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六人の赤ずきんは今夜食べられる
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六人の赤ずきんは今夜食べられるの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.83pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全2件 1~2 1/1ページ
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メリハリのある展開と緊迫感のある文章がとても魅力的で、惹き込まれるようにしてぐいぐい読み進めてしまった。 これは面白い!!と思ったものの、 「×rkうmrおォォォォォォッッッ!!!!!」 終盤のこの一文で一気に興ざめです。 言葉にならない悲鳴なら地の文で描写すればいいのに、ネットスラングじみた悲鳴にしたせいでこれまで積み上げてきた世界観や雰囲気が台無し。アホか。 | ||||
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第12回小学館ライトノベル大賞「優秀賞」受賞作品 物語は猟師である「私」の一人称で進められる。 「私」はかつて騎兵隊の立場にありながら名利の欲に溺れて罪の無い村を滅ぼし、女子供を手に掛けた事への罪の意識に囚われている。 その後猟師となった「私」は「一つ所に長居しない」という猟師の掟に従い村から村へと転々と渡り歩く生活をしていたが、 とある村で怪物の様に大きく凶暴で狡賢い狼「ジェヴォーダンの獣」が出るという話を聞かされる。 それなら猟師である自分の出番だろうという「私」に対して村長はその獣は男は襲わず 一年に一度現れては少女だけを、それも魔女の末裔である「赤ずきん」という秘薬の作り手だけを殺すのだという。 かつて女子供を手に掛けた事に対する贖罪の意識がこみ上げた来た「私」は村に残っている六人の「赤ずきん」の少女と 村はずれにある「魔女の塔」と呼ばれる建物に籠城して一晩「ジェヴォーダンの獣」の魔の手から逃れる戦いを挑む事にするが…… ……んー、何だか小説を読ませて貰ったというよりも他人が一人称視点のゲームをクリアする動画を延々見せられたという感じ。 「恐るべき『ジェヴォーダンの獣』から少女を守って一晩戦い抜け!」という主人公(プレーヤー)に与えられるミッションが明確で 使えるアイテムの効果も含めてルールも明確、動き回れるフィールドはかっちりと固定されており、 途中でヒントが与えられて細かく、そして明確なクリア条件が設定されていくあたりがますますゲームっぽいというか。 ストーリー自体は破綻している訳じゃないのだけど、予め定められたレールの上を踏み外すことなく一本道を歩いている様に単調。 「主人公が恐るべき獣とその生みの親である魔女から『赤ずきん』たちを守り通す」というラインから一歩も外に出ない。 ここで例えば「赤ずきん」たちであったり、敵である「ジェヴォーダンの獣」なり「魔女」なりとの感情豊かなやり取りがあれば ドラマとして楽しむ事も出来たのだろうけど、この作品においてはそこが最大の弱点。 とにかくこの作品登場人物の造形がひどく薄っぺらい。 最初から主人公プラス6人の「赤ずきん」という結構大所帯のパーティーで動く割にはキャラクターの描き分けがさっぱりなのである。 口調こそ台詞がひらがなだけで書かれている「赤ずきん」や最初から胡散臭いキャラとして思わせぶりな事ばかり言う「赤ずきん」など 多少の工夫はされているのだけど、作中でその台詞ほどに描き分けがなされているわけでもなく「赤ずきん」の役どころは 最初から最後まで主人公が使うアイテムである秘薬の製造係兼保護対象兼「この中の一人が魔女」という容疑者以上になってない。 この赤ずきんたちがそれぞれに主人公に対して憧れたり、恋が芽生えたり、あるいは主人公に対する嫌悪感を剥き出しにしたり 疑心暗鬼の状況で殺意を抱いたりと様々な感情を芽生えさせ、その感情に従って行動を起こせば多少なりとも話が膨らんだのだろうが、 最後までストーリーの流れに変化を産むような「感情の芽生え」やキャラクターとしての特徴を際立たせる様な行動を起こさず仕舞い。 これで読者に対しどうやって登場人物に見分けを付けろと作者は考えたのだろうか? そして困った事に主人公であり語り手である「私」自体がさっぱり動かない。 この主人公与えられたミッションをこなす以外にほぼ能動的な行動を起こさないのである。 かつて女子供を手に掛けた贖罪の意識から「赤ずきん」を理不尽な運命から守ろうとするのは分かるし、そこまでは良い。 だが、一旦話が始まった後は「どうやって眼前の脅威に立ち向かい、赤ずきんを守り、魔女の正体を見破るか」という 自分自身に与えられたミッションの枠外に思考の幅が一歩も出ないのである。 これでどうして主人公に魅力を感じられるだろうか? 一人称という主人公の感情の動きが伝わり易い表現方法を選びながら少しも主人公に「人間臭さ」が感じられなかった。 こんなのは主人公と呼ばす「ミッションクリアマシーン」とでも称すべきでは? 小説ってもっと主人公をはじめとする登場人物に豊かな感情やストーリーを動かしていく行動力を持たせて ガンガン動かしていかないと「人間ドラマ」としての魅力が生まれてこないと思うのだが。 動画サイトにアップされている他人がゲームを攻略する動画を見て「他人がゲームをプレイする動画を見て何がどう面白いのだろう?」と 以前からひどく疑問を感じていたのだが、まさにその不可解さを小説を通じて見せ付けられた様な一冊だった。 「他人のゲームのプレイ動画」とやらを見て楽しめる方であれば楽しめたのだろうけど、 そんなものに何の感動があるのか分からない人間としては「楽しみどころ」がさっぱり掴めないまま終わった作品。 | ||||
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