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木曜日の子ども
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木曜日の子どもの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.32pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全8件 1~8 1/1ページ
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途中までは傑作。終盤はあんまりでした。 | ||||
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少年犯罪を題材にした作品。小学生のときに、ある街で毒を使って、9人の同級生を殺した動機不純な少年がいた。その事件から7年後に、その街に引っ越して来た家族の息子がその殺人犯にそっくりという設定。少年院から出てきた殺人犯と、殺人犯にそっくりな少年はどんな関係なのか。前提は非常に興味深いが、少年たちの思考が理解不能。動機不純で殺戮を繰り返すのは、読むに絶えない。少年院はそんなに簡単に出れるんだっけ?保護観察されないんだっけ?カリスマ性あるんだっけ?疑問が残る作品。 | ||||
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面白く読みはしたのだが、正直少し期待外れだった。主人公は42才の男性、結婚を機に旭ヶ丘という町に越してくる。彼は初婚だったが、同じ年令の妻は離婚歴があり、中学生の息子がいる。彼は新しくできた息子を「晴彦くん」と呼ぶなど、息子とのあるべき関係をまだ模索中である。晴彦は中学校でいじめに遭っていて、自殺未遂を起こしている。新生活の開始には、晴彦の転校も大きな要素になっていた。 実は晴彦が通うことになる旭ヶ丘中学校では、7年前、大事件が起こっていた。給食のスープに殺鼠剤ワルキュールが入れられ、クラス31名中9人が死亡、21名が入院という大惨事だった。犯人はただ一人スープに口をつけなかった生徒上田祐太郎であり、動機は不明だった。 犯人の家があった辺りを3人で歩いていたとき、近所のおばあさんが晴彦を見て、「ユウちゃん,,,!」と叫び、わなわな震える。新しい学校では晴彦を見た女性教諭が「上田くん!」と叫んで卒倒する。どうやら晴彦は毒殺犯人上田祐太郎に似ているらしいのだ。そんな折、上田がこの町に帰ってくるという噂が町に流れる。期を同じくして、近所の犬が毒殺される事件が起こり、晴彦が不可解な行動をとり始める。 良質の恐怖小説を彷彿とさせる前半は大変よかったのだが、後半は私にはもの足りなかった。展開が早く、飽きることなく読めるのだが、少年が並べる思想らしきものが私には説得力を持って響かず、従ってそれに、いい大人も含め、多くの人が共感していく過程に現実味が感じられなかったのだ。本の帯には「“神さま”になりたかった少年と、“父親”になろうとした男」とある。作家は結末が自分でもわからないまま物語を書き始めるとよく聞くが、本書の場合、著者の頭の中で結末はすでに決まっていたのではないだろうか。少年の理屈も、それに感化される人々の行動も、そこへ着地するための単なるお膳立てのような不自然さを、私は感じてしまった。ただ、面白い本であることは確かである。楽しい読書体験をしたい人にはお勧めする。 | ||||
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40位まで独身だったの男が,会社の女性とふとしたことから気が合って結婚するのだが,女性の方はバツイチで中学生の男の子付き。それでもちゃんとした家族を作ろうとして,中古物件を買い新しい地でスタートしようとするのだが…。 その地は7年ほど前に中学生が給食のスープに農薬を入れて無差別で10人以上を殺した事件が起こった学校だった。もちろんその生徒は捕まり施設で保護観察されていたのだが,風の噂では刑期が終わり娑婆に戻って来たらしい。 その新生活のスタート時に新しい中学校に行くと,その担任の女性が泡吹いて倒れる…。なんとその生徒は7年前の殺人犯の学生に瓜二つだったのだ…。 こんなシチュエーションで物語が始まり,さらにどんどん重たいテーマが重なってきて,読んでて息苦しくなる。その新しく買った家の前の住人は,その給食事件で死んだ女の子の家だったとか,生き残った生徒が犯人の出所を待っててもう一度同じような事件を起こそうとしているとか,実際に猫が毒殺されたとか…。 さらにもともとその連れ子は,中学時代にいじめにあっていてその仕返しにいじめた子を殺そうと思っているとか,母親を溺愛していて再婚した相手も恨んでいるとか…。 もうこれからどうなるのだろうと緊張して読み進んでいたら,途中から一気に物語が解決というか,こりゃあないよな~という方向に行ってしまうので思わず興ざめ。前半とのギャップがあまりにも大きく,不満さえ残りました。 | ||||
