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すべて真夜中の恋人たち
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すべて真夜中の恋人たちの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.37pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全74件 21~40 2/4ページ
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タイトルからして、きれい事だけの小説じゃないだろうな……って思ったけど、作者渾身の恋愛小説でした。好きな人の好きなことや嫌いなこと、それとかなにか経験したこととか交際していく中で相手のことを知っていく過程の楽しさうれしさ心の高揚感などが書かれているところが特に良かった。 全部の出来事が自分のためにあるなんていうのは、若いときの心のおごりみたいなものなんだろうね。 | ||||
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なにひとつ自分で選んだことがない、そのことに気づいてすらいない、そして深く傷ついている。それでも一人でやっていくしかない。痛みしかない。たった一つの希望は身を引き裂きながら変わること。そしてはじめて救いが描かれる。ヒロインの友人が『ノルウェイの森』のレイコさんに似た口調で喋る。 | ||||
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独特なくどい(と言ったら失礼だけど)文体なので、好き嫌いがはっきりと分かれると思う。個人的には嫌いじゃないし、友人の毒舌パートはかなり好きだったが、心理描写に「〜のだった。」という文末が多様されているのが気になって仕方なかった。 | ||||
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個人的にはすごく素敵な読書体験をさせてもらったなぁ、と感じた。光や闇の表現といい、雨や涙が体を伝い落ちていく感じといい、文章そのものがきらめいていた。たしかに、ややロマンチックすぎるところもあったのですが、書き手も浸ってかいてるのかなぁ…と思いはじめたラスト付近で突然つきつけられる、友達未満(というか仕事相手)の女性からの酷い言葉。読者の感情を誘導するのがすごく上手いなぁと思うし、お決まりのハッピーエンドにもならず、けれど主人公はこれで幸せそうなのがよかった。じんわりと良い気持ちで本を閉じた。この本を世に出してくれてありがとう、という気持ち。 | ||||
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普段、陰キャだと揶揄され、苦しんでいる方々には共感できる部分が多くあると思います。 | ||||
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KOH+の「最愛」が頭の中で流れてました。 頭の中での三束さんは堤真一でした。 個人的に凄い好きでした。 | ||||
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一見冴えない主人公だが、うちに秘めた感情の起伏に共感した。心理描写が素晴らしい。これまで知らなかったけど、すっかり川上未映子のファンになってしまった。他の著書もタイトルが変わっていてさらに読みたくなる。 | ||||
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もったいなくて引用がちょっと出来ないのですが、入江冬子が典子に浴びせられる言葉が、 特に仲が良い関係の人から言われたのではないにも関わらず「これは酷すぎる」と。 浅い関係の友人から言われてもこんだけ傷つくような言葉があるんだ、と。 文才というのはお綺麗な、あまり思いつかない言葉を羅列する力なんかではなく、 真実を一般の人よりずっと深く見抜く才能なんだな、と 思い知らせてくれる作品です。 その深い洞察を、後はさらりと書くだけです。 そこまで辿り着かずに(なんかつまらん会話の小説だなあ)って本を閉じたら人生の 大きな損失なのですが、それもその人の運命か。本好きは全部丁寧に読まなくても パラパラとめくったときにその本の一番の「肝」にぶち当たるので、304ページある この単行本の中のわずか10ページほどで私はそこに行き当りました。 オカルトか、って?そうですよ。恋愛なんて後ろから誰かが自分を好いて見ていたら 振り返らなくたってわかるじゃないですか。黙って立っとったって、好きだの殺気だの、伝わって くるじゃないですか。古本屋に入っていって(こっちかな)って引っ張られる方向に行って 棚を見たら「これだ!」っていう本がちゃんと待ってるじゃないですか。 宇宙を流れる小さな塵、その塵が二つ、一瞬かすめて触れ合って、またそれぞれが全く 別の方向に流れていく。人間の関係なんてそんなものです。違いますか? | ||||
