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図書準備室
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図書準備室の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.62pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全5件 1~5 1/1ページ
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学校や戦後の社会から疎外された登場人物たち。 人と関わることを通すことでしか,人は自分を実感しないという矛盾。 文章は魅力的だが,全体的に長すぎると思った。 | ||||
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「図書準備室」(『新潮』2006年7月号) 前半三分の二は叔母に対する一人語りで、いつものように何が言いたいかわからないが、後半に入って一気にマジックが発動する。 「冷たい水の羊」(『新潮』2005年11月号) デビュー作。中学生のいじめられっ子の話。十年掛けて書いたというが前半三分の二の語りはほぼ一気に書いたのだろう。その先、視点が巡る。顔に後を残さないように殴るとか、制服を脱がせてから冷水の入ったドラム缶に入れて小水を掛けるとか、気を遣ったいじめ描写が面白い。いじめる側の心理が入っているので重層的だが、以降の作品では、視点を移して描写しなくても、それが読み取れるように構成されているので、成長を感じる。ラスト付近の雪の赤さが印象的だが、ナイフが使われなかった(エンタメとは決別しているから)から受賞となったのだろう。 | ||||
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目を見張る展開とか深い考察とか新しい表現などは特になく、 さらっと読んでしまったのですが、後からギリギリきます。 自己投影できる部分がなかったので、昔の自分を思い出して 色々考えているうちに鬱になってしまうという自虐装置のようでした。 私は「図書準備室」よりも「冷たい水の羊」の方がギリギリ度が高くて好きです。 ただ、読んでいるとどうしてもあの受賞会見を思い出してしまい、 あの人が、ふーん、そうなんだーみたいな下種な読み方をしてしまった事を 深くお詫びしたいと思います。 | ||||
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少し書いておきます。 エンタメ系の本ばかり読んでいましたので、非常に読みづらいです。 速読が私のスタイルなんですが、この人の文章は斜め読みができません。 ですから内容については、ほとんどわかりませんでした。 じっくりと読むことを強制する文体です。 本にじっくり向き合いたい人にはお勧めかもしれません。 比喩とかは下手ですね。 それと冷たい水の中の方なんですが、新人賞に合格したというわりには、視点が一定してません。なぜ合格できたのか不思議な気がします。 | ||||
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芥川賞候補作にもなった表題作『図書準備室』、そして新潮新人賞受賞の デビュー作『冷たい水の羊』の二つが収録されたこの本自体の総合評価と しては☆3つですが、表題作の『図書準備室』だけだったら☆5つです。 『冷たい水の羊』だけの評価だと☆2つでしょうか。 『図書準備室』は第136回芥川賞候補になりましたが、まったく相手に されず落選しました。この作品を評価し、推した選考委員は池澤夏樹さん ただ一人だけでした。山田詠美さんも読み始めた最初の感触では「推して もいいかな」と思ったそうですが、鶏小屋のエピソード以降を評価するこ とができないとしていましたが、僕にはそれだけ魅力的な作品だったから そういう意見も出たのではないかと思います。 この『図書準備室』という小説は、徹底的に主人公の「言い訳」によって 成り立っている小説です。喋る、喋る、最初から最後まで延々と主人公は あーだこーだと喋り続けます。しかもその内容が凄まじい。これはぜひ読 んでください。本当に凄まじいですから。 そして、最後に置かれている脱力系のオチ。饒舌文体で衝撃的なエピソード が並べられる中で最後の最後に訪れるオチには笑わせられました。読んでいる 途中はそこまで評価していませんでしたが、読み終わってからは最高に面白い 小説だと思うに至りました。いやあ、あのオチはいいなぁ。でも、このオチ がなんなのか知っただけでは面白くないんです。あーだこーだと主人公の饒舌 な「言い訳」に付き合ってこそ最後の最後で脱力と笑いをもたらしてくれます。 この小説に芥川賞をとってほしかったですね。 もう一つの収録作『冷たい水の羊』は、作者の新潮新人賞を受賞したデビュー 作です。空気感だけで言えば『図書準備室』に通じるところもありますが、 全体としてはあまり面白くありません。ただ、この作品を読んでから『図書 準備室』を読むと、あきらかなレベルアップを感じることかできて、興味深い です。 田中慎弥さんには期待です。 | ||||
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