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とても重松清の作品とは思えない、ラストに向けての手ごたえのなさ。 途中までは著者の作品としては珍しく、暗澹とさせる展開ながらも読み進める期待が高まっていくが、ラストがどんでん返しも救いもなく、期待を大きく下回る。 中学生が死を意識することは理解できるが、最初の事件の同級生を数人毒殺する部分から、ちょっと先鋭化しすぎていつもの日常に見え隠れする子供の描写からはかけ離れていく。 それに大人は自分の中学時代を忘れているのは事実としても、そんなに無力ではない。 実験的な作品なのかもしれないけど、いつもの読み応えある内容ではなかった。 | ||||
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例えば、親に虐待され、学校で虐められ、引っ越して転校しても、ネットで曝される。 追い詰められ、自らの人生の将来にも絶望しか感じられなくなった時、視野が狭くなり、 こんな若者の世界観になるのだろうか? なんだか、自分の目の前の状況が、この世のすべてであるかのような世界観になってしまっている。 ニュータウンは無機的で閉鎖性の象徴のように扱われているのがおもしろいが、ニュータウンだろうが、 コンビニだろうが、間違いなくニーズがあり、人間社会が生み出したもの。 一方で昔ながらの商店街のようなものは廃れてしまっている。 その辺を考えると、そんなに単純ではないと思うが、 それでも、少子高齢化社会になり、ネットが普及し、昔ながらの学歴社会、終身雇用、年功序列のような 硬直化したシステムに限界がきている。 社会のシステムは、より柔軟でオープンになり、個人に対しては、よりしなやかであること、 しなやかな強さようなものが求められる時代になるだろうし、この変化そのものに希望が持てると思う。 | ||||
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止められない、止まらないで一気に読み終えた。 読者でさえ、呼吸が荒くなりそうな痺れる場面の連続だったが、最後がもったいない。 物語の終幕が急展開過ぎて、あっけなさが残った。 | ||||
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久しぶりに重松清さんの本を購入。 いくらか前のゼツメツ少年ぶりで、それは個人的にはゼツメツ少年で重松さんが描いてきた家族、友達、学校、子供がメインテーマの作品の集大成であったと感じていたから。 今作の話は、表紙も内容も著作の「疾走」をやや思い出させるところがあるし(ファンにはたまらない)、序盤の先が気になる展開の構築は流石と言える。また、中盤の女の子の発言はああ、そうだよな…といつもの親しみに似た共感を湧き立てられた。 しかし、終盤の展開はらしくないんじゃないか。 リアルにしても空想にしても?。ネタバレになるので必要以上には書かないが、キーになる小瓶のネタは著者の過去短編でも出てきたものとほぼ同じで、けれども前回のようには染み込んでこない。それは勝手な理屈だが、日常を切り取ることと日常を作り出し描くことではリアリティの構築が違うからで、今回の話のテイストには合わない気がした。 10年近く中学生の頃から読ませて頂いている作家さんなので、今回の作品は珍しい暗黒系だ!と思い久々に手に取ってみたけれど、うーん、陳腐な闇を描きたいのか。現代の悪や子供の闇って秩序立っていない分だけ薄っペらさはぬぐえなくて、それ故不気味で。それに対して、いつものように沈みゆく価値観の中に、言葉にならない思いの中に、何か大切なものがあるんだって言うのを伝えたいのだとは感じるのですが…。何か、投げ捨ててしまった気がするんです。いや、一度そうすることでしか、このテーマで描くことはもうできないのだとそう達観してしまったのか。もし、そうでないのなら、一体何を描きたかったのか? そもそも今の子供はって言う言葉が割りと死後な気がするので(より相対化、個人化が進んだから)、それらから切り取ってくる素材に感じる感情が僕と重松さんではもうズレてしまっているのかもしれません。 何となくでわかるはずのものが、言葉にしても概念化しても何もわからないように。 | ||||
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