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本当に、不器用に生きていていて、感情をうまく表現できない冬子さんの感覚。すばらしい描写ですね。私には共感呼びすぎでした。 突然見つけた三束さんへの思い。どう表現して良いのかわからないし、自信がないんだよね。 でも、その自然の戸惑い感、本能的な愛の感覚、すごく良く表現されています。 後半は、残りのページが減っていくのがとても寂しく思えるようになりました。 喫茶店の前、雨で立ち尽くすシーン、泣きたくなるような気持ち、良くわかりました。すごく描写が強烈で印象に残ります。 そして、ルンルン気分で帰って来たアパートの前で聖が待っているシーン。ちょっと驚き。冬子さんを本気でほっといて、という感覚。 登場人物がたった3人のこの小説、ストーリーの展開はちょっともったいない感じがしますが、感覚の繊細さ、鋭さは驚くばかりです。 私も真冬の寒い夜の散歩が好きで、あの研ぎ澄まされた暗さや光の感覚はわかる気がします。 川上先生の作品は初めてだったので、大変驚きました。良い読書体験でした。 | ||||
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現実みたいで泣いた。 冬子も聖も私のことのように思える。 こんなひどい感覚で生きている私はどうかしてるんじゃないかと思っていたが、冬子も聖も私以上にひどい為、救われる。でも同時に傷をえぐられる。 他の登場人物の言動への突っ込みの入れ方も同感。 冬子がショパンの子守唄を聞いている時の妄想の描写がすごい。それを書くためにこの小説を作ったのかなと思った。聞きながら読んだらトリップした。 | ||||
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文体がとてもきれいできらきらしたような印象が残りました。 読みやすいか読みにくいかで評価が分かれそうだと感じましたが、個人的には読みやすく一気に読み進めてしまいました。 | ||||
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川上未映子は「みみずくは黄昏に飛びたつ」で知り、その後「乳と卵」「ヘヴン」「きみは赤ちゃん」を読み、続いて本作を読んだ。 どんどん文章に磨きがかかっていて、「みみずくは」で村上春樹と語っていた重要である文体について、彼女ほどのものを書ける若手作家はいないんじゃないかという域に達していると思う(エラそうにすいません)。1ページ読めば、この文章が川上未映子が書いたものだというのがすぐわかる。 純文学の恋愛小説らしく、ありきたりな恋愛は描かれていない。ちょっとひねくれた恋愛である。 主人公の冬子がアル中みたいになっていくのも、狂気を感じる。 ただもう少し、渾身の小説が読みたいと思った。 「みみずくは」で話していた「地下二階へ連れていく物語」を川上未映子の小説で読んでみたい。 | ||||
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とても良い作品でしたが、レビューが低い方が多かったので書かせていただきます。 恋愛小説として期待すると、最後まで盛り上がりのシーンが多いわけではないので物足りなく感じる方が多いのかもしれません。人と接するのが得意でない主人公が、如何にして世間から自分が見られているか客観的に理解しながら、自分のやり方で人生を切り開いていくという物語です。淡くてはかない恋心が、恋愛を知らない主人公の中では“恋”とさえも認識されず、ただただ気持ちだけ大きくなって行く展開は、読んでいて本を閉じる間もないほどわくわくする展開でした。 | ||||
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基本的には何も起こらない物語という印象。 主人公は、友だちとも、異性とも、じょうずに心をかわすことができない。 誰かを愛するということもどうも難しいままに34歳になってしまったらしい。 初体験も相手にひどいことを言われて女子として異性と関わるのにも挫折し、同性の他人にもずいぶんひどいことを言われっぱなしのままになっていて、他人と本当の意味での関わりが持てないまま、ついに酒に溺れるようになる。 そんな彼女が異性にはじめてエロスじゃないけど愛を感じて、関わりを持ちたいと思うまで そして肉体的な関わりはないけれど、はじめて自分の中から"言葉"が"生まれた"。 という感じかな 初恋物語のような感じだが 誰もが人生に一度くらいこういうことってあるなあと思った。 今時こういうタイプの人は多いだろうな…。 しかし読後感としてはすごく痛い。 聖と主人公はネガとポジのような関係でこの友情も、こうしてはじめて、つながりを求めることを通じて主人公たちが手に入れたもの、ということになるだろうか。 | ||||
