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(短編集)

長崎乱楽坂



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【この小説が収録されている参考書籍】
長崎乱楽坂
長崎乱楽坂 (新潮文庫)

長崎乱楽坂の評価: 3.72/5点 レビュー 25件。 Bランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点3.72pt


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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全25件 21~25 2/2ページ
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No.5:
(4pt)

「三村の家」に流れるもの

吉田修一氏の変貌といって言いすぎであれば、進化がおもしろいです。一作ごとに、手元でいろんな花を自在に咲かせるような、その差異に興味をひかれます。吉田氏の描く人間は、どちらかといえば、汚い部分も欠如した部分もさらけ出されており、しかし、生々しいなりのフレッシュな感じがあって、いつも引き込まれて読んでしまうのだと思います。
これまでにない骨太な猛々しい感じのする『長崎乱楽坂』は、酒、男と女の痴情めいたエロス、義理とスジの渦巻く乱れた暮らしなどが強烈な印象で、ドラマティックな男たちの物語が力強い筆致で繰り広げられていきます。
幼い駿と悠太の成長は、この「三村の家」の盛衰と重なるように配されていて、ラストシーンは圧巻です。
荒くれた男たちの体温さえ感じられるような「三村の家」で、そこだけまるで、青白い光を放っているかのような「離れ」には、別の世界が存在しています。駿が幼い時から感じつづけてきた“異界”の人・・・。私はこの「離れ」の存在が『長崎乱楽坂』の、もうひとつの、現実と裏表の世界として、駿の人生を決定付けたものと思えてなりません。
愛や友情や安らぎは、ここにはありません。あるひとつの、野太い乱雑な家の一時代を通り過ぎていった幾人もの男たちと、彼らの下で育った駿と悠太の人生を示唆して、物語は終わるのです。自分では拭えない自分の中に流れる血を、駿は感じまいとして「離れ」の世界に篭り、悠太は外へ出ることで、それを払拭しようとしているように思われます。
ラストシーンの鳥肌が立つような、終焉の描写が、駿の呪縛を解き放つものであれば、少しは救われるのに・・・と、願いながら読み終わったのでした。
長崎乱楽坂 (新潮文庫)Amazon書評・レビュー:長崎乱楽坂 (新潮文庫)より
410128752X
No.4:
(3pt)

こういう作品も書く人だったのが驚き

これまでの吉田修一作品とはがらりと作風を変えてます。
どちらかというと、今回のは人間臭いので対局の作品かも。
生々しい文体は、近代化の波に飲み込まれ一旗あげられなかったやくざを
リアリティーある存在として浮かび上がらせる。
一旗あげたい成人した周囲だけでなく、幼少の主人公を置くことで
この街から出たいという鬱積した感情が詰まっている
繁栄していた男の家が、時代と共に女子供だけが棲む家へと落ちぶれてゆく
やくざ、失敗した男、チャンスを活かせなかった男・・・・
鬱積した男たちの思いが結末に昇華する
吉田修一が長崎出身なだけに
自叙伝と錯覚するかのような湿度の高い小説でした
長崎乱楽坂 (新潮文庫)Amazon書評・レビュー:長崎乱楽坂 (新潮文庫)より
410128752X
No.3:
(4pt)

皮をむくようにナマを書く人

吉田修一の作品は、パークライフを読んでからというもの
必ず読んでいる。この人の作品に共通しているのは嘘がなく、
皮をむくように描かれている人物を丸裸にする感じ。
だから生々しい人間の寂しさ、切なさ、いやらしさが常にある。
同時に描写の仕方や言葉の使い方は読み手の想像力を奮い起こす本当に
上手い作家であるなあと思う。
「長崎乱楽坂」は長崎のヤクザ家に生まれた兄弟の視点で、その一家に出入りする刺青をいれた男達の生きざまと、その盛衰の美しさ、切なさが描かれている。途中に出てくる長崎の町や人やサイダーやヨーヨーなどの描写は、描かれている人物を象徴しているだけでなく、読んでいるこちらにも見たことある景色や経験を思い起こさせる。
まるで眼下にその町が広がっているかのように。
吉田修一の作品の中で私の場合は一番にはならないけれども、人間の本性を表している良い作品だと思う。
長崎乱楽坂 (新潮文庫)Amazon書評・レビュー:長崎乱楽坂 (新潮文庫)より
410128752X
No.2:
(4pt)

今までにない感じ

吉田修一さんの作品はほどんど読んでいるんですが、この作品は過去の作品とまったく異なる趣きでびっくりしましたが新鮮で良かったです。
長崎乱楽坂 (新潮文庫)Amazon書評・レビュー:長崎乱楽坂 (新潮文庫)より
410128752X
No.1:
(4pt)

今までにない感じ

吉田修一さんの作品はほとんど読んでいますが、この作品は今までの現代の若者を描いたものと違ってびっくりしました。新鮮な感じでよかったです。
長崎乱楽坂 (新潮文庫)Amazon書評・レビュー:長崎乱楽坂 (新潮文庫)より
410128752X

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