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監禁面接
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監禁面接の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.86pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全28件 21~28 2/2ページ
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一言で言うと、無茶! まず、入社のための最終試験の内容が、テロリストを演じて会社の重役を監禁、面接することっていう設定からして無茶! ありえん!! でもそんなありえん試験にもガチで対策を始めちゃう主人公のアラン。 例え無事に入社できてもブラック確定だそんな会社、と思うのだが、それでも頑張ってしまうんだよな、無職だから。 少々イリーガルな方法でも躊躇なく取ってしまうんだよな、無職だから。 守るものがないからある意味最強なんだよな、無職だから。 全然関係ないが、美容師に「お仕事は何されてるんですか?」と聞かれたときに、「無職です」って答えると、「社長です」って答えるよりも美容師をビビらせることができるのでぜひ試してみてほしい。 とにかく、そんな最強の怒れる無職アランさんが怒りにまかせて、これまでの人生とか人間関係とかを含めて破壊の限りをつくすお話。 ストライキの描写も出てくるし、労働者がやたら攻撃的なのはお国柄なのかもしれない。 すぐに自殺を選びがちな日本人は今すぐ見習うべき! あ、でもまるきりフランス人みたいなことされたらド迷惑なので少しだけ! それで、この狂言テロの試験を主人公がどうクリアするのか、期待しながら読み進めていくと、途中から怒濤の展開になってビックリした。 この著者のことだから素直にストーリーが進んでいくはずがないとはわかっていたものの、まさかこんなにガラリと景色を変えてしまうとは思わなかった。 喩えるなら、東京行きの新幹線に乗っていたつもりが、いつのまにか北海道に着いてたみたいな感じ。しかも北海道からさらに韓国に行っちゃうような超展開をするので、本気で次に何が起こるのかわからず、続きが気になって一気読みをしてしまった。 ただやはり展開は無茶! リアリティの水準は低く、荒唐無稽ですらある。 最初の、狂言テロが入社最終試験という設定からしてかなり無茶だし……。 だが、そういうのが延々と続くと思っておけばそれでOKだ。ノリさえあえばラストまで一直線に楽しめる。 それに、超展開なのに、随所にエスプリを効かせてくるのがおフランスぽくってよい。 特にラストのシニカルな終わり方が最高。 | ||||
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映画を観てるように、状況がイメージでき、非常に面白い。 | ||||
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フランスのミステリー小説家ピエール・ルメートル、2010年上梓の翻訳本。 3年前、行きつけの書店で偶然見かけた表紙に釘付けになって、衝動的に購入、その日のうちに読破したのが「その女アレックス」だった。 その後は何のためらいもなく、カミーユ・ヴェルーヴェン警部シリーズ3部作に突入。 本書はその3部作執筆の合間に発表されているのだが、本作に著者の得意技である残酷描写は皆無。 代わりに、主人公が57歳でリストラされ生活が危機的状況に陥り、愛する嫁と2人の娘をトラブルに巻き込みながら、人生逆転を狙う過程のヒリヒリ感を最大限味わわされる。 程度は違えど、そんな生活の崩壊は同年代の人間なら起こり得ることだから、より一層リアルな想像を膨らまし、それだけに興奮と緊張の度合いが高い。 心理戦で楽しませる一冊でした。 アメリカのキングに続いて、完全にその毒にやられてルメートル中毒になった私。 次は「天国でまた会おう」三部作にやられる予定。 | ||||
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リストラにあったサラリーマンを軸に進んでいくストーリー展開。 「そのとき」では語り手が変わることでストーリーのリズムに変化があり、 それなりのボリュームの本ではあるが一気に読むことができました。 複雑なミステリーではないですが、「そのあと」の章はまさかの展開で、ある意味やられたという感じですw | ||||
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読み始めで、キャラの名前が正確では ないけれど、繰返し読める‼️ そう思えています。 | ||||
