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切れた鎖



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【この小説が収録されている参考書籍】
切れた鎖
切れた鎖 (新潮文庫)

切れた鎖の評価: 3.80/5点 レビュー 10件。 Cランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点3.80pt


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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全6件 1~6 1/1ページ
No.6:
(5pt)

繰り返し読みたくなりました。

三編の内 蛹は良かった。田中氏の作品は入り込むには少々時間がかかる また理解するには二度は読みたい!読み進めるたびに抜け出せなく世界感がる。沢山の方々が記載されているようなので、ネタばれは白紙にします。想像絶する作品です。読むたびに 色々考えさせられました。
切れた鎖 (新潮文庫)Amazon書評・レビュー:切れた鎖 (新潮文庫)より
4101334811
No.5:
(4pt)

なかなかだった

彼の記者会見を見て興味をもったものです(笑)
一気に読ませるだけの筆力がある。やはり賞をもらうだけの力がある人なんだと納得した。
読後トリイの赤が印象的だった。
切れた鎖 (新潮文庫)Amazon書評・レビュー:切れた鎖 (新潮文庫)より
4101334811
No.4:
(4pt)

初期の傑作

全編に漂うのは最初は緩い不快感だと思ったが、今にして思えば緩慢な死臭だったとわかる。
「意の償い(『新潮』2007年4月号)」
 子供を持つのが怖い、より正確には親になるのが怖い、裕福ではない家庭の夫の目視点の出産直前に至るまでのお話。両親が家事で焼け死んでいる最中に妻と初セックスをしていて表題になる。普通はそんな程度でトラウマになるとも思えないが、語り手の妄想がそれを納得させる辺りが巧み。客観と主観を混乱させる手法で書かれているので時々描写の主体がわからなくなって読み辛いが、それも味。
「蛹(『新潮』2007年8月号)」
 成虫に成れなかったかぶと虫の幼虫の寓話。角だけが立派に伸びて土の上に出ている。ちゃねらーの妄想を文学的に昇華させると。こうなるかも…… 遡ればカフカの変身に辿り着くのだろうが、類例が思いつけない辺りが凄いんだろうな。
「切れた鎖(『新潮』2007年12月号)」
 作家出身の山口の寂れたコンクリートの海浜の町が舞台。絡むのは没落した資産家の三代の妻(出奔など、いずれも夫に恵まれない)と在日朝鮮人のカトリック教会に住む謎の男。腹に鎖を巻いてその先をコンクリートの道に垂らしてじゃらじゃらいわせているので帯電体質かと思って笑ったのは、わたしだけか…… 女の側の描写を縦走させて最後に父の不在を垣間見させる辺りが上手い。
切れた鎖 (新潮文庫)Amazon書評・レビュー:切れた鎖 (新潮文庫)より
4101334811
No.3:
(5pt)

蛹が一番良さが出ている

彼は記者会見で一躍有名になったが、彼の欠点をあげつらうのは、読んでから、作品に関して、行うべきだ。
ややこしいのは、やはり彼の描写で、現実的でない、しっくりこない、というところは散見され、それが彼に対する外形標準の批判と重なる部分があることだ。
しかし、それは彼の作品の本質でない。しかし、どうしてもそういったことが気になるのであれば、蛹を読んでほしい。この作品にはそういった紛れがない。

共喰いは、切れた鎖を洗練させた作品。かなり完成度は高まっているが、彼の一番の本質は蛹にあると思う。
切れた鎖 (新潮文庫)Amazon書評・レビュー:切れた鎖 (新潮文庫)より
4101334811
No.2:
(4pt)

最近の小説より個性のある作品

奇妙な関係の中で描く筆力は何か刺激あります。
最近のライトノベルの作品読むならこの作品は良い本です。
ここ10年位芥川賞は駄作ばかり選ぶので読みませんでした。
この本も候補どまり。
しかし、この著者は胸ぐらつかむ筆力がありますのでぜひ一読ありです。
一読で終わりますが今後期待の作家ですね。
著者には長編小説を書いて欲しいです。
切れた鎖 (新潮文庫)Amazon書評・レビュー:切れた鎖 (新潮文庫)より
4101334811
No.1:
(4pt)

とにかく『蛹』がいいサナギ。

これ、オネ−マン賛歌です。
(ちょっとウソ。オネーマンが私にとって何となく俎上に上げやすいだけ。声援はホントはもっと広範に向いてる)

カブトムシのサナギが土の中で長い間、
身動きとれず、這い出る機会を逃し続けて居るうち、
ツノだけが伸びて聳えて、ついに大木になるってお話。
外の世界を知らないカブトムシが、
森の一部になってたくさんの生き物をはぐくみます。

マツコさん? かばちゃん? いや、イッコーさんがいいかも。

暗喩を事細かに説くとイヤーナ話になるのでやめますが、
様々なことを諦めなきゃならない状況で、シンボル(ツノ・股間)に
本来の機能とは別の意味を得て、世界中の誰よりも優しくなる、という物語。
いい。
読後、出家したくなる。
切れた鎖 (新潮文庫)Amazon書評・レビュー:切れた鎖 (新潮文庫)より
4101334811

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