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図書準備室
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図書準備室の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.62pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全3件 1~3 1/1ページ
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作家本人が一押しの新人賞作品「冷たい水の羊」が題にならず、 駄作が題になって文庫になる意味が不明、でした。新潮のやりそうなこと。 | ||||
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『情熱大陸』で田中慎弥氏のことを知り、本書の他2冊を購入した。 番組で「自分は作家になるまではひきこもりで、母に酒代をたかって 生活していた」とあった。 そんな中で本書のあらまし「なぜ30歳を過ぎても私は働かず 母の金で酒を飲んでいるのか」を見て、「田中氏が作家になる までの経緯が読めるのでは」と思って読んだが、期待外れだった。 次に、新潮新人賞を獲得した『冷たい水の羊』だが、読みにくかった。 物語は特に項目で分けられてない。 『図書準備室』のような1人称なら良かったが、後半から突然 3人称になり、視点が主人公からいつの間にか母親に変わって いて混乱した。物語の項目分けを空間1行でやっているから こういうことになると思った。 『冷たい水の羊』の該当する場面だが、寒い冬に密閉空間に 裸で閉じ込められ、冷たい水を注ぎ込まれるというものだった。 読み終えて、なぜこの小説が新潮新人賞を獲得できたのか 自分には意味が分からなかった。解説の中村文則氏のように、 もっと多角的な視点を持たねば、と勉強の必要性を改めて感じた。 田中氏の本に触れたのは本書が初めてなので、あとの2冊 『共喰い』と『切れた鎖』で新たな世界を期待したい。 | ||||
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『図書準備室』 吉岡と対決する場面で、主人公は呆れるような的外れなことばかり言うが、緊迫度が頂点に達した所で、ほぼ一頁にわたって立て続けに質問を繰り出す。そこだけが、多義的で矛盾を含み、豊かで謎に満ちている。主題はほぼ、その前後数頁に出尽くしていると思う。 このような豊かな謎を使って人物を動かし、事件を起こし、破壊と再生を描けたら、読み応えのある長編になるかもしれないと思った。もう既に書かれているのだろうか。 最新作を読んでみるか でも正直に言えば、僕とは相性の悪い作風だった。結局読まないだろうという気がする。 『冷たい水の羊』 自殺願望は自己の主体性の底から出てくるのではなく、主体性の無さから出てくるのですらなく、身の回りの他者との空疎な関係から出てくることが、よくわかる。無論、その空疎さを主人公に対して責めるのは、一義的には間違っている。特筆すべきなのはこの状況に対する答えのなさではなく、答えのなさを言語化する眼が残っていたことである。 要するに弱さの言語化であり、弱さ自体は或る意味では大事な宝だと僕も思うが、結果として書かれたこれはどんなものか。 というのは、ただ弱さを書いたのか、それとも弱さが書けるということに復讐が息づいていないか、と思ってしまうからだ。もし後者なら、書かれているものは最早弱さではない。 北上や主人公の父母の、ありきたりでお粗末な内省を挿入しなければならないと著者が考えたのは、何故か。 田中慎弥『図書準備室』 新潮文庫 9487 平成二十四年五月一日 発行 | ||||
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