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今年8月に刊行された本書の帯には最新作と大きく太字で喧伝されていますがそれはまったく誤りで最新翻訳とか初邦訳と表記するのが正しいでしょう。というのは本書はベストセラー長篇『その女アレックス』の1年前に作者ルメートルの母国フランスで刊行されたわけですから。出版界の厳しい現況はよく理解できますが売り上げにつなげようとウソをつくのはよくないですよね。本書は財布にやさしい文庫ではなく単行本です。再読にじゅうぶん耐えうるだけのよく練られたストーリー構成や多彩な登場人物はいずれも魅力的でこれなら単行本の体裁も仕方ないかなと納得でした。 本書は作者の代表作のヴェルーヴェン警部シリーズ3部作(いずれも文春文庫)を好むファンにはやや複雑すぎるストーリーかもしれません。また『天国でまた会おう』のような本格的な文学のテイストとも異なります。かなり荒唐無稽度は高いですがミステリ長篇としての出来は高いほうで読書の醍醐味をじゅうぶん堪能できる奥行きの深さを内包しているので読んで損はないおススメ本といえるでしょう。そのほか全3部のストーリー構成では第3部があまりに長すぎてやや冗長でした。主人公アランの次女リュシーを第3部の語り手にしたならボリュームの圧縮が可能となりもっと引き締まったものになったかもしれませんね。登場人物ではアランがアーノルド・シュワルツェネッガーばりにあまりに八面六臂に活躍しすぎて違和感がありました。 | ||||
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各賞総ナメした「その女アレックス」で有名なピエール・ルメートルの新作!一もニもなく購入しましたが、二千円超え…ハードカバーということを差し引いても高い値段設定に購入時さすがに怯みました。 ピエール・ルメートル=グロというイメージが強いですが本作は猟奇描写やグロ描写はありません。その代わり精神的にクる話になっています。今までもメンタルをやられる内容ばかりでしたが本作は主人公が失業者ということもあって今までの作品より身近に感じられるものになってます。 主人公は初っ端から崖っぷち。家計は貧しいながらも愛する妻、良き娘に恵まれて一見幸せそうに見えますが、上司に尻を蹴られ殴り返してしまったばかりに職を失い、あろうことか訴えられ高額な慰謝料を要求されてしまう。とにかく金がない。なんとか就職先を見つけるべく奔走する主人公がとある会社の書類選考を通過したことをきっかけに物語が動き出します。 本作はアレックスのように大きく三つの章に分けられ、序盤はとにかくしんどいです。主人公の転落していくさまを延々見せつけられ、いいことがほとんどない。序盤は主人公の人となりや周囲の人間の紹介になります。 中盤はタイトルにある通り丸々「監禁面接」をやっています。重役を人質にしてどこまで会社に尽くせる人間かをテストする目的で、そのテストの役割を主人公たちが担い成績がいい者が晴れて面接合格になります。しかしこれは表向きのもので、面接の汚い真実を知った主人公が大暴れし、その後の決着を描いた終盤へと繋がっていきます。 序盤は延々鬱々としているので気が滅入りましたが、中盤に差し掛かる頃にはエンジンがかかってきて一気読み。さすがに上手いです。アレックスやイレーヌほどではありませんが、先が読めない衝撃的な展開の連続でした。面白いか?と聞かれれば即面白いと答えます。 しかし個人的に主人公が鬼門でした。この主人公とにかく短気で暴力的です。職がなく焦っているせいなんでしょうが娘婿に金をせびって断られたら全力パンチとか口より先に手が出るタイプ。今までの主人公は応援したいと思えるキャラばかりでしたが今回の主人公は控えめに言って真面目クズ。妻を愛している娘がかわいいと作中ずっと言っていて、まあ実際それは真実なんでしょうが、成功するかわからない博打に妻子の命や金を賭ける危うさを持ってます。実際ラストでは主人公のせいで妻も娘もボロボロになりました。 主人公は最後の最後に働かなくても遊んで暮らせるほどの大金を手にしますが、ハッピーエンドではありません。メリーバッドエンドです。大金をせしめる代わりに親友は死に、妻は離れていき(多分離婚になるでしょう)、娘の一人とも絶縁に近い状態になります。もう働かなくてもいいけれど、蓋を開けてみれば序盤の頃が貧しいなりに一番幸せだったかも。妻や娘に再三言われた「あなたはなにもわかっていない」この言葉に主人公のすべてが詰まっています。 本作に善人はあまり登場しませんが、聖人は主人公の親友でしょう。相手のために全部投げ出して「俺のことは気にするな」と心から言える彼がなにより美しかった。それだけにその親友の命と引き換えに得たものがあの結末だと思うとやりきれません。いい人ってほんとすぐ死ぬなぁ…。 翻訳はアレックスと同じ人で相変わらず海外小説とは思えないほど読みやすいです。ストーリーは○。しかし境遇には同情するものの主人公がクズなので読後感は悪めで、読んだあとモヤモヤが止まらなかったので☆3.5くらいにしておきます。主人公に好意が持てるかどうかは先を読むモチベーションにかなり影響されるということがこれを読んでわかりました。 | ||||
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企業の冷酷な判断により失職し、アルバイト先でもとんでもない困難を抱えた男。 有名企業の人事担当として採用面接を受けることになったアランだったが、その面接は異様なものだった。 採用面接の課題は、人質事件をでっち上げ、企業の幹部社員のストレス耐性を試す役割をことだった。 しかし、その面接自体にも大きな裏が隠されており、という話。 採用面接編、それに続く2つの章で成り立っているが、とにかく第2部の展開、及び第三部への突入の仕方が半端じゃないです。 グロテスク描写が薄まり、コメディー色が強まっているが、サスペンスとしてはいずれにしても一級品です。 最後のオチが余り好みではなかったので星を1つ減らしましたが、ルメートル氏の才能は驚くばかり。 ルメートル作品が初めての方にもお勧めです。 | ||||
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