った経緯を調べるにつれ次第に明らかになるのは、明治にまで遡る武内家の陰惨な過去。 序章に置かれ気になっていた、武内チヤという女性が明治44年に兄弟に宛てたカタカナ文字の手紙がここに至って意味を持ってくる。 「からゆきさん」として10歳にも満たない少女たちが東南アジアの娼館へと騙されて売られていった時代。しかし、家のために辛酸をなめた彼女たちがやっとの思いで帰りついた故郷は、どこまでも冷たかった。 時代に飲み込まれ、虐げられ、報われることなく命を落とした女たち。そんな女を売春婦と蔑み、憎悪する男たちの在り様。たった100年前の日本にあったことが描かれる。 一つの事件をとっかかりに、からゆきさんから女性蔑視、子供の虐待、「名誉男性」、女性憎悪と「インセル」まで、実に様々な問題を投げかけた作品は読み応え抜群で、世の中にはまだまだいろんな問題があるんだな~とため息。 これでもかというほどの憎悪と悪意のオンパレード。それでも、ほっと息が継げるのは、香那と小雪の強さだったり、共に事件を調べる警察官・今道の人柄の良さのおかげ。 終章に置かれた2通目のチヤから兄弟たちへの手紙は、チヤの悲惨な行く末を知った後では辛すぎて涙を誘うけれど、二人の娘がやっと前を向いて進みだす結末は爽やかでした。 | ||||
| ||||
|
■スポンサードリンク
|
|
新規レビューを書く⇒みなさんの感想をお待ちしております!!