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予想に反して評価が悪いなと思い、レビューしてみました。 私はとても面白かったですよ。 途中でダラダラする事もなく。 お酒の部分はそこを読んでいる時はなんじゃ?と気持ち良くないのですが、読み手にそう思わせる事も重要では。最終的には主人公を語るに必要な流れだと。 評価はバラついているので、八方美人な物ではない。それで良いんじゃないですかね。 | ||||
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この本のテーマは「それぞれの価値観」と「美しさ」かと思います。 私は、一度この本を途中で放り出してしまいました。しかし、思いたって最後まで読んだ時、素晴らしい作品だと思いました。 詳しいことはあえて言いません。 | ||||
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最近川上さんの本を読むようになりました。なかなか心理描写が上手です。そのたび感心して読んでいます。ただ、少し時間が経つと中身を忘れてしまいます。私に問題があるのかもしれません。 | ||||
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普段あまり小説を読まないもので、技法だとか難しいことはよくわかりませんが…稚拙ですが感じたままに感想を述べさせていただきます。 主人公の女性の、純粋に人を好きでいる 熱くて綺麗で切ない気持ちが、すごくリアルに鮮明に描かれています。だれかを「好き」という想いが、本当に綺麗で素敵な気持ちだなと感じさせられます。恋人が、好きな人がそばにいてくれることだけでもう、本当にしあわせなことだな、と改めてすごく思わさせられ、純粋な気持ちを大事にしたい、恋人を大事にしたいなと思いました。 ラストも少し意外でこれはこれでリアルというか、変につくりものっぽくないのがよかったと思います。 川上未映子さんの本はヘブンも読みましたけど、物語自体にそんなに起伏はないのになぜかはやく続きを読みたくなります。 ただドカンと心に響いて余韻が残るほどではないので星4つです。でも、面白かったしなかなか好きな本です。 | ||||
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言葉を丁寧に扱って 紡いで 出来た本なんだなあと思いました。 ひとつひとつ、じっくり丁寧に描かれていて その気持ちがずんずんと伝わってくる物語でした。 女性ってこんなだよね というようなお手本のような女性が出てきて あー、あるある。わかる、わかる。 と、頷いて読みました。 女性の友情って どこで繋がってるかがわかるような。 なんとなく、主人公の気持ちがわかる気がしました。 | ||||
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若い女性のとても切ない純愛が、美しく描かれている。ほとんどありそうもないと思われるくらいピュアな恋の物語。恋愛経験もない地味な35歳の女性が主人公の「わたし」。偶然知り合った高校の物理学教師の58歳の初老男性「三束(みつつか)さん」に片思いになる。彼から「光」の物理学について教えを受ける。酒を飲まないと男の人と話すことができないくらい内気な「わたし」は、悶々と苦しんだあげく、彼の誕生日にお祝いの会食を企画する。食後、夜道に立つ二人のどちらからともなく、手が触れ、「わたしたちは指と指の背をふれあわせたまま、動かなかった」(p276)。彼が指先を握り返してくれる。思わず、「三束さん、わたしは三束さんを、愛しています」と告白してしまう。みるみるうちに涙が溢れ、顔をぐしゃぐしゃにして泣いてしまう「わたし」。「彼は何も言わずに、わたしに手をにぎられたまま、わたしのまえに立っていてくれた」(p278)。口づけがあったわけでもない。それで別れて、物語は終幕に。彼から手紙がきて、彼は高校教師ではなかったことが分る。 散文詩のような美しい純愛物語だが、しかし本書は、小説の技法という面で、まだ少し欠陥を抱えている。「わたし」と「三束さん」を抽象的に描く為かもしれないが、それ以外の登場人物があまりにも類型的に描かれすぎているからだ。とりわけ「わたし」と同い年の親友の女性「石川聖」は、本書で重要な人物なのに、週刊誌などにありがちな紋切り型に造形・表現されているので、いかにも低俗な女性であることしか分からず、彼女のディテールと個性が描かれていない。フロベールやプルーストのように、脇役の個性やディテールをも絶妙に表現し得たならば、本書はもっと傑作になっていただろう。 | ||||
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