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ある男
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ある男の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.97pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全191件 81~100 5/10ページ
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作中にでてくる音楽やお酒について 「俺ってホンモノが好きなんだよね」 というアピールが本当にうざいです。 いや、好きなのはいいんですよ。 でも同時に他の人を見下してる感が すごく伝わってくるのです。 田舎の旅館の長男の描写とかね。 「マイケルシェンカーグループ好きはいいやつだ」 という場面が出てきます。 たしかにそう思う。 私の知人もそうでした。 でもそいつは他人の趣味を貶さなかった。 というか他人の趣味に興味を持っていなかった。 自分が好きな音楽を聴いてるだけだった。 でもこの本からは 「俺のほうがハイセンスな人間だろ」 という意識がクドイくらい伝わってきます。 これは政治意識もそうです。 在日差別やら死刑反対も絡めてますが 「俺はこんなに社会問題を考えてるんだ」 という上から目線みたいな意識が溢れてきてる。 自分以外の奴らは考えていない、みたいな 憤りアピールが伝わってくる。 中学校の作文コンクールの優秀作みたいな。 でも作者が思ってるほど 世の中の人は「考えていないわけじゃない」 と思いますよ。 政治家や活動家や文化人、知識人たちみたいに 世の出来事を批評することで 飯を食っている人たちみたいに アピールしてないだけで 市井の人たちだって ヘイトクライムに対する嫌悪感やら 政治に対する批判意識はあるでしょう。 なんか作者の目には、自分の敵となる人々、 ネトウヨ的考えの人々、しか入ってなくて 世の中を決めつけてる気がします。 「正しい自分たち」vs「自分以外の不正な人たち」 という二項対立。 間に存在してる様々な濃淡の「普通の人々」 がすっぽ抜けてるような。 いや、目に入ってはいるんだけど 少しでも自分と違うと否定する。 (弁護士の妻のように) 自分たち以外は認めないという 尖鋭化した意識になっている。 まあ言論界で生きていれば そうなるのでしょうし、 本を売るのには正しいのでしょう。 ファンの人たちには 「作者の言いたいことめっちゃわかる!」 と響いて買ってくれるのでしょう。 エコーチェンバーてやつですね。 何はともあれ、 そういうのが露わになって面白い本だったので 星5つつけました。 | ||||
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自分の人生だけでは知ることのなかった、人生を取り替えたい人の気持ちを想像することが出来ました。罪人の子や差別を受けて育った人達は、自分は何も悪くないのに生まれつき人生で苦労しています。戸籍を取り替えて幸せな人生を送れるなら少しは救われます。 | ||||
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100分で名著に平野 啓一郎さんが出ていらして、タイトルも気になったので、初めてこの方の本を購入しました。亡くなった夫が実は全くの別人の名前を名乗っていた…とても興味を惹かれる内容で、さっそく、と読み始めました。しかし、著者のカタカナ語の書き方、例えば「プライヴァシー」とか「イヴェント」とかが出てくると、「なんで?ヴァ?ヴェ?」と物語とは全く別のところで、読み続ける気持ちが折れてしまう…後半は全く気にならなくなりました(というか出てこなかった?)が…。そこが☆-1。読み終えるのに半年以上かけてしまいました。最後は、身分を偽られていた女性の「子供や亡き夫と思う気持ち」に涙。主人公の弁護士さんは、私的には「気持ち悪い」「好きではない」タイプの人ですが、登場人物の多くは本当に存在していそうな個性ある人々で、考えさせられる内容でした。最後まで読めてよかったです。 | ||||
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素晴らしいですね。 読ませて頂いたきっかけは、林業の事が書かれていると聞き読み始めました。確かに林業の記載はよくご存知だなと思いました。 これはこれで良かったのですが、読むにつれ、人生を考えさせられました。自分、過去、戸籍、人は人生を変えられるのでしょうか。考えたこともなかったので、衝撃的でした。結末を心配しましたが、なるほどと言う終わり方だったので、こちらも良かったでした。(ホットしました) | ||||
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平野啓一郎さんの作品は初めて読みましたが これはミステリーの傑作です。 読み進めていくうちに、次が気になり、最後まで 読み切りました。 ネタバレになるので、これ以上、言えません。 | ||||
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うかつでした。『日蝕』以来、何となく敷居が高かったのですが、こんな東野圭吾や吉田修一みたいな作品も書いているんですね。楽しく読めました。言葉ひとつひとつが丁寧で、やさしさと普遍性があり、いろいろな箇所をメモしながら読みました。 | ||||
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宮崎県の木材伐採の現場である作業員が事故で亡くなった。葬儀から大分日にちが経った頃にこの人の奥さんが夫の出身地、群馬県の親族に連絡をとった。遅くなったのは亡夫が実家との交際を嫌っていたからである。遅ればせながら弔問にきた亡夫の兄は遺影を見るなりこれは弟ではないですよ、と意外なことを言う。混乱した未亡人は実態の調べを弁護士に依頼した。弁護士は多数の案件を抱えていたのでこの件に専念できた訳ではないがそれでもなんとかこの奇妙な案件の実情を知ることができた。故人の兄がいう通り、死者は別人だったのである。 これ以上のストーリーを書くことは控えておくが当の故人や未亡人、弁護士、脇役の面々等作中人物の心情が細かく描かれている点がこの小説の面白味であった。ただ実情が分かったときのこの未亡人の心情は何か現実離れしているように感じたけれども。実際にこのような事態に見舞われたとき人間はこれほど冷静でいられるものかどうか、自分の気持ちに置き換えてみると自信はない。 | ||||
