■スポンサードリンク
切れた鎖
新規レビューを書く⇒みなさんの感想をお待ちしております!!
切れた鎖の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.80pt |
■スポンサードリンク
Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全10件 1~10 1/1ページ
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
田中慎弥さんの本です。 「不意の償い」「蛹」「切れた鎖」の三編がおさめられている短編集です。 いかにも純文学って感じで、一人称視点から、その心の動きをよく描いていると思います。 また、すこしキレてるっぽい感じといいますか、わだかまりのある感情を、長文でよく表現している感じがします。 また、親との桎梏というか、血縁の桎梏というか、そういうものを描いているのですが、 ただ、あまり大きな事件がおこることも、特段なく、純文学してんなぁ、というところでした。 あまり深く考えず読んだのですが、何度も読むといいのかもしれませんが、まあ、二度と読むことはないかなぁ…。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
軽いようでねばねばするこの文章は何だろう、理解しやすいのか頭がおかしくなりそうなのか分からない話は何だろう 明るく胸躍る作品じゃない でも人間を裏切るような諦観さが魅力的に思える 罪の償いの描写が狂ってて良かった 数年後にもう一度読みたい本 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
三編の内 蛹は良かった。田中氏の作品は入り込むには少々時間がかかる また理解するには二度は読みたい!読み進めるたびに抜け出せなく世界感がる。沢山の方々が記載されているようなので、ネタばれは白紙にします。想像絶する作品です。読むたびに 色々考えさせられました。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
彼の記者会見を見て興味をもったものです(笑) 一気に読ませるだけの筆力がある。やはり賞をもらうだけの力がある人なんだと納得した。 読後トリイの赤が印象的だった。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
全編に漂うのは最初は緩い不快感だと思ったが、今にして思えば緩慢な死臭だったとわかる。 「意の償い(『新潮』2007年4月号)」 子供を持つのが怖い、より正確には親になるのが怖い、裕福ではない家庭の夫の目視点の出産直前に至るまでのお話。両親が家事で焼け死んでいる最中に妻と初セックスをしていて表題になる。普通はそんな程度でトラウマになるとも思えないが、語り手の妄想がそれを納得させる辺りが巧み。客観と主観を混乱させる手法で書かれているので時々描写の主体がわからなくなって読み辛いが、それも味。 「蛹(『新潮』2007年8月号)」 成虫に成れなかったかぶと虫の幼虫の寓話。角だけが立派に伸びて土の上に出ている。ちゃねらーの妄想を文学的に昇華させると。こうなるかも…… 遡ればカフカの変身に辿り着くのだろうが、類例が思いつけない辺りが凄いんだろうな。 「切れた鎖(『新潮』2007年12月号)」 作家出身の山口の寂れたコンクリートの海浜の町が舞台。絡むのは没落した資産家の三代の妻(出奔など、いずれも夫に恵まれない)と在日朝鮮人のカトリック教会に住む謎の男。腹に鎖を巻いてその先をコンクリートの道に垂らしてじゃらじゃらいわせているので帯電体質かと思って笑ったのは、わたしだけか…… 女の側の描写を縦走させて最後に父の不在を垣間見させる辺りが上手い。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
彼は記者会見で一躍有名になったが、彼の欠点をあげつらうのは、読んでから、作品に関して、行うべきだ。 ややこしいのは、やはり彼の描写で、現実的でない、しっくりこない、というところは散見され、それが彼に対する外形標準の批判と重なる部分があることだ。 しかし、それは彼の作品の本質でない。しかし、どうしてもそういったことが気になるのであれば、蛹を読んでほしい。この作品にはそういった紛れがない。 共喰いは、切れた鎖を洗練させた作品。かなり完成度は高まっているが、彼の一番の本質は蛹にあると思う。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
父親の不在と、自分が父親であることに耐えられるかわからない不安。 それらをバックボーンとした、母であり娘である関係への憧憬と畏れ。 根っこにあるのは、狭い範囲で生き、そこから動こうとしない土着性。 本質的には、半径5メートルくらいの表現に拘った緻密な描写たち。 何かが欠けると、その欠け目が引っ掛かり動けなくなるのでしょうか。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
奇妙な関係の中で描く筆力は何か刺激あります。 最近のライトノベルの作品読むならこの作品は良い本です。 ここ10年位芥川賞は駄作ばかり選ぶので読みませんでした。 この本も候補どまり。 しかし、この著者は胸ぐらつかむ筆力がありますのでぜひ一読ありです。 一読で終わりますが今後期待の作家ですね。 著者には長編小説を書いて欲しいです。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
とにかく『蛹』がいいサナギ。 これ、オネ−マン賛歌です。 (ちょっとウソ。オネーマンが私にとって何となく俎上に上げやすいだけ。声援はホントはもっと広範に向いてる) カブトムシのサナギが土の中で長い間、 身動きとれず、這い出る機会を逃し続けて居るうち、 ツノだけが伸びて聳えて、ついに大木になるってお話。 外の世界を知らないカブトムシが、 森の一部になってたくさんの生き物をはぐくみます。 マツコさん? かばちゃん? いや、イッコーさんがいいかも。 暗喩を事細かに説くとイヤーナ話になるのでやめますが、 様々なことを諦めなきゃならない状況で、シンボル(ツノ・股間)に 本来の機能とは別の意味を得て、世界中の誰よりも優しくなる、という物語。 いい。 読後、出家したくなる。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
本書で三島由紀夫賞受賞である。うち短編「蛹」で川端康成賞。これは短編の賞で、近ごろ若手に与えるようになった。表題作は、実に奇妙でグロテスクで、しかも締りがない。ただ、最近の三島賞受賞作の中では、比較的まともである。文章もきちんとしているし、筋は崩してあるし、グロテスクな場面もあるし、1980年ころの芥川賞受賞作のようだ。「蛹」は、カブトムシの幼虫が意識を持って語っているという、冗談みたいな短編だが、結局最近の芥川賞とか三島賞に、納得できないものが多すぎるので、たとえば「切れた鎖」が芥川賞なら、納得はする、という意味で、相対的だが、今後どんなものを書くのか、見てやろうという気にはなる。 | ||||
| ||||
|
■スポンサードリンク
|
|
新規レビューを書く⇒みなさんの感想をお待ちしております!!