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漂砂の塔
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漂砂の塔の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.17pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全12件 1~12 1/1ページ
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大変良い | ||||
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前半から中盤までは、誠に読ませるのですね。大きく話を拡げて、工夫も凝らしてさすがだと思わせるのです。この傾向が最近の作品にみられるのですが、最後は尻切れトンボでバタバタとした終わり方なのです。この作品もその傾向を踏んでおり、日露に中国までからんでのプラント開発の北方領土の孤島で、しかも90年前に村民の集団虐殺が発生している。それとからめての殺人事件を解決すべく、日露混血の警視庁の捜査官が派遣されるという魅力的な設定です。歴史とからめて、訳アリの登場人物が多く、しかも美人の女医とのからみまで加えていますから、途中までは誠に読ませます。ところが、最後の展開がいかにもとって付けたもので、殺人犯人の決まり方も安易ですし、いかにも広げた風呂敷をどう収集するかであたふたした展開です。最後のドンパチの安易な決着など読んではいられません。約600ページの内、約400ページまでは一気に読まされますが、その後段々とおかしくなり、最後は・・・大沢さん、もうちょいなんとかして!まとめ上げて!と言いたくなりました。 | ||||
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刑事物ではありますが、大沢作品としては異色な感じ。モノによっては読み進められないものもありますが、こちらはすいすい読めます。 | ||||
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中盤くらいからかな、ギルシュというロシア人がいるんですが、こいつが”男前”の女医タチアナより「ヒロイン感」を出してきます 「こびと」とか「ドワーフ」とか書かれてるんですが、想像してみるとえらく可愛らしい 主人公の石上と、売春宿のベッドの上で時間を過ごすシーンもあり、 「真のヒロインはギルシュだ!」と確信いたしました 大沢さん、やりますねえ さて、本編の方はというと、答えが目の前にあるにもかかわらず、なかなか得ることができない ひどくもどかしいが、読者は石上とともに、じっくり舞台となる島内の調査に当たるしかありません タチアナにウキウキし、パキージンに脅かされ、ギルシュとしだいに友情を深め合い、ボリスと決闘する 最後、ヤンはいい仕事をしましたね やるヤン、と思いました 敵のボリスが終始、”小物感”を漂わせていましたが、よく考えれば本作に登場する人物はほとんど「頭の切れるすごいヤツ」ばかりでしたので、ボリスみたいな、ちょっと馬鹿っぽいロシアマフィアがいた方が、全体のバランスが取れていました ただ、「馬鹿っぽい」というのも、あくまで彼が醸し出す雰囲気であり、主人公の敵役としては申し分ありませんでしたが もう一つ これは大沢さんの他の小説でも言えることなのですが、今作にもいろいろな銃が出てきます マカロフ、PSS、マイクロウジ、ナガン……おなじみ、ニューナンブも名前だけ登場 大沢さん、きっと好きなんだろうなあと 銃マニア? なのか 全体を通して、じりじりと真実に迫っていき、弱音を吐くが強固な意志を持った警察官、石上は、 ”大沢ハードボイルド”の主人公として文句なしのキャラクター いちいちパソコンで、 ①「犯人が私を襲った動機」A、犯人は「ビーチ」に近づく者なら誰でもよかった B、犯人は…… など、メモを書き検討するシーンなど、「細けえなこいつ」と思いましたが、 最初は、島の「よそ者」「部外者」であった主人公が、しだいに受け入れられていく展開など、読み応え十分 終盤にかけては、イッキ読み必死です PS 石上とギルシュの東京巡り、番外で出しませんか?(出ねーよ) | ||||
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大沢の作品では、久しぶりに読みごたえがあった。 おそらく、軍艦島を舞台にした『海と月の迷路』以来だと思う。 そちらは2013年の作品だから5年ぶりということか。 本作は北方領土の中の小島が舞台で、『迷路』は軍艦島だから、北と南の違いはあれ孤島を舞台したものという共通点がある。 閉じられた空間を描くのが得意ということになるのだろうか。 ロシアと中国と日本とでレアアースの共同プロジェクトが進められる島で、日本人社員が何者かに殺され、死体は両目が抉られていた。 それを調査しに警視庁の刑事が派遣されるのだが、実はその島では90年前に大人の男の島民38人が殺される大量殺人事件が起こっており、そのときの死体も両眼が抉られていたという言い伝えが、ハバロフスクには残っていた・・・。 と、なかなか道具立ても大きく、ロシアの情報機関、中国の情報機関やマフィアも絡んで、展開もスピーディ。 それにしても、その間の5年間にも彼はいろいろと書いており、おそらくその全部を読んだ気がするが、ほとんどが書き散らした感じしかしなかった。 まあ、それでもときどき本作のような秀逸なものに出会えるので、読み続けているわけだが・・・。 | ||||
