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コイコワレ



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【この小説が収録されている参考書籍】
コイコワレ (単行本)

コイコワレの評価: 4.00/5点 レビュー 5件。 Bランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点4.00pt


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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全3件 1~3 1/1ページ
No.3:
(5pt)

メッチャ面白かったです

シリーズを片っ端から読んでます。
ストーリーが微妙に絡んできたのもあり、読了後ランキングは、ご贔屓の伊坂氏と鼻の差で争っていますw
スピード感があり中だるみがなくやめられなくなりw半日かけてイッキ読みしちゃいました。
理由も分からず運命的にアイツが嫌い、アイツとだけは絶対に仲良くなれない、でも出会ってしまった…っていう設定、作家さんそれぞれの解釈で作品にするって、想像以上に面白い。
コイコワレ (単行本)Amazon書評・レビュー:コイコワレ (単行本)より
4120051986
No.2:
(5pt)

2人の対立と国の対立

太平洋戦争末期の東北地方の山村を舞台に、清子とリツという互いに相容れない2人の少女の関係を描く。東京から集団疎開してきた清子は、青い目を持つ一族に生まれたため同級生たちから「妖怪」と忌み嫌われる。捨て子で疎開先の寺の養女・リツは、勉強よりも野山を駆け巡るのが何よりも好きで、やはり同級生たちから「山犬」と蔑まれる。その孤独を癒してくれるのは、清子にとっては優しい母であり、東京と疎開先とで離れ離れになっても出発のとき持たせてくれた螺旋模様の木彫りのお守りが2人をないでくれる。一方リツにとっては、山中の小屋で一人炭焼きをして暮らす源助が人生の師であり、また寺の三男・健次郎はほのかな憧れの人である。
戦争の泥沼に巻き込まれて命を落とす健次郎。その死をきっかけにリツの清子に対する憎悪が弾けるが、その後の2人の葛藤と成長が物語の核心だ。そして、2人の対立は戦争という国家の対立の暗喩となっている。「本当に強い者は、憎しみを相手さ向げね。その、自分の憎しみど戦う」という源助の言葉が、きな臭さ漂う今の時代にこそ重く強く響く。
1945年3月。女学校受験のため疎開先を離れようとする清子に、リツは自分で彫った木彫りのお守りを渡そうとするが、そのトラブルで清子は夜汽車に乗り遅れ、お守りは割れてしまう。それが何を意味するか、ラストで「そう来たのか」と唸らされる。願わくば、清子とリツが終戦後の世界で美しく成長した大人同士として出会えますように。
コイコワレ (単行本)Amazon書評・レビュー:コイコワレ (単行本)より
4120051986
No.1:
(4pt)

螺旋プロジェクトのルールをうまくとりこみ、戦時中の陰惨な時代を活写した佳作

螺旋プロジェクト五作目、ここから女性作家が二人続く。まずは乾ルカの「コイコワレ」。「蒼色の大地」の明治と「シーソーモンスター」の昭和後期の間を埋めるピースで昭和前期が舞台。

  「昭和前半」が担当範囲だが乾ルカは、太平洋戦争末期1944-5年に時代を設定。集団疎開してきた海族の少女とその疎開先の山族の少女二人の激しい憎悪と対立の先に見えてくる仄かな光を描いている。

  これまでの作品に比べて地味だけれどジワリと胸に染みてくる好編であり、その中で螺旋プロジェクトのルールを荒唐無稽にならずとてもうまく活かしていた。特に付けているものの命を一度だけ救って壊れてしまうという、螺旋(あるいは蝸牛)型のアクセサリーを物語の中心に置いたところが乾ルカの炯眼だと思った。
コイコワレ (単行本)Amazon書評・レビュー:コイコワレ (単行本)より
4120051986

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