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ある男
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ある男の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.97pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全44件 41~44 3/3ページ
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なんか難しい表現とか在日とかあって1文読んでは読み込んで、1文読んでは飲み込んでってしないと読めず、読みづらい本だった | ||||
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まず、死んだ後で戸籍と死体が異なっていると判明した男性 「大祐」の正体や、戸籍が変わるまでの過程に関しては悲哀を感じる物語であり、 それなりの読み応えはありました。 また僕自身も、後追い自殺から生き延びた後に生まれ変わりたくて『救えずに自殺で亡くした婚約者』の苗字を名乗っていた事があり、今も結婚で姓を正式に変えたので、戸籍を変えた人物の思いも少しは分かり共感しました。そこが唯一評価出来る点ではありますが、人生の悲哀物語という内容で言えば他の多くの作家が遥かに優れた作品を書いており、目新しいものもなく凡庸な物語といえましょう。 逆にマイナスな点が主人公(プロローグで『立派な人だから主人公に選んだ』と紹介された弁護士の城戸 )に幾つかあり、 愚かに感じます。 ①貧困層で育った男が所帯を持ち、子供を授かった後に昔の先輩が縁でギャンブル狂となり、借金を返すため子供会で知り合った息子の同級生の父親=工務店社長に金の無心。断られて激怒し、社長夫妻と子供を殺して放火した後で逮捕された、屑一辺倒の犯人に対して、 『犯罪に至った背景には犯人の子供時代の貧困家庭環境が大きい。それを救えなかった国家が、立法と行政の失敗を司法が死刑にする事で帳消しにするのは欺瞞だから、犯人の死刑に反対』という考えを述べますが、 同じ家庭環境でもギャンブルに狂わない・借金地獄にならない・強盗殺人しない人間の方が圧倒的に多いのに、貧困から救えなかった国家の立法と行政にも責任はあるというのは、愚か過ぎる主張に思います。 ②自分が原因で奥さんとの仲に溝が出来、奥さんが嫌いではないのに、修復したり仲を取り戻す努力や改善もないまま他の女性にときめく……という状況を生み出し、 家族関係をより良く改善するという当たり前の事が出来ない主人公の姿は愚かに感じます。 ③主人公も作者(音楽に詳しいらしい)も僕自身も同じ1975年生まれで、主人公は音の良さに拘る音楽好きのように書かれていますが、 まずはライブアルバムを聴きながら楽器の良さに心地よさを感じるシーンに関して『ライブ音源よりも録音機材が圧倒的に優れたスタジオ収録CDの方が100%音が良いのに、劣化してるライブ音源の良さに痺れる様が意味不明』に感じ、 ライブ音源がスタジオ音源に音の良さで勝るとしたら『楽器やアレンジが極端に違う場合、ライブ音源がスタジオ音源よりも十年以上後で機材や演奏力表現力が進化した場合等々』の特殊な理由がある時のみですが、そういう記述はなく、調べたらそのライブアルバムは1979年録音のもので、 他に主人公が聞き惚れるアルバムも1975年録音だったり、他の音楽好きと『それが好きなやつに悪いやつはいない』と言い切る音楽も1980年代のものであり、 今の音楽機材よりも圧倒的に劣る演奏環境&録音環境の、音質が悪い30~40年前の音楽をどや顔で、素晴らしい音と語る音楽好きの主人公に対して、正直『耳がおかしいの?』と思うし、 30~40年前の音楽から飛躍的に進化してきた以降~現代の音楽に触れずに、音表現の進化を聴こうともしない・感じようともしない感性のなさには愚かさを感じるばかりで、 加えて1975年生まれの僕には人生で1度も作品内の音楽やアーティスト名を聞いた事がないので、小説で音楽の固有名詞を出すなら、せめて日本で国民的な人気を誇った音楽にして欲しいとは思います。 以上の理由で愚かの極みに感じる主人公にマイナスしか感じず、謎の男の物語の悲哀も凡庸なものであり、 同じ2018年出版&同じ『死んだら実は違う人間だった』という内容の作品なら、篠田節子『鏡の背面』の方が圧倒的に優れて深い内容であり、そちらをオススメします。 今作品の作者の文章の特徴『常に思わせ振りに書く』に関しては、時おり深みを感じる事もあり、夢中になる読者もいるであろうとは感じましたが、 普段は読書しないライト層が読む機会も多い本屋大賞ノミネートに、この程度の作品を選ばないで頂きたいです。 | ||||
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戸籍の交換という、普通の社会人には考えられない犯罪から夫婦の愛を探っていく。その斬新な設定が面白い物語を作り出している。ただ、日本が排外主義に陥っているという一方的な主張を登場人物の口を借りて語り、スムースなストーリー展開を台無しにしている。アイデンティティの問題を語るために主人公が在日朝鮮人であるという設定にする意義は理解するとしても、イデオロギーは持ち出さないでもらいたかった。 戦後、法学部の教授ポストはことごとく赤く染まった。GHQによるこの政策は今に至るまで影響が続いており、著者も深刻なWGIP洗脳のまま作家になってしまったのだろう。 | ||||
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正直、本作「ある男」は読まなければ良かった。 読まなければ、「マチネの終りに」の余韻を永く楽しむことができたはずである。 本作は彼がこれまで扱ってきたテーマを踏襲するものであったが、 彼の隠すことさえない政治的主張によって、小説全体が毀損されている。 そのやり方は「知性」というものからほど遠い。 どうしても主人公が「在日韓国人3世」という設定は必須だったのだろうか。 理知的な弁護士という設定の主人公が通して語る在日問題は、 事実に基づいた中立性が保たれておらず、不安のみを徒に煽るものである。 事実として、阪神大震災、東日本大震災などの非常時に、日本人は特定の国籍を持つ人々を傷つけただろうか。 主人公の口を借りて「韓国では反日教育は行われていない」と主張するが、 読者を納得させるほどの論拠もリアリティもなく、一方的に終わる。 一体、何を目的にこの小説は書かれたのだろうか。 主人公が弁護士になった理由(父に言われて何となく…)、 主人公と妻との関係性(一方的に妻が悪いのか)、 特定政党に対するディスカウント(根拠の提示なし)、 主人公からの影響でヘイトスピーチに対するカウンターデモに参加する女性(あまりに唐突)・・・。 他にもそれぞれの要素がかみ合っておらず、ただただ独善的で視点の多様性がない。 人それぞれに相対的な事実があって、それぞれの記憶や認識も時間とともに可変であるというのが、 彼のテーマだと認識しているが、政治的主張を混ぜることで、そのテーマからも逸脱していないだろうか。 | ||||
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