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北方領土の日本中国ロシアの合併会社で働く日本人が殺害され、警官が一人警察の身分とは離れた立場で、事件の真相を探りに現地へ。 ロシア政府やマフィアに中国も絡んできて、相変わらずの話の広げ過ぎを心配するが、今回は上手く着地に持ってきている。 著者のこの手の作品は強引さが目立ち粗さがあるが、今回は読みながらの違和感は少なく、最後まで楽しめる。 | ||||
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サスペンスにミステリー、ハードボイルドにガンアクション、近未来のアンサンブル。 北方領土の離島が舞台。 ここで、日本、ロシア、中国の合弁会社がレアアースを製造しているという設定。 ロシアに中国が絡んでくる。 諜報機関にマフィアが絡んでくる。 007を彷彿させるロシアン美女が。 これらのシチュエーションが656ページを飽きさせず、面白さを倍増している。 この離島にまつわる昔の村のこと、ソ連時代のことなど。 ありそうでなさそうな話。 事件の真相を推理し、想像がふくらんでいく。 すべては島の洞窟に秘密が隠されている。 ノンストップアクションで着々と事件を解明していく。 政治色に染まらず、友情が生まれていくことに好感が持てる。 | ||||
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【ネタバレあり!?】 (1件の連絡あり)[?] ネタバレを表示する | ||||
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高いお金を払って購入したが、半分程度読んだ時点で継続を断念!うだうだと続く年寄りの戯言のような文字の羅列に耐えられなかった。今まで殆ど全ての作品を購入してきたが、最近の作品はつまらない。暫くはこの作者の作品にお金を投じるのを止めにした。 | ||||
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大沢在昌らしい安定した一冊。ハードカバーで650ページという長編だが、さくさく読める。主人公も主人公を取り巻く人々も、皆がそれぞれの理由で一生懸命に何かと戦っている。その中で生まれる奇妙な友情もいい。狭い島での1週間くらいのあいだのできごとで、季節は冬だから絵的には非常に単調なのだが、飽きさせずに一気に読ませるのはさすが。ただ、あえていうならあまりに安定しすぎて思いがけない人物が思いがけないことをするとか、そういうのがなくてちょっと残念だったかな。 | ||||
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古くはパンドラ・アイランドや魔女シリーズの売春島、近年では軍艦島を舞台にした力作を描き出してきた著者の、北方領土を舞台とした新作。 殺人事件を核に、離島という閉鎖空間での複雑な利権構造と人間関係の中に偶然(必然?)放り込まれてしまった主人公の孤軍奮闘がスピード感を持って展開します。フィクションでありながら、軍艦島と同じく「さもありなん」と思わせる著者お得意の舞台設定も秀逸です。 ロシア大統領が北方領土を返還しないのは、こんなこともあるから?と想像しながら一気読みしました。 | ||||
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複雑すぎることもなく、偶然が重なりすぎるようなこともなく、推理とハードボイルドを合わせたようにジワジワ面白い。全編を通して「私」の切り口で書かれているので楽に読める。2022年の北方領土を舞台としているので、今のうちに読んでしまうのが近未来を想像させて面白いのだが、施設の建設期間などを考えると、2030年くらいの設定であった方が現実に起こりうるという点で好ましかったのではないか。また、約340人が居住しているのだが、極東での影響力や蠢く登場人物の野望などを考えると、物語の規模感としてはその2~3倍にしたほうが合っているのではないか。読んだ後に疑問がどんどん沸いてくることもなく、うまく完結できていると思う。今では行くことも叶わない北方領土の小島を想像しながら、長編娯楽作品として楽しめた。 | ||||
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