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重層的に入り組んだ複雑な構成を持つ物語で、それ自体を味わいながら読むだけでも十分に面白いが、著者の「分人主義」の新しい表現を読み取るのも興味深い。一見直接関係なさそうなストーリーテラーの出自が、物語の中心に置かれた「ある男」の謎と輻輳していき、それが重要な脇役たちの世界観(例えば三勝四敗主義など)と交わって化学反応を起こしていく様子などが非常に緻密に組み立てられており、主人公の難しい境遇と、その境遇を圧倒するような壮絶な半生を持つ複数の男たちの現在・過去がコントラストされ、読んでいるうちに愛とは何か、真実とは何か、人間存在の意味とは何か、というような哲学的問いが次々と立ち、しかもそれらが完全に解消されることなく、たくさんの余韻を残しながら物語が終わる。ミステリーやサスペンスとしての娯楽だけを期待する読者には読解が難しい小説なのかもしれず、話が終わった時点で「あとは皆さんどうぞ考えてください」とでも言われている気がしなくもない。しかし同時に全く違う次元で三年九か月の幸福な家族の時間の意味に胸を打たれて読み終わった。「マチネの終わりに」の稀有な現実性にも感銘を受けたが、「ある男」はそれを上回る傑作ではないかと思う。 | ||||
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平野啓一郎「ある男」読了。読書好きな方から勧められ読んだところ、予想以上の素晴らしい展開で、様々な側面を持つ登場人物らがなす伏線が最後に繋がっていく過程に強く引き込まれた。また大祐の行動の謎を追う城戸の内省から、親と子のあり方や普通に暮らせることのありがたさを考えさせられた。 | ||||
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もつとサスペンスの要素がある作品だと思い読み始めたが,なかなか、純文学に近い、格調高い文章で、読み終われば、感情を揺さぶられるような、作品だった。 | ||||
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「小説を小説たらしめるなはノイズだ」とは、平野先生が「本の読み方」で書かれていた文だ。 「ある男」には計算された設定、場面が出てくる。 一見ノイズに見えるが、本質的には繋がっている、見事な作品だ。 | ||||
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シチュエーションの展開が絶妙です。一気読みしました。 | ||||
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人間同士が過去を捨てて新たな人格を得ることにより未来を築くことの価値について考えさせられました。 | ||||
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平野啓一郎さんの本は初めてでした。 こういう事があるのかととても考えさせられました。 | ||||
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この作者の作品は4冊目ですが、この前の「マチネの終わりに」も恋愛小説にしては理屈っぽいなあ、と思いましたが、面白く、バッハについての言及が今の時期にしっくりきました。あ、これは「ある男」の感想ではありませんね。 この作品は、普通の感じにはじまって、しかしミステリー風ですがだんだん複雑になり、個人のアイデンティティとは(別人になりすます)、また生きる、ということを中年になって振り返るという行為、前の作品と同じく「愛においての過去」などの問題が語られています。ものすごく面白い(ファンの方ごめんなさい)、というのでもないですが、気になる作家となってきて、最新作も読もうと思っています。 「分人」についてのエッセイも読みましたが、それは「間主観」と同じようなのか、とか違っているのか、など考える機会をもらっています。そういう意味で面白いと思います。 | ||||
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縦にも横にも複雑に織り込まれていて、ストーリーが超面白い。 そして最終の感動シーン。傑作だ!!!!! | ||||
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読み進めるに従ってグングン引き込まれてしまう。 最初は淡々と。しだいにグングンと。 とても面白い小説でした。 | ||||
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いわゆる文学作品的な小説は、最近あまり読んでいなかったのですが、友人の勧めで購入しました。 結婚した相手が戸籍上はこの世に存在しない人であった、親友と思った人の経歴が実は全くの嘘であった。 こんなことがあったら自分は現実を受け止められるだろうか? 序盤は謎が謎が呼び、こいつは一体何なんだ?という推理小説的な面白さがあり、後半に行くに従い、歩んできた人生のつらさに涙する、そんな小説でした。 こんな物語が書ける、やっぱり小説家はすごいなと思いました。 | ||||
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原誠がジョギング中、公園で突っ伏して激しく嗚咽するシーン。 里枝の長男が、父さん(原誠)かわいそうだね、と里枝と泣くシーン。 ああ、やるせない。 他では、城戸が子供を寝かしつける時、 この瞬間がまさに、 人生のうちで一番幸せだった瞬間として思い出すのでは、と直感するところに共感。 | ||||
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生い立ちや家族関係など捨て去りたい過去を、他人の人生で上書きし生きる男と、真相を追う男の物語。 他人の思い出を共有すれば他人になれるのか?殺人犯の家族は?死刑、在日外国人など登場する難題について明快な解は得られない。しかし「捨て去りたい過去が知られてからでも人は愛し直すことが出来る」という主張は明快だった。 | ||||
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