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(短編集)
長崎乱楽坂
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長崎乱楽坂の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.72pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全3件 1~3 1/1ページ
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風呂上がりの火照った肌に鮮やかな刺青を躍らせた猛々しい男たちが、下穿き一つで集い、日々酒盛りに明け暮れる一家。人面獣心の荒くれどもの棲む大家族に育った幼い主人公は、ある日、若い衆が女たちを連れ込んでは淫蕩にふける古びれた離れの一隅に、幽霊がいるのに気づくのだった。 「なんもせんで生きとるのも、なかなか難しかとぞ」 | ||||
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いかにも『昭和』の匂いのする小説だった。 本当に吉田修一の作品は読みにくいというか 合わないというか、 いや、嫌いというわけではないが、 肌にこうしっくり来ない、そんな作家である。 なのに何故か次の作品を求めてしまうから不思議だ。 この作品は任侠の世界に産まれた兄弟の話だが、 ほとんどを兄の視点から描いている。 兄は自分のいる場所が本当に自分のいるべき場所なのか、 幼いころから考え、 今の場所から逃げ出そうとするが、結局はその場から出て行くことは出来ず、 最後までその家に留まることになる。 反対に任侠の世界を肌に感じることのなかった弟が家を出て東京に行ってしまう。 最後には残された兄と母親は家の昔の面影を胸に抱いたまま同じ家で二人過ごすことを選ぶ。 何故兄は東京に出なかったのか。 そして亡き叔父が住まいとしていた離れで叔父と同じように絵を描いていたのか、 疑問は残る。 6章あるが、時間が飛び飛びで描かれているので そこまでに至る経緯が良く分からないのが惜しい、といえば惜しいが、そこに別の余韻も生まれてくる。 | ||||
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これまでの吉田修一作品とはがらりと作風を変えてます。 どちらかというと、今回のは人間臭いので対局の作品かも。 生々しい文体は、近代化の波に飲み込まれ一旗あげられなかったやくざを リアリティーある存在として浮かび上がらせる。 一旗あげたい成人した周囲だけでなく、幼少の主人公を置くことで この街から出たいという鬱積した感情が詰まっている 繁栄していた男の家が、時代と共に女子供だけが棲む家へと落ちぶれてゆく やくざ、失敗した男、チャンスを活かせなかった男・・・・ 鬱積した男たちの思いが結末に昇華する 吉田修一が長崎出身なだけに 自叙伝と錯覚するかのような湿度の高い小説でした